テラーノベル
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「あ、やっと起きた」
「……?」
目が覚めたらなんとなく知ってるような知らないような人物と閉じ込められていた。
帽子をかぶっていない看守。
リアム看守でないのは見て分かるため俺のことを知ってると言うことはぺいんとたちが言ってた人物だろうか。
「…えっと?」
「?、!、あぁそっか俺とは初めまして、なのかな?」
ニコニコと笑う顔と看守服が似合っていない。
「スティーブだよ。よろしくね?10番」
手を出されておずおずと出すとしっかり握り返された。
「よろしく…です、?」
某看守長の仏頂面というか無愛想に比べるとよくコロコロと変わる表情だ。
気さくで優しい人とは聞いていたけど、犬のような人だ。
大型犬?か?
「それで、ここは?」
辺りを見回す。
質素な部屋で、監獄なんかに比べれば全然マシだけど。
「うーん、俺にもさっぱり。いちをキミが寝てる間に見て回ったりしたけどね。見た目は何の変哲もない部屋っぽいけど鍵が全く開けられないね」
「はぁ…」
万事休すというやつか。
いくら優しげな人っぽいと言っても看守という立場の人とずっといるのは非常に気まずく、精神上あまりよろしくない。
何かないかとスティーブ看守がしたように周りを見る。
「あれ」
ベッド横のチェストの上の空の赤い箱と中身のある青い箱に目が止まる。
青い箱の中にはチョコが入っており、赤い箱にもおそらく入っていたのだろう。
甘い匂いが残っている。
「…ん?」
ふと足元の床に落ちてるメモに気付いて拾った。
「……!」
「どうかした?」
「スティーブ看守、これを見てください」
メモを読んだスティーブ看守はテヘペロ☆みたいな顔をした。
「……ありゃ、俺やっちゃった?」
「……やっちゃったかと」
なんとなく白々しさがある気もするけど、この人のことをあまり知らないだけでこういう反応が普通なのだろうと感情を押し込んだ。
「リアム看守長と閉じ込められなくてよかったー。俺半殺しだよぉ」
そう言えばポンコツだとも言っていたな、この人のことしにがみさんとか。
「ぺい……あいつら曰く怖いとお聞きしましたけど」
「いや、マジですげぇ怖いよ…。あの目で睨まれたら逆に何もできないってね」
「あなた、そんな人を怒らすばっかしてんですか」
「俺っておっちょこちょいらしいよ」
ははっと笑うスティーブ看守に苦笑いした。
「それは、見た通りと言いますか…」
リアム看守ならくだらん、の一言で速攻で壁を破壊しそうだ。
「あはは……看守長だったら壁ぶち壊しそうなんだけどね」
「まぁ、でしょうね」
扉の前で壁をコツコツと叩くスティーブ看守。
「…話を戻すけど、10番がそれを食べたら条件クリアってことかな?」
脱線した話をスティーブ看守が戻す。
そうだったと俺は手元の青い箱を見つめた。
「そうですね。じゃあ、食べます」
変わらずニコニコ笑う彼に何故か違和感を感じつつも中身をとって口に入れる。
「っ、甘っ」
思ってた以上に甘いそれは口の中に広がっていく。
ウイスキーボンボンのような喉が焼け付くほど甘さだ。
「………食べたね?」
「はぃ、なんか、めちゃくちゃ甘…っ、⁈」
声が近いと気付いた時にはベッドに再び横になっていた。
いや、正確には押し倒されていた。
「ぁ、え…?」
「俺のことはポンコツとか思ってるかもしれないけど、…まぁ、確かに落とし物したり無くしたりしてよく怒られはするけどね」
力が入らない。
手足の先が震えて、体の芯が熱をもっている。
そう自覚していたところでスティーブ看守にお腹を押された。
「ひゃ、ぅ゛…♡⁈」
「あ、やっぱ効き目は一般人の10番の方が早いね。……1粒でこれなら、赤い箱との中身を何も知らない状態でキミに食べされたらよかったかな」
ずっと笑顔の違和感はこれだったのか。
今更、気付いても遅い。
「ぉ、れを騙したんですか…⁈」
「騙すのはキミたちの専売特許だろうけど。そうだね、中身を1つ入れ替えたよ?…だって、条件には食べろとしか書いてないし、食べ方のルールはないからね」
力は入らないし、体格的にも全く敵わない。
「やめて、くださ…」
「え?やめないよ?だって、俺10番のこと好きなんだから」
服の中に手を入れられ手袋越しにお腹を触られる。
「っっ!」
素手と違って繊維質な物に触られて、ざわざわと擽ったい筈なのに違うものを感じていている。
「可愛いね♡」
「ひぁッ♡⁈」
男の俺の胸なんか触っても楽しくないのに、媚薬のせいでおかしくなってる。
「職業柄、耐性はそこそこあるけど2個はキツかったかな」
見ればスティーブ看守の顔は熱っぽく、汗もかいていた。
それでも笑う顔は崩さない。
それが逆に怖さを感じさせていた。
「ひッ、ぅ!んぁっ」
「潜入とか得意なんだっけ?10番」
「ぃ、言わなぃッッ」
「…ふぅん?」
ガチャリと2つ音がなったかと思うと、俺の右手とスティーブ看守は自身の左手を手錠で繋いでいた。
「は…⁈」
「これで逃げられないね♡?」
「!!、ゃ…」
「触りづらいけど…まぁ、そのうち10番も大人しくなるだろうからね!そしたら外してあげるよ。外す頃には何も分かんなくなってるかもだけどね」
羊の皮を被った狼だ。
こんな策士だなんて思わなかった。
恨むなら見抜けなかった俺自身を恨むしかない。
「あれ?俺がこんな感じの人間だって知って驚いてる?」
「!、っ、ひっ」
「最初からこんな感じでいったら怖がられるじゃん?…好きな子には優しくしないとって兄貴にも言われたことあるしね」
器用に下を脱がされる。
「!!、ゃだっ…みないでくださっ…」
「隠す必要ないよ?俺に見せてよ可愛いトコ」
右腕を彼の左腕で押さえつけられて触られる。
「ひゃぁっ⁈」
布越しに触られて変な感じがした。
「お?これ気持ちいいの?じゃあもっとしてやるな」
「ぃぃ!しなくていいれす…ッ!」
「イイんでしょ?好きな可愛い子がもっとヨがるの俺見たいし」
手の動きを早くするスティーブ看守に首を横に振って抵抗する。
「可愛い抵抗だね?俺にはもっとして欲しいようにしか見えないよ?」
「!、ぁゔっ!ゃ、ら♡!だめぇ…っ♡♡」
びくりと腰が跳ねた。
俺はそのままイッたことで脱力する。
「レディや8番や9番がキミのこと表に出したがらないのも分かる気がするな」
どうしてここでぺいんとたちが出るのか分からなかった。
多分、一生理由は教えてもらえない気がした。
「はッ…♡、ぁぅ…ひン、♡」
後ろに手袋越しの手が伸びる。
「!、や゛っ、てぶくろ、やらぁっ♡」
怖いと気持ちいいとが混じってわけが分からない。
「擦れて気持ちいいんだろ?ここには俺しかいないんだから素直になっていいよ」
「ひぅゔッッ♡⁈」
「柔らかいねぇ?シたことある?それとも期待してる?」
「どっちも、ちがぁぁ゛♡!」
ぐっある部分を押されて自分じゃないくらいの声が上がった。
「可愛いねー?トラゾーくん」
「♡?、ふぁあ゛♡⁈」
グリグリとソコを押されて腰が揺れた。
「俺、占いとかテレビで見たりするんだけどね」
「♡、♡⁇ッッ、?」
聞いてもいないようなことを饒舌に喋り出した。
「ラッキーカラーが赤で、ラッキーアイテムがチョコだったんだよねぇ。すごい偶然でしょ?」
「ふっ♡、ゃ、ひぅっ!」
後ろを触られながらでは全部の話が聞き取れない。
集中できない。
「好きな子と急接近!かなり進展があるでしょう!ってアナウンサーの人が言ってたんだ」
ベルトがカチャカチャ音を立てている。
「んで、ラジオでも新聞でも同じようなこと言ってたり書いてたりするんだよ。すげぇよな?」
ピタリと後ろに熱い硬いモノが充てがわれる。
「ここまで重なると俺も半分くらいは疑ってたんだけど…。こんな変な部屋で先に目が覚めて見てみれば”赤い”箱。中身は”チョコ”。無防備に寝てる”好きな子”」
「ぁ♡っ、ん、ふぅ゛ッ♡?」
「運命だねっ!」
「ッッッ♡♡♡!!!?」
バチリと電気が強制的に切られたような感覚が身体を巡った。
「ぃ、ゔ、♡ぁッ、おっき…すぎ、ぃ…♡♡」
苦しさと若干の痛み。
それを押し除けるほどの気持ちよさ。
「ははっ、ホントにトラゾーくん可愛いなぁ♡」
スティーブ看守が自身の腕を引っ張ったことで自動的に俺はそちらに引っ張られる。
「かゎいッ、くなん…かなぃぃ…♡」
右手と左手が恋人のように繋がれる。
「可愛いよ?俺の中では1番ダントツで」
「んひゃっ♡⁈」
下から突き上げられて腰が跳ねる。
「ね、俺の名前呼んでくれない」
「ふ、ぇ?…すてぃーぶ、かんしゅ…♡?」
「あはっ♡」
俺のナカで大きさと硬さの増したソレに肩が大きく跳ねた。
「なっ♡⁈んれ、おぉきく…も、♡これぃじょ…はいんなぃっ♡しんじゃうッッ♡♡!」
「死なないよ。うーん、まぁある意味ではそうなのか?」
笑顔で容赦のない動きをするスティーブ看守に繋いでない方の手を首に回す。
「もぅ、やらっ♡すてぃ、ぶ、ッ♡かんひゅ…♡♡!」
「余計に舌がまわってないね。そーいうとこも可愛いよ♡」
「ぴ、ゃあッ♡」
奥の奥を突き上げられて、俺は何も出さずにイッた。
「ッッ〜♡♡!まだまだ、足りないよね?トラゾーくん♡?」
「ッッッ!!は、ひ♡!まりゃ、♡たりなぃでッす…♡」
手錠が外されても恋人繋ぎはそのままでスティーブ看守に擦り寄る。
そう言えば俺も今朝の占いでラッキーカラー青、アイテムが手錠とか言ってた。
思わぬ出来事に遭遇。未知の体験ができるかも⁈ってアナウンサーの人が言ってた気がする。
あの時はふざけてんなーとか思ってたけど。
「こぅ、いう♡ころ、ッららったッ♡のか」
全てがその通りになった。
「お腹いっぱいになるくらいまで出してあげるな?トラゾーくん♡♡」
「ぃっぱい♡♡うれしぃッ♡すてぃ、ぶさん♡♡だいすきぃっ♡!」
「俺も大好きだよ。ずーっと、ずーっと可愛がってあげるね?」
「んぅッッ♡♡!」
笑顔でそう言われてお腹が疼く。
もっと欲しいと。
スティーブ看守の言うように運命のような出来事に俺はただひたすら歓喜し悦んでいた。
コメント
5件
よかったです…(*´-`)=3 こちらこそ、リクエストと読んでいただきありがとうございました!
口調にまだ違和感あるかな…? お気に召すかは分かりませんが、クラゲさんこんな感じでどうですかね…? ダメ出し全然大丈夫です!寧ろこここんな感じと教えてくれたらありがたいです(_ _)