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・創作BL・誤字が凄いです気づいたらすぐ治します
神様×嫌われ者の生贄半妖
前作の続編です
______________
ザァーーーーーー
コン『雨が振るのは久方ぶりですねぇ』
洗濯物を取り込むコンの後ろ姿をボゥ、と眺める
コン『?どうなされましたか、ソラ様』
洗濯物を手に持ち、頭を傾げた
「なんでもないよ、ただ」
コン『ただ?』
「大事な何かをなくした気がしただけ」
ザァーーーザぁ
『逃げろ!』
『この_だけでも!』
『____生き_ッ!』
ザァー
コン『ソラ様?』
「あ、ううん、なんでもない」
コン『暖かいお茶入れますね。』
「うん、ありがとう!」
台所でコンとお茶を飲んでいると、クロセが左手を袖に通さず懐手をしながら右手で引戸を開けて入ってきた
『コン、俺にも』
コン『はい、今作ります』
横に座ったクロセの手が頭に乗せられる
『早起きだな』
「もうお昼だよ?」
くすくす、と笑うと頭をもう一度撫でられた
ザァーーーッ
雨は弱まる所か酷くなる一方だ。村の人達からしたら天のめぐみだろうな…
雨が降り始めてたら心のざわつきが治まらない、なにか大事な、”人”を亡くした気がする
雨の音と共に悲鳴と怒鳴る声が聴こえるような気がする
ザァーー『愛しい___』ーッ
ザァー『元_に産まれ_ね』ーーーッ
『おねがい生きてッ!』
『ソラ!』
強く肩をゆすられハッとした
「あ…くろ、せ」
『どうした、何かあったか』
つつ、と頬に擽ったさを感じた___頬に手を当てると水滴が付き、理解した。おれは泣いいたんだ
「ッッ」ハク、と空気だけを漏らし、息を飲んだ。ソラは自身の肩に置かれたクロセの手に手を重ね___
「クロセ、お願いがある…」
クロセは目を見開き、すぐ様真剣な顔になりソラの話を聞いた。
数日後に雨が止み。即座に出かけてたクロセが2時間で帰ってきた。
『ソラ』
差し出されたクロセの手には何も無かったが、ポンッと現れた和綴じ本に自身の心臓が跳ね上がるのがわかった
ゆっくりと受け取り、本を開いた。この本は村長の日記、本来誰も見れぬよう村長が隠していたものだ。
「…ここら辺だ」
_/月六日
村に若い男がやって来た
若い男は村にすぐ馴染み良く働く男人だった
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
◼️◼️◼️。
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
文字が擦られていて読めなくなっている。
_月1◢日
村の女人と夫婦になったとあの男人が言っていた、 数日したら離れにある洞窟に住むと言っていた。女人を連れていき何もせず暮らす気か?今まで家を貸してやったのに何も無いのか
その日の夜村で巨大な人型の狐を見たと言う村人が現れた
すぐ様に武器の準備をした。
12月✘日
洞窟に行ったあの二人が怪しい
妖怪はまだ見つかっていない。
このままでは村人の気が滅入ってしまう。どうにか妖怪を殺したと言う偽の証拠だけでも欲しい
そうだ、恩返しの時だろう彼奴らを◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
12月◼️◼️
雪が降り続け作物がダメになり木も湿り使えない。ここまで雪が続くのはおかし◼️
やはり妖怪の祟の仕業か
妖怪は殺せ妖◼️は殺せ妖怪◼️殺せ◼️怪は殺せ
1◼️2◼️◼️
自身を陰陽師と名乗る男が来た。村が喜びそいつに退治を頼んだ
やはり、あの二人だった。彼奴は原因が洞窟にいる半妖怪の所為だと言った
やはり間違っていなかった
直ぐにでも殺してしまおう。
◼️◼️3◼️◼️
何故だろう陰陽師が来てから身体が軽い。やはり妖怪の呪いを払えるものの近くに居るからだろうか。陰陽師の男の言葉に説得力がある。こいつを信じれば必ず村が幸福に包まれる
明日だ、この村は呪いから開放される
村人を集め男人全員で行くことに決まった。
2月1日
決行だ。
その一言だけを力ずよく書き、下からは血が滲み文字も興奮して書いたようだった
これで村の呪いは解かれた!あの女人は女だが半妖の子を産んだのだ!危険すぎる!
だがあの陰陽師は「この子供は生かせ」とはなんだったのだ。まぁいい、あの方が言うのだから正しいだろう。
それにしてもあの二人の断末魔は最高だった。悲鳴が上がる事に村が綺麗になっていく、そんな気がした。
3◼️7日
可笑しい。雨が降らない
雪は止み嵐は来なくなったというのに雨が降らない
このままでは作物が育たない。呪いは解けたはずなのにどうしてなのだ
あの子供か?あの子供なのか?
陰陽師様、どうしてこの子供を生かせなどと言ったのですか。忌々しい妖怪の血を引き呪いまでもを引いた
この本はここで終わりだ
ソラは荒くなった息を整え唇を噛んだ
怒りで妖力が制御出来ず溢れているのは分かっているのに、冷静になれない
『陰陽師…か。洗脳だろうな』
『落ち着けソラ、妖力を出しすぎればまた体調を崩すぞ』
正面から抱き込まれたソラはクロセの背中に手を回すがその手は震え、クロセの着物を握りしめている。
『その陰陽師とやらは、ソラが生贄に出す時に提案した男かもしれないな』
「っっっ」
チラリと金の瞳を細めソラを見たクロセはポツリと呟いた
『コン。ギン。』
コン『はい、クロセ様』
ギン『なんなりと』
『あの村は無くしても損は無いよな』
冷静に言っているがクロセの頬には青筋が浮かんでいた
コン『この山を土地にしている我らからすれば、無くてもあっても変わりはしません』
ギン『元より、彼等の供え物にソラ様以外は価値などありませんでした。』
『そうだな。これは予言だ、日が開けたら既に溢れた川にまた雨が降り、氾濫を起こし村を呑み込むだろう。』
コン『私はギンと共に山を囲う結界を貼ってまいります』
『ああ』
話を聞いていたソラは止められなかった、否。止めなかった。今までは居させてもらっていた恩や拾ってくれた恩を感じていたから。
何もしていない両親を殺した村に情も何も残っていなかった。
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6話 END
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次の日。玄関が突然開き1人の影が部屋に入ってきた
『何の用だ、ナイツ』
「分かってるだろクロセ」
『ダメだ。これは俺達の問題だ』
『俺もソラ君の事気にってるんだ、それに天気は俺の分野だ』
バチバチに睨み合う2人、ナイツが交渉をもちかけた
「なら、眷属の蛇で村人を襲う。全滅はさせないし、天候には一切手を出さない、眷属の蛇は最後は撤退させる」
『…村長は殺すなよ』
「交渉成立だ」
山のふもとで木の実を取っていた村人は草むらが揺れたのを感じ、確認しに行った。
そこにいた蛇に村人は叫び、周りにも何百匹といる群れの蛇から逃げ村長に伝えに行った
村人の突然の報告に村に悲鳴が上がった【蛇が!!】【何百匹ものの蛇が村を囲んでいる!】それだけではない、反対側から来た村人の報告もだ【雨雲が出てきます、これ以上雨が降れば氾濫は免れません!】
村は混乱に陥った
蛇は村人を囲み、追いかけ回し、噛みつき締め付け巻き付いた。
山に逃げようとした村人もいたが、山に入ったのに外に出され、何をしても中に入れなかった
日が暮れ初め、やっと蛇が居なくなった。だが今度は氾濫だ、近づいてきた雨の量と奥の川から勢いよく流れてきているのを見ると津波になりそうだった。
高台である唯一の山に入れず家の屋根に登るしか無かった、だが
1人の村人が焦げ臭さを感じ、横の家を見るとオレンジの光と黒煙を見た。燃えやすい素材の家は勢いよく燃え始めた他の家にも燃え移り、もう逃げ場所がなかった。
村は絶望に包まれた
大雪や嵐は呪いなんかじゃなかった、本当の呪いはっ
そんな思考が頭を巡った、村長は冷や汗をかいていた。
ふと、逃げた家畜達が山に入れていることに気づき、閃いた。家畜の上に乗り山に入れば逃げられる、と。
直ぐに行動に移し、家の屋根から降り近くにいた家畜を捕まえ上に跨った。
「入れる!入れるぞ!」
アッハッハッハッ!と高笑いをした村長はふと、おかしな事に気づいた。まだ日が上がっていたはずなのに森の中は暗く、先程までいた家畜が居なくなっていた。跨っていた家畜も何かを怖がり村長を振り落とし逃げて言ってしまった。
『手間が省けた。』
男の声が響いた。
「だっ、誰だ!」
振り向いたが、誰も居なかった。ひたり、と人の手が額に当てられ意識がなくなり、白目で村長は倒れた。
クロセは村長に精神的な術をかけた。彼は死ねずに殺され続ける。助けてと叫んでも、許してと請うても、彼がソラの両親にした時と同じ事を一生囚われた精神の中で、され続けるだらう。
『陰陽師は…どこかに逃げたが』
黄昏色の夕日は何も無い村の更地を照らし、鳥が鳴いていた。
「全部無くなったな」
おー、言いながらと空中に立つように浮かんでいるクロセの横にナイツが来た
『ソラは』
「コンとギンと一緒に寝てるよ。いやぁーあそこだけ平和だったね」
癒された。と手を顎に当てながら言うナイツにため息を吐いた
「まっ、神様を怒らせちゃダメよ〜って事だな」
_______________
7話 END
家ではソラを真ん中にコンとギンが挟んで寝てます
干したての布団の誘惑に負けたソラでした
_______________
神様達に呼び出されたクロセとナイツと以前のようにクロセに抱かれて連れてこられたソラ。
コンとギンは外で待機している。
【どういうつもりか聞かせてもらおう】
『…説明はいるか?家族を傷つけた村を滅ぼした。それだけだ』
【それが問題なのだ!神の力で人間の村を滅ぼすなど!】
『それの何処が問題なんだ。確かルールには”無実な人をむやみに殺すのは禁止、ただし神の家族or眷属に手を出した場合は鉄槌を下して良しとする。”先生が決めていただろう』
「俺は処罰受ける気で手伝ったしなぁ〜」
【そのルールが適用されるのは我ら神の座に座っている者たちだけだ!権力を放棄している貴殿に適用はされぬ!】
少しの間、無言が続いた。その空気を破ったのはクロセのため息だった。
『なら。俺が神の座に座れば問題ないな』
目を細め殺気を溢れださせながらじとりと男を睨むクロセ。男はハッとし、冷や汗を流した
「あ〜あ、クロセにやる気出させちゃった。お疲れ様ジィさんとも、お前らの席なくなっちまったな?」
ケラケラと笑いながら言うナイツは横にいるソラの頭を撫でた。
「???どういうこと?」
疑問がっているソラにナイツが説明する
「そーね、あのジィさん達は神の座ってギリギリで座ってるんだよね、だからもしクロセが座るってなったらあのジィさん共はあの場にいられないわけ」
「階位はクロセが圧倒的だからな。今までクロセはやる気がなくて座ってなかったけど、ジィさん共はやる気を出させちゃったわけよ」
「今までクロセは神の座に座らなかったのに、座って平気なの?」
「平気平気、それに座らなかった理由もそれすらどうでも良くなるくらいソラ君が大事なんだろうよ。」
ポス、ともう一度頭に手を乗せられた。
チラリと上にあるクロセの顔を心配そうに見つめるとクロセがこちらを見た。
『ナイツの説明通りだ。』
抱き抱え直され、クロセの首に腕を回し顔を埋めた
『という訳だ、退いてくれるよな』
【っっ、今、今すぐは無理であろう!上位神様に聞かねばっ】
カタン。キイィィッ。ガコンッ
突然扉が開いた
『いーいーよ。許可します』
『先生』
【上位神様っ!?】
【お、お待ちください!】
『ダメなのかな?上位神であるアタシが、クロセを神の座に座らせるのを許可する。って言ったんだけど』
【い、いえ、ダメでは…ありません】
『だよね。じゃあ、その席さっさと譲ってくれる?横の男2人もね』
『久しぶりだね、クロセ。その子がソラ君?』
『久しぶり。そうだ』
ん?と言った上位神がソラに顔を近づけた
『おや、珍しい。この子、半妖のハーフってだけじゃないよ』
『どういうことだ?』
『この子の父親、が半妖なんだっけ?』
『嗚呼』
『その父親、狐と人間のハーフじゃないね、狐と神のハーフだ』
「え…?」
『神と妖怪の血も継いでるし人間の血も継いでる、いやー!全くもって珍しい!』
この子欲し__と言いかけた所でピタリと止まった上位神は『あー、呼び出しだ、行かないと。じゃあねソラ君』と手をヒラヒラとさせ去っていった。
「?????」
ソラはと言うと、今だに情報が処理出来ておらずパンク中である
私は幸せでした、出会った男人が半妖だと教えてくださった時、怖さなんてなかった。私に話してくれて嬉しい、共にいようと言ってくれて嬉しい。素直にそう思いました
彼は村に滞在していた旅人でした、村に馴染み、畑を手伝っていました。
そんな彼に私は惚れてしまいました、なんて言うこと、彼も私を好いてくださったの、とても嬉しいかった
けれど彼が半妖だと教えられた時嬉しさと共に、この村からでなければと思いました
この村は妖怪、半妖を嫌い絶対に生かしては置かないと私は生まれた頃から言われていたので知っていたのです。
だから洞窟に一緒に住むことにしたんです。幸い私のお腹の子が産まれるまで時間はあった、だから産む準備に余裕はあったもの。
『愛しい我が子』
『元気に産まれてね』
お腹をさすりそう願った。
半妖の子を産むのは少し身体が辛かったけどこの子が産まれてきてくれて本当に幸せだった、彼も泣いて喜んでくれた。
雪じゃなくて今度は雨が続いていた日、洞窟の入口から物音がした、松明に村の男人が沢山、手には斧を持って
私達はこの子を抱いて逃げた、転けそうになっても逃げて逃げて逃げ続けて、反対側の出口から出る時彼が『逃げろ!』そう言って村人を足止めしに行ってしまった
置いていきたくなんてなかった、それでも私はこの子を守らないといけないから
強く抱き締め走り出した
走って、転んで、怪我をしても
でもおってくる村人との距離は縮まる一方。
嗚呼、転んでしまった、もう足が動かない
『この子だけでも!』
そう、村人に請う。
瞳に映った振り下ろされる斧。神様、もし居るのならこの子を幸せにしてあげてください
『おねがい生きてッ!』
ザンッ
ザァーーーッ
「あ…ぁぅ、う」
朝だと言うのに雨が降り外は薄暗かった。
変な汗と涙が止まらなかった
ザァーーーーー
夢、何を見たかなんて覚えていない、なのに辛くて悲しくて苦しかった。
「ふぅっ、ぅ、」
足を三角にしてその膝に顔を埋めた。
_________________
8話 END 8⁄9