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#そのじん
しま
59
#山中柔太朗
Freesia
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えろたろう
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西陵高校へ戻る道。仁人は一人、商店街を歩いていた。
昨日の怪我は、まだ少し痛む。
けれど、それよりも気になることがあった。
昨日、自分を襲った三人。
そのうちの一人が、去り際に言っていた言葉。
——「西陵のトップだからって、何しても許されると思ってんの?」
思い返すたび、胸の奥がざわつく。
仁人は、喧嘩は嫌いな方。
論破して相手が逆上したら少し手を出す程度。
でも、仲間を傷つけられたら黙っていない。
けれど、最近は妙だった。
見覚えのない連中に絡まれることが増えた。
一度や二度なら、偶然で済ませられる。
でも、昨日は明らかに違った。
あいつらは最初から、自分を狙っていた。
💛 「……何なんだよ」
仁人は立ち止まった。
目の前のガードレールに、見覚えのない紙が挟まっている。
何気なく引き抜いた。
そこには、短い文章が書かれていた。
『次は一人で来い。西陵の看板がなければ、お前なんてただのガキだ』
仁人の目が、すっと細くなる。
💛 「……上等じゃん」
紙を握り潰した。
怖くない。
そう言い聞かせる。
自分は西陵のトップだ。
ここで逃げるわけにはいかない。
誰かに相談するつもりもなかった。
ましてや、東明の佐野勇斗になど。
絶対に。
夕方。
東明高校の裏門では、柔太朗が壁にもたれてスマホを眺めていた。
そこへ、太智がやってくる。
🩵「……見つかった?」
🤍「うん。昨日、吉田を襲った連中」
🩵「やっぱり、偶然じゃなかったんだ」
柔太朗はスマホの画面を閉じた。
🤍「どうやら、吉田だけじゃないらしいよ」
🩵「……どういうこと?」
🤍「最近、東明と西陵の周辺で、他校の連中が動いてる。わざと揉め事を起こして、両方のトップを引っ張り出そうとしてるみたい」
太智の表情が険しくなった。
🩵「何のために?」
🤍「さあ。でも、吉田を狙ったのは確かじゃね」
二人の視線が、校舎の向こうへ向いた。
ちょうどそのとき、勇斗が裏門から出てきた。
🤍「勇斗」
🩷 「ん?」
🩵「吉田のこと、聞きたいんだけど」
勇斗の表情が変わった。
🩷 「……何」
柔太朗は、手に持っていたスマホを差し出した。
🤍「昨日の連中。今日も西陵の近くで目撃されてる」
勇斗は画面を見つめた。
そこには、見覚えのある男の顔が映っていた。
昨日、仁人を囲んでいた連中の一人。
勇斗の目から、笑みが消えた。
🩷 「……あいつら」
🩵「吉田に何かあったら、どうする?」
勇斗は答えなかった。
ただ、スマホを返して歩き出した。
🤍「……どこ行くの?」
🩷 「西陵」
🩵「は!?」
🩵「えっ、待って! 今から!?」
太智が、慌てて勇斗の腕をつかんだ。
🩵「お前、さすがにそれはマズいって! 敵校やん!?」
🩷 「知ってる」
🩵「知ってて行くん!?」
🩷 「うん」
勇斗は、太智の手をそっと外した。
その顔は、もう笑っていなかった。
🩷 「……あいつ、自分から誰かに助けを求めるような奴じゃないから」
🤍「……」
🩷 「だったら、俺が行くしかないじゃん」
何も言えなかった。
勇斗はそのまま歩いていった。
敵校のトップを助けるために。
自分でも、どうしてそこまで気になるのか、まだ分からないまま。
ただ一つ、確かなことがあった。
昨日、雨の中で見た仁人の顔が。
どうしても、頭から離れなかった。
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コメント
2件
はぁー!尊いですねぇー
うわ、この第9話、すごくいいところで終わりましたね…!💦 仁人が一人で相手の挑発に乗ろうとしているのと、勇斗がそれを察して敵校である西陵に乗り込む決意をする対比が熱すぎます。「あいつ、自分から誰かに助けを求めるような奴じゃないから」ってセリフ、勇斗の仁人への理解が滲んでて胸が締め付けられました。二人の距離が少しずつ縮まってる感覚、たまらないです。次話、絶対読みます!