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甘いー!!!!!今日甘いのばっかりでクラクラする倒れちゃう🤦🏻♀️🤦🏻♀️🖤💚
腕の中の彼はなかなかこちらを見ようとしない。
俺からは目をそらしてどこか遠くを見つめたまま、低くて甘くて掠れた声で譫言のように俺の名前を呼ぶだけだった。
俺は彼の肌を指で辿りながら、じっと長い睫毛の先に目を凝らした。こうしていると、俺たちの世界がぼんやりと繋がって見えてくるような気がした。
ぴくり、と彼の身体が震えるのを確かめた俺は指を止めて、ここぞとばかりにその瞳を覗き込む。一切の愛撫を止めて、彼がもっともっと、と潤んだ目で俺をねだるのを待った。
ささやかでくだらない征服欲。こんな時にしか彼を支配できない自分が情けないけれど、裏腹に気分が良いのも紛れもない事実だった。
彼はとても悔しそうに俺を睨みつけた後、こちらもびっくりするくらいの艷やかな瞳で訴えた。もっと、して。背中に爪を立てられて、とうとう俺も白旗を上げるしかなくなる。そっと目蓋に口付けると、彼はくすぐったそうに身を捩った。
ああ、こんなに…
こんなにも、愛しいと思う人がいるなんて。
温かくて、柔らかくて、まるで触れたら溶けてしまいそうで、口付けるとほのかに甘苦い。
目眩が、しそうだ。
脇腹に滑らかな内腿の感触。途切れ途切れの息遣いの合間に聞こえてくる、彼の掠れた声。
俺の熱をじりじり上げる、罪な声だ。
「あ、めめ…」
「阿部ちゃん」
細い身体をぎゅっと抱き締めて、奥深くへ腰を進める。
「あ、あ、やだ…ぁ、あ…いい…」
「…いやなの? いいの?」
「すごい、の…あっ、もっとぉ」
快楽に従順な様がとても可愛くて、俺は上がる呼吸を抑えながら思わずくすりと笑ってしまった。
こうして繋がり合う瞬間が永遠に続けば良いと思う。
それでも、今はただ熱を吐き出したくて、思うままに彼を揺さぶって頂きを目指す。昇りきったら終わってしまうのだとわかっていても。
求め合う時間は、砂糖菓子みたいに、口の中であっという間に溶けてしまうのだった。