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それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
名家に生まれた來亜。
そしてその隣にいるのが専属執事の柚葉。
誰よりも近くに居るのに、誰よりも遠い。
“主従関係”という大きな壁が2人を遠ざけている。
來亜はよく自由に笑う。
けど、
本当は孤独。
柚葉は全てを支えるけど、自分の気持ちは絶対に出さない。
でも_
來亜は気付いてしまう。
超えたいのに越えられない。
壊したいのに壊せない。
ーーーーー
夜の屋敷は静かだった。
広すぎる廊下に自分の足音だけが響く。
🤍「……つまんない。」
そう呟いた來亜は、ふわりとドレスの裾を揺らしながら歩いていた。
誰も居ない時間が嫌いだった。
🩵「お嬢様。」
背後から落ち着いた声がかかる。
振り返らなくても分かる。
🤍「…遅い、」
少しだけ不機嫌そうに言うと、彼女はいつも通り頭を下げた。
🩵「申し訳ございません。業務が立て込んでおりました。」
その言い方も、その距離も。
全部”執事”として正しい。
だけど_
🤍「ねえ。」
來亜は1歩彼女に近づいた。
🤍「今、仕事中じゃないでしょ?」
ほんの少し、意地悪な声。
彼女は一瞬だけ目を伏せたあと、静かに答える。
🩵「はい。現在は、お嬢様のお世話を優先しております。」
🤍「じゃあさ……」
また1歩近付く。
🤍「名前呼んでよ。」
空気が止まった。
彼女はすぐに表情を戻したけれど、それを來亜は見逃さなかった。
🩵「それは出来ません。」
🤍「なんで。」
わかってるくせに聞く。
🩵「私は執事です。お嬢様に対して無礼な呼び方は_」
🤍「無礼じゃないよ。」
遮るように言った。
🤍「私はそれがいいの。」
彼女は何も言わない。
ただ、ほんの少しだけ距離を取る。
それが答えみたいで、來亜は少し笑った。
🤍「やっぱりそういうとこ嫌い。」
軽く言ったつもりだった。
だけど、自分でも分かるくらい声が震えていた。
彼女は気付いたのか、気付いてない振りをしたのか。
🩵「、……申し訳ございません。」
それだけだった。
NEXT.