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それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
部屋に戻った後も、胸の奥がざわざわしていた。
どうしてあんなことを言ったのだろう。
どうしてあんな顔をしたのだろう。
ベッドに倒れ込みながら、天井を見つめる。
🤍「……、ほんとにバカみたい。」
好きとかそういうのじゃない。
ただ。
“特別でいたい”だけなのに。
でも、彼女は絶対に踏み込ませてくれない。
どんなに近くに居ても、必ず線引きをする。
執事として。
完全に。
🤍「ずるいよ…」
小さく呟いたその言葉は、誰にも届かない。
ーーーーー
同じ夜。
廊下の奥で、彼女は1人立ち止まっていた。
静かに目を閉じる。
🩵「……お嬢様。」
その呼び方しか許されない。
それ以上は望んではいけない。
それが自分の役目だから。
でも。
ほんの一瞬だけ思い出す。
あの距離。
あの言葉。
🤍「名前で呼んでよ。」
_無理だ。
そんな事をしたら、きっと。
戻れなくなる。
ーーーーー
朝の光が、カーテンの隙間から静かに差し込む。
🤍「…眠い。」
ベッドの中で小さく呟いた來亜は、そのまま顔を枕に沈めた。
コンコン、と控えめなノック。
🩵「…お嬢様。朝でございます。」
聞き慣れた声。
🤍「入っていいよ。」
ドアが開くと同時に、いつもの空気が部屋に流れ込む。
🩵「本日のご予定ですが、_」
🤍「ねえ。」
話を遮る。
彼女の言葉はいつも”正しい”けど、今日はそれが少しだけ嫌だった。
🤍「こっち来て。」
ベッドの上から手招きする。
一瞬の沈黙。
それでも彼女は、拒否しない。
ゆっくりと歩み寄り、一定の距離で止まる。
🤍「それ以上は?」
わざと首を傾げる。
🩵「……この距離が適切かと。」
🤍「つまんない。」
來亜は小さく笑って、身体を起こした。
🤍「じゃあさ、」
シーツを握りしめながら、彼女を見つめる。
🤍「命令って言ったら、来るの?」
空気が変わる。
ほんの一瞬だけ。
彼女の瞳が揺れた。
🩵「、お嬢様のご命令であれば。」
🤍「ほんとに?」
🩵「はい。」
即答だった。
迷いなんて見せない。
だからこそ、腹が立つ。
🤍「じゃあ。」
言いかけて、止まる。
“命令”なんて使ったら、きっと。
この関係は、本当にただの主従関係になる。
それが嫌で、來亜は視線を逸らした。
🤍「…、やっぱいい。」
小さくそう言って、ベッドから降りる。
🤍「準備する。」
背中を向けたまま。
彼女は何も聞かず一礼した。
🩵「かしこまりました。」
その一言が、やけに遠くに感じた。
NEXT.
⚠︎1週間に2個公開にしようと思ったんですけど、完成したらすぐに公開した方がいいですか??コメントでお待ちしてます。
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