テラーノベル
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夕飯の匂いに誘われてリビングへ向かう途中、
体の熱さはさっきより少し落ち着いた気が
する…
けど、
まだどこか、指先がピリピリしてる。
なんとなく頭がぼんやりして——
その時、
インターホンのチャイムが家の中に響いた。
元貴『出てくる、』
なぜか早口になって玄関に向かう。
柊の鉢植えの陰で、
未だドキドキが止まらない。
ドアを開けると、そこには若井が、
手に学校のプリントを持って立っていた。
制服のまま、髪が少し乱れてる。
滉斗『元貴、ごめんいきなり…これ、
先生が忘れ物頼んでたから、届けに来た』
何でもない顔でプリントを差し出す。
それだけなのに、
自分の鼓動がやけに大きく響いて、
恥ずかしくなる。
元貴『ありがと、わざわざ…』
受け取ると、指先が触れる。
その瞬間、体の奥に熱がぶわっと広がった。
嘘、まだ…さっきのチョコのせい、?
滉斗『元貴、顔赤いよ?熱は?』
若井がちょっと心配そうに覗き込む。
その目がまっすぐで、俺の中の何かを刺激する。
元貴『べ、別に…
ちょっと、ぼーっとしてるだけ、』
不意にリビングから母の声が飛ぶ。
母『若井くん、せっかくだから、
上がってご飯食べていけば?』
そして父も顔を覗かせて、
『おぉ!若井くん!
うちの元貴をよろしく頼んだよ』
なんて大きな声で笑うから、
下腹部まで熱くなる。
若井は優しく照れ笑いして、
『また今度お邪魔します』と軽く会釈。
靴を履き直す若井の横顔を見ていると
このままじゃ帰せないような、
変な衝動がこみ上げてしまう。
ドアの外で2人きりになった瞬間。
若井がふっと近づいて、小さな声で囁く。
滉斗『元貴、今日なんか、色っぽいね』
その言葉だけで、
胸がぎゅっと締め付けられる。
元貴『…ちがっ、なんでも、ない……///』
上手く言葉にならなくて目を伏せた。
すると、若井が俺の頬に手を添えて、
そっと唇を重ねてくる。
――一瞬で、頭の中が真っ白になる。
唇が重なった瞬間、
火照った体に電流が走るみたいに、
じわじわと熱さが脈打つ。
ほんの一瞬のはずなのに
全身を走る快感のせいで、
足もとがふわふわする。
元貴『んっ…』
控えめな声が喉の奥から漏れる。
――玄関の奥から、
母と父、綾華が、
『わ、若井くん大胆~!』『きゃー!』
なんてワイワイ茶化しているのが遠く響いた。
若井が唇を離して、
『また明日な』と小声で囁きながら微笑む。
俺は赤くなった顔を両手で隠して、
うずくまるしかなかった。
心も体も、まだ余韻が消えないまま——
元貴『やっぱ、おかしい…///』
家族の前でこんなふうに感じてしまうなんて。
でも、どこか嬉しくて、
このまましばらく、熱が冷めそうになかった。
コメント
4件
ちょっと今、口角と戦っているんですけど、助けてください!!!!!!!!
きゃあ