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コメント
1件
うわあ…これ、めっちゃ重いけど刺さるやつだ…! 子供の頃の無邪気な「結婚するんだ!」が、大人になってから「兄さん」って距離を置かれる切なさがすごい伝わってきた。兄の「私だけが必要」って執着が歪んでて、でも愛情がベースにあるからこそ胸が痛い。最後の指輪を砕くシーン、星の比喩が美しくて切なかった…続きが気になる🔥
擬人化要素含みます。デルアル左右固定です。デル←アル
「兄ちゃん!兄ちゃん!俺ね!大人になったら兄ちゃんと結婚するんだ!」
いつもと、変わらない外の景色も見えないつまらない物静かな部屋、弟のデルルは、ピョンピョンと飛び跳ねて、嬉々とした表情で、私を見上げている。
澄んだ赤色の瞳は、曇り一つもない快晴で、見つめられているこちらも、心が明るくなりそうだ。
私は、デルルの所まで降りて行き、デルルの、前髪を耳にかけてやった。
「そうか…では、私もその時までに準備をしておかねばならないな…」
「…!!うん!!楽しみにしてるぜ!!」
デルルは、私から飛び退き、部屋の中を走り回る。元気で、その背中に、いつか自分が頼る時が来てほしくないと思いたい程、若々しく、生気があった。
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街から離れた、一つの研究所。
デスクに置いてある、写真立ては、ガラス部分がひび割れ、中の人物を認識する事が難しい。写真立てのフレームには、所々、傷があり、引っ掻いた跡のようにも見える。
弟を安心して独り立ちさせてやる為に、家事、仕事を掛け持ちしながら、毎日を過ごしている。弟はまだ幼く、元気に外を走り回っては、疲れてすぐに寝てしまう。そして、人一倍優しいところが兄の支えだった。
兄ちゃん!兄ちゃん!と元気よく私を呼んでは、新しい技を見せてくれる。この間は、力強いパンチまで見せてくれた。頭が強い私と、体が強い弟。2人いれば怖いものなどない、私達は一心同体なのだから。
夜は、弟の好きな、本を読み聞かせ、弟が眠ってから、また、私は仕事に取り掛かる。
たまに、弟が起きてきて、少しだけ私の側で、夢の話をしてくれる。どこか、めちゃくちゃで、子供らしい自由な夢で。昼よりかは元気ではないが、明るく夜空を静かに照らす、月の様に、ほんのりと温かった。
それなのに
「兄さん。俺、今度式あげるんだ。」
十数年会えなかった弟から、連絡が来た。
最初見た時は驚きと、歓喜でいっぱいだった
間抜けは私は、気づけなかった。
弟が変化している事に、会って確かめるまでに。
久しぶりに会った、弟は、髪を黒に染め、今までの若々しい活気は消え失せ、誠実な人になっていた。スーツをカッチリ着こなして、乱れも一切ない。隣にいる女性も、また、美しく、礼儀のある方だった。
なんだか、今までのありのままでいた弟が消えてしまったみたいで、私は何か心の奥底でドロリとした感情が蠢いているのを感じた。
「とても、心優しくて、親切なんだ。俺は、彼女のそんな所が大好きなんだ」
和気藹々と、話すその面には、昔の、明るさを感じるものの、直接ぶつけてくる程の明るさは、到底無かった。
相手の女性も、弟が笑う度、ニコニコと、笑い、私にも、分け隔てなく接してくれた。それが、心地よくて同時に胸の奥がチクリと痛んだ。弟には、私しかいないのに。私しか必要ないのに。
「兄さん、本当に今までありがとう。色々、迷惑もかけたと思うんだ。」
兄さんなんて、やめろ。昔みたいに兄ちゃんと呼んでくれ。私達は血も通い合った家族だろ、何故距離を置く?配慮も何もいらない。子供の時の様に、胸に飛び込んできてはくれないのか?
1人だけで、囚われた檻の中。
永遠に同じ時間を繰り返していた私の幸せなメモリーに亀裂が入った。弟は、私がいなければいけないのに。私がいないと何もできないのに。この女に弟の何が分かると言うんだ
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結婚式当日、私は、御祝儀を持って参列した。弟が、涙を流している所。あれを至近距離で見れるのは私の特権だったはずなのに。
デルルは、私と結婚するべきだったのに。
私がいなければ何も出来なかった癖に。
薄暗い研究室の中。
私は、デルルから貰った指輪を、砕いた。
砕けた宝石は、床に散らばり、まるで、結婚を誓った、あの日の夜空に浮かぶ星の様だった。