テラーノベル
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「減るけど、食事で回復するわけじゃ良いから…」
「…今日会っただけの君らに言ってもなにもなさないよね…すまない」
そう言った四季は何か意味あり気な表情をしていた。そこに踏み込もうと思ったけれども相手を知るには自分のことを知ってもらわなくては…
「覚えてねぇと思うけど…」
「俺ら、アンタに助けてもらったんだよ!」
箸を置いた紫苑が真っ直ぐ見てそう言った、その真剣な眼差しに話を最後まで聞こうと背筋を伸ばした。
「私が転んだ時に貴方は傷を癒してくれたのだ…」
「差し伸べてくれたその手を一時も忘れたことなど無い」
開いた掌を見つめた幽。
「誰も見てくれなかった僕らを1人の人間として見てくれた」
「だから貴方を慕い尊敬している」
細めた目で見つめ笑う馨。
「家族も与えてくれなかった優しさをくれた」
「あの日俺は…初めて救われた」
泣きそうに若草色の瞳を揺らしながら神を見つめた。
会いたい、もう一度会いたい、感謝を伝えたい、貴方の側に居たい。
願わない日など1日も無かった。救いをくれた貴方をずっと昔から愛しているといつか伝えたい。
紫苑達の事を包帯越しにジッと見つめながら、言葉を反芻させる。
「…」
過去を遡る、こんなにもちゃんと覚えて真っ直ぐ見つめてくれる瞳を久々に見たから。
そんな彼らの思いに応えなくては失礼だろう。
『「おいッ!!」』
深く考えすぎた事で心配にさせたせいか紫苑が、眉を下げながら声を掛けてくれた。その声が記憶の中と重なった。
あの日、日が傾き始めた雨が降りそうな初夏のことだった。誰かが森の周辺に居る事は分かっていたそれと同時に魔物が潜んでいることも。
一旦は様子見か…と神経を尖らせていたものの太陽が山陰に入ったときには既に少年達が森に踏み込んでいた。それを待ち侘びていたかのように魔物はゆっくりと背後に忍び寄り1人の少年の足を掴み少年は思い切り転んでしまった。
「ッ!危ないッッ」
神でも、その眷属でもないただの人間には魔物は見える事がない。だからこそ目の前で口を大きく開けていても気付けないでいた、僅かに残っていた神力で魔物を追い払うと同時に少年たちに声を掛けた。
ボロボロな少年達が虐待を受けているのは見て取れる、怪我を治しながらもそっと魔除けの加護を少しだけまとわせた。
あの時の少年達が彼らだった…?
「…この森は危険だから立ち寄るなと言ったはずだろう?」
困ったような声色で神は笑った。
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コメント
4件
四季くんが覚えてたっ!!! めっちゃ最高すぎる︎💕︎︎😭 続き楽しみっ!!!!
四季くん覚えてるッッ✨✨ 今回もめっちゃ面白かったッッ 続き楽しみにしてるね!!
本当に最高すぎます!! 次回も楽しみに待ってます!