不幸の幸い
*走ってホームに到着し息を切らしながら 振り返る*
「先輩終電逃しましたね、最悪…」
「しょうがないよ!日常茶飯事みたいなとこ あるし」
*風が先輩の長い髪の毛を揺らす*
「ほらっ飲んで!」
*温かい午後の紅茶を2本手に 取り片方を渡す*
「えっ?!お金…」
「それは!気にしないでっ!」
*ホームのベンチに座る*
「俺家ここからめちゃ近いんすよ…歩いて30分
くらい…」
「え?!そうなの!じゃなんで帰んないのさぁ?」
「んーやっぱ先輩とは言え、夜ひとりはあぶないんで居てあげますよ(笑)」
*先輩の横顔を見続け、先輩はそれに気づかない まま正面を見て話し始めた*
「そっかありがとっ!」
「じゃあ……いやっなんでもないっ!」
*いつもとは違う笑顔をみせる*
「うちは毎日終電でいたいな。」