テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#大人の恋
鷹槻れん

704
1,407
#ハッピーエンド
美凪ましろ
514
午前中に家事を終わらせると薬の処方箋をもらう為に病院へ行く。
海と結婚すると決めてから定期的に診察を受けている。本当なら、処方箋だけ貰えればいいんだけどシステム上やむを得ない。
病院の帰りにコーヒースタンドに入りミルクレープとホットコーヒーを頼んだ。
こんな風に一人でコーヒースタンドに入るのは結婚してから初めてだ。
窓際に座って通りを歩く人を眺めながら好きなケーキーを食べてコーヒーを飲む。
一人のこういう時間が好きだった。
明日あの二人は弥生の部屋で逢瀬を楽しむのだろう。早く必要な証拠を揃えてお義父さまに伝えよう、でもお義父さまはショックを受けるだろうか?あの二人が仮面夫婦であることは間違いはないが情がないとも言い切れない、ただ確実なのは弥生のあのベッドでお義父さまは寝ていない。
男女の営みの後なんてなんとなくわかる。
前回の時に、時折、行為の跡があったのは弥生と海のだった。
二人が愛し合い楽しんだ後始末を私がしていたんだ。洗濯をしてアイロンをかけていた私をきっと弥生は勝ち誇ったように見ていたのかもしれない。
弥生が美容に必死になっていたのは海の為だった、そんなことも知らない私は弥生に憧れ、海に好かれたくて家事の対価でもらっていたお金でエステに通ったりしていた。
今度は“自分”のために“海”のお金で行こう。
どうせ、好きに使っていいと言われているし、以前の私のように遠慮するつもりはない。
若さなら私に軍配が上がる、あの女を煽ってあげよう。
食事を準備するときにお義父さまが声を掛けてくれる。その心遣いがうれしいし、なにより料理を褒めてくれるのはやり作り甲斐がある。
弥生は美顔しながらドラマを見るのが日課らしく、食事の準備が完了するとダイニングにくる。
もしかすると、私を見るのが嫌なのかもしれない。まぁ、私もあの女に愛想笑いをしなくてもいいからありがたい。
『そろそろ家につく』
海からのLINEが届くと夕食の仕上げに入る。
海が準備の基準になるからとLINEで帰りの時間を知らせてくれるようになった。
味付けをしたチキンをフライパンで焼き始める。焼き上がるまで時間がかかるから、その間にお皿に野菜を盛り付け小鉢に自家製のピクルスを入れ、ランチョンマットの上にお箸とフォークナイフを並べる。
味噌汁に火をかけたところで「ただいま」と言いながら海がキッチンに入ってきた。
「今日は何?」
「チキンソテーよ」
「それは楽しみ、着替えてくるよ」
海も料理を褒めてくれる。だけど、それほど嬉しいと思えない。
わかっていたことなのに、いざ裏切りの現場を見るとどうしようもなく心が曇ってしまう。
美味しいと言って夕食を食べた後、リビングで少し過ごした後、海はタブレットを見ていたので私は何も言わずに風呂に入ってから、そのままベッドルームに入った。
少しだけスマホでニュースを見た後布団に入った。
「何か拗ねてる?」
「どうして?」
「黙ってこっちに来たから」
「ただ眠たかっただけ」
「本当?」
「海こそどうしたの?」
「奈緒のごきげんが悪いのならお伺いを立てないとって思ってね」
そう言って笑う海をみて、明日の事があるから気を使ってるのかしら、それなら
「それなら機嫌をとってくれる?」
私は海に馬乗りになると、自ら服を脱いでいく。
じっくり搾り取ってやろうじゃないの。
以前の引っ込み思案で自分から誘えなかった私じゃない。
弥生にはちょっとだけの残り滓をあげる。
前回、何度も重ねた身体。
海が好きなこと感じるところはわかっている。
まぁ、弥生もだろうけど、今回の私とは片手で足りるくらいしかシテないから新鮮で刺激的夜をたっぷりと海に味あわせてあげる。
海の鼻にキスをしてゆっくりと舌を這わせながら唇を噛んで舌を割り入れてると海はそれを待ち望んだようにあっけなく絡め取られる。
海は手を腰に回すと引き寄せ、その手で背骨をなぞってまっすぐ下におりていくとお尻をもみしだく。
海の肌の上を滑るように舌を這わせながら胸の突起を舌先で刺激していく。
海は甘い吐息を吐いて私の髪を漉くように撫でている。
硬くなったモノに私の感じる物を擦り付けるように腰をスライドしながら動かしていく。
「今日の奈緒は積極的だね」
「嫌い?」
「いいや、凄く素敵だしこんなにいやらしい身体だとは思わなかったよ」
そう言うと海の指が今でも溢れる蜜壺に指を差し入れ出し入れするとくちゅくちゅと水音が響く。
「俺の手がびちょびちょだけど」
「じゃあ蓋をするね」
私はゆっくりと自分の中に海を物を飲み込んでいった。
二人で絶頂を迎えてすぐに、今まで私と繋がっていたものを、お掃除として口に含み舌をつかって綺麗にしていく。
「せっかく綺麗にしたけど、まだ私の中に入りたいみたい」
「入りたいよ、でもその前に奈緒も綺麗にしないと」
海は起き上がると私の頬を手でなぞり唇を近づける。私はそれを迎えにいくように唇を重ねると、そのまま倒され身体中にキスをされ、私の最も感じるところを舌さきで転がされ3本の指で海が放った物を掻き出していく。
あつっ
うんんん
「もう欲しくて仕方がないんじゃない?」
「うん、欲しい。海の欲しい」
「わかった」というと一気に中にはいってくる。
さっきとは違い、激しく揺さぶられ喘ぎが止まらなくなる。
繋がったまま四つん這いにされ後ろから激しく打ち付けられると肌と肌が当たる音と、絶え間なく溢れる愛液の音がこの上なく淫靡でその音だけでも感じてしまう。
大きく揺れる乳房を背後から強引に揉まれると、その痛みすら快感に変わっていく。
海は最奥まで突き刺すとその先から欲望を吐き出した。
果てる時、私の肩に噛み付いたあと、強く吸った。
「私も海につけていい?」
「いいよ」
困らせようと思ったのにあっさりと了承がでた。
キスマークの付け合いをして結局この後も求め合った。
怠い
自分から挑発したものの、海と私のスタミナの差をわかってなかった。
重い身体をなんとか動かし熱めのシャワーを浴びると少しは動けそうになった。
シャケをグリルに入れその間に夜のうちに作って置いた胡瓜の酢の物を小鉢に盛り付け味噌汁を作る。
時々、身体の節々がピリリとなる。
「うっ」
腰を摩っていると背後から抱きしめられた。
「おはよう、無理しなくてもいいよ。座って」
ダイニングの椅子を引くとそこに座らされ、反対に海がキッチンに立った。
「あとは何をすればいい?」
「シャケが焼けてると思うので皿にのせて、味噌汁も出来てるのでお椀に、あとご飯」
「了解、あとは俺がするから」
「ありがとう」
手際よく海がテーブルに並べていくのを見ながら今夜この男は弥生と寝るんだと思うと少し冷めて来た。
海は結局、片付けをしてから出かけて行った。
「大変なら今日くらい家事を休んでもいいよ、あっちには俺から言おうか?」
って、言ってくれたけど「大丈夫、病気じゃないんだし」と言って見送った。
弥生のベッドルームへいくといつものようにシーツを剥がして新しいものと交換する。
多分弥生は夕方はエステだろう。
私もエステ以外に体力をつけるためにジムでも通おうかな、前回は弥生にカルチャースクールを勧められてカルトナージュの教室に通った。
面白かったけど、今回はスポーツにしよう。
カメラの位置を確認してから、窓の下にティッシュに包んで持ってきたピアスの片割れを落としてから部屋を出た。
買い物に出ると弥生から『今夜は適当に食べるので夕食はいらない』とLINEが入った。
お義父さまがいないと言うことは言わないのね。
じゃあ今夜はニンニクをたっぷり入れた餃子にしようかしら。
ニラもたっぷりでつけダレにもニンニクをすりおろしておこう。
海はどうするかしら、匂いを気にして食べないなとか。食べなかったら悲しいふりをしよう。
楽しい
多分、今夜は赤ワインを飲むはずだからカマンベールでも買っておこう。
「今日は餃子か、美味そうだ」
「美味しいわよ、誰が作ったと思ってるの?」
海は笑いながら抱きしめると「奈緒」と言ってキスをする。
身体を許してから距離が凄く近くなっている。
一応、夫婦なんだから仕方がないか。
「タレにもニンニクが入っているのか、旨いな」
少しくらい躊躇するかと思ったのにむしろ嬉しそうに完食した。
食器を軽く水洗いすると海が食洗機に並べていく。
「二人で片付けると早いね、これからもできるだけ手伝うようにするよ」
「別に、海は仕事で疲れてるんだから、気にしないで」
「そうじゃない、俺が奈緒との時間を増やしたいんだ」
眠らせる気満々のくせに、よく言う。
シャワーから出るとちょうど海がワイングラスに赤ワインを注いでいるところだった。
「ふふふワイン」
海はワイングラスを私に渡すと軽くグラスを合わせると、チリンと鳴った。
グラスのふちに唇をつけてから
「そうだ、カマンベールを買ってあるの」
「じゃあ持ってくるよ、飲んでいていいよ」
海がキッチンに入るとソファの下に隠しておいたスポンジを入れたタッパーにワインを入れ、蓋をしてまたソファの下に隠した。
海がカッティングボードにカマンベールを乗せて戻ってくるタイミングでボトルからグラスにワインを注いだ。
「美味しいワインだね、飲みすぎちゃいそう」
「家だから、飲みすぎたって大丈夫だよ」
うふふと笑ってグラスのワインを飲み干した。
ぼんやりとしてから目を瞑って、少し上半身を揺らしてみる。
「奈緒、大丈夫?」
「うん」
「眠いならベッドに行こうか」
「うん」
そのままソファにもたれて目を瞑ると海は私を抱き上げた。
ベッドに横たえられるとおでこに柔らかいものの感触があり「おやすみ」という声が聞こえた。
ドアが閉まる音がしてさらにドアの開閉の音がした。
今出て行ったのかもしれない。そっとテーブルの引き出しからタブレットを取り出すと弥生の部屋につけているカメラに接続した。
「海くん、この間はキスだけでお預けだったから」
ベッドルームに入ってきた海に弥生は甘ったるく話かける。
「弥生さん、本当にもうあんなことはやめてくれ」
「何よ、久々なのにいきなりそんなつまらないこと言わないでよ」
海がベッドに座ると総レースの真っ赤なブラとショーツ姿の弥生が背中に抱きつく。
「海くん、ニンニク食べたの」
「餃子だったから、食べないと怪しまれるだろ」
「だからって」
私はベッドの上でモバイルパソコンを膝にのせながら二人の会話が可笑しすぎて声を出して笑ってしまった。
「じゃあ止める?」
「何よ、やっぱり結婚なんかさせなければよかった」
「弥生さんが言い出したことだろ」
「あの女を抱いていると思うと気が狂いそうになるの、体外受精にするのはどう?」
「ブライダルチェックで二人とも問題が無かったんだ、健康な状態で体外受精はおかしいだろ?」
弥生は海の下半身に顔を埋めている。
カメラの角度ではっきりとはわからないが何をしているのかはわかる。
見えなくてよかった。
んっんっんっ
ふっんん
弥生の息だけが聞こえる。
弥生が顔を上げ海のシャツを脱がしていく、昨夜私が大量につけたキスマークに気がついた。
「昨日したの」
「夫婦なんだから仕方がないだろ」
「何よ悔しい」
「でもしないと子供はできないよ」
「もう、だったら早く妊娠させてよ、おかしくなりそう。海くんの子供さえできればあの女はいつでも追い出せるのに」
「悔しい、悔しい。私が子供が産める体だったらこんなに悔しい思いをしなくて済んだのに」
「結婚しろって言ったのは君だろ?嫌なら今日はやめよう」
「いやっ」
弥生は海にまたがるとそのまま飲み込んでいったようだ。
さすがに、この先を見るのはうんざりするのと今から始まるならアレを片付ける為にタブレットをベッドの上に置くとリビングに向かった。
キッチンからフリーザバッグを持ってリビングに戻るとソファの下に隠したワインを染み込ませたスポンジの入ったタッパーを取り出してフリーザバッグに入れしっかりと封をした。
念のためにあたらしいタッパーとスポンジをソファの下に入れると、リビングのゴミ箱を確認するが、探しているものはここには入っていなかったので、キッチンのゴミ箱をみると小さなチャック付き袋が捨てられているのが見えた。
これもフリーザバッグに入れるとベッドルームに戻り鍵が掛かる引き出しに入れた。
タブレットを見ると、上半身を起こしている海に絡みつくように弥生がしなだれている。
「海くん誕生日は外で会わない?同窓会で遅くなるって言えば大丈夫だし、海くんも接待だとか言えば問題ないでしょ」
「弥生さん俺は結婚しているんだよ、そういう行事は無理だよ」
「何よ、そんなことばっかり。匠さんにバラすわよ。海くんが私を10年間も抱いてるって」
「考えておくよ、もう行くね」
「ごめんなさい、怒った?ねぇもうちょっとだけ一緒に居てよ」
「弥生さん、聞き分けてよ。バレたらもうこの関係は終わりだよ?それでいいの?」
弥生は頭を左右に振っている。
なんだか、思っていたような甘々ではないんだろうか?やってることは同じだけど。
海は服を着て立ち上がった時に窓の下の異変に気づいたようだ。
弥生が拗ねてそっぽを向いている隙に、床から何かを拾うとズボンのポケットに入れた。
海は弥生を抱きしめると「おやすみ弥生さん」と言って部屋を出て行った様だ。
収穫としては十分だ。
タブレットを引き出しに入れて布団の中に入った。
コメント
1件
第10話、読み終わりました。前回の人生で奈緒が知らなかった“二人の関係の実態”が、カメラ越しにどんどん明らかになっていく展開、すごく引き込まれました。特に「思っていたような甘々ではない」と奈緒自身が気づくところ、そして海が床のピアスを拾う小さな仕草——これが後々どう効いてくるのか、もう気になって仕方ないです。自分を偽らず、戦略的に動く奈緒の姿が本当にカッコいい。次話も楽しみにしています!