テラーノベル
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「いったいどういうことだ?ジェニ!俺のいない間に男を連れ込んでるのか?」
兄が立ち上がって竜馬を睨んだ、竜馬は眉を寄せ、兄を見つめ返している、すると兄の横からひょこっと、おかっぱ頭の小柄な女性が姿を現わして言った
「サプライズで隠れてたんだ~!大成功だね!」
ジェニは叫んだ
「自分のことを棚に上げて、よくも言えたものよね!!散々逃げ回って、多くの人に迷惑をかけたあげく、女連れで戻って来たっていうの?」
「あたし明美よ、よろしくね!」
女がジェニに向かって言った、ガムをクチャクチャ噛んでいるジェニは「はぁ?」っと目を見開き、口をあけて顔を斜めにして問いかけた、ジェニはバスタオル一枚の姿で叫んだ
「いったい会社も何もかもほっぽり出して!!どこに行ってたの?私がどれほど苦労したと思っているのよ!!」
兄はサッと顔面蒼白になって目を見開いている、まるで誰かに蹴とばされたような顔だった
「俺は精一杯やったんだ!!必死で働いて役員連中に贅沢をさせてやった、あいつらは何が不満だったんだ?俺は給料もボーナスもあいつらが望むものは何だって与えた、カントリークラブにも入ろうとした、学生時代からダサいゲーマーだったおまえの兄貴がだ!!それがある日、突然クソみたいな運命が降って来て、会社を売却しなきゃならなくなった!!ヤツらはバリバリの弁護士を雇って俺の株をすっからかんにしたんだぞっっ!父さんの会社の株を!!」
「だからといってパパの会社を放って逃げ出してもいい事にはならないわっっ!いじめられたから登校拒否をする子供じゃないのよ!!兄さんには社長の責任があったのよ!!」
豊が不機嫌極まりない顔でジェニを見ている
「他にどうすればよかったんだ?アイツらは俺をけしかけて馬車馬みたいに働かせながら、俺がどれだけ金を稼ごうと、決して満足することがなかった」
ジェニは豊の悲痛の叫びを聞いて少しだけ兄に同情した・・・たしかに兄なりに父の会社を立派に継ごうと努力はしていたし、突然の父の死で、豊もジェニも会社を切り盛りして行くトップの器にはまだ成熟していなかった・・・
父の経営の元、まだまだ経験を積み、経営者としての正しい判断ができなかったのだ・・・それ故に父の代からいた役員にはジェニも豊も頭が上がらなかった、ジェニ達は役員達に舐められて、憑依され、甘い汁を吸われたままどうすることも出来なかった
二人のやり取りを壁にもたれ、腕を組んでじっと見つめていた、竜馬が口を開いた
「役員連中は、全員解雇したよ」
ジェニの部屋に竜馬の声が響いた
「神崎豊か?」
「なんでお前は俺の名前を呼び捨てにするんだ!!貴様は誰だ?!!うちの妹とどういう関係だ!!この間男め!」
豊の攻撃対象が竜馬に移って睨む・・・竜馬の顎は、先程のジェニの頭突きで赤くなっていた
「どんな関係でも兄さんには関係ないでしょっ!!」
せっかくの所を邪魔された事を思い出したジェニがイラついて言った
「今から朝までセックスする予定の仲だよ」
「なんだとっ」
ジロリと豊がジェニを睨む、ジェニがポっと頬を染めて、あさっての方を向く
―もうっ竜馬さんったら・・・本当のことだけど・・・―
どういう訳か竜馬の瞳は面白そうに輝いていた、ジェニはマジマジと彼を見つめた・・・気のせいだと思うけど・・・なぜか兄に会って嬉しそうにしているようにも見える、うん、多分気のせいだろう、だって竜馬さんと兄は初対面なんだから
そして兄は一気に彼に憎しみをむけた
「誰だと言ってるんだっ!!この全身フェロモンみたいな男は!!」
marika.
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桜咲かな
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#狂愛
桜咲かな
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竜馬は腕を組み、壁にもたれて立っていた、少し色白の逞しい体を覆うものはバスタオル一枚だけ・・・合わせ目が緩んでそれが今にもずり落ちそうだし・・・ウエストの位置が高く、くびれていた・・・食べてしまいたいほど美味しそうな眺めだ
たしかに今の彼は、全身フェロモンだ・・・飛びつきたい腹筋6LDKフェロモン竜馬さんが言った
「君の会社を買収したメビウスの社長だ」
豊の顔が髪の生え際までみるみる赤くなった、屈辱で今にも吐きそうな顔をしている
「俺たちの会社を乗っ取ったあげく、妹にまで手を出されちゃ黙ってられないなっっ!え?首切り鬼社長様よ?どこまで俺達をバカにすれば気がすむんだっっ!!」
「竜馬さんのこと首切り社長なんて呼ばないで、兄さんは何も知らないくせに!!会社を助けてもらったのよ!!」
ジェニは声を荒げた
「いつからコイツの味方になったんだ!!!コイツとヤって手なずけられたヤツは黙ってろ!!」
豊があざけるように言う、ジェニも叫ぶ
「ヤってないわよ!!ヤりたかったのに兄さんが邪魔したんでしょっ!!人のこと言えないじゃない!兄さんだって失踪したかと思ったら誰よ?このちびまる子ちゃんみたいな髪型した女は!!」
明美が言う
「あたいのことは悪く言ってもいいけど、ちびまるこちゃんの事は悪く言わないで」
「そうだ!!日本の代表的なキャラクターだぞ、さくらももこに敬意をはらえ!!妹がアバズレに成り下がったなんて情けない」
「いったい何の話よ!!訳が分からないわ、兄さんはこのちびまるこちゃんと散々ヤりまくったでしょうけど、私は竜馬さんとは一回もヤってないわ、アバズレって言葉は撤回してよ!!」
「きわどい所まではいったけどな」
「竜馬さんは黙ってて」
ジェニがまた顔を赤くしてくるりと振り向いて竜馬を戒めた、やっぱり彼は愉快そうに肩をすくめている、唇の端が上がっている
「竜馬さんとのことは・・・そりゃぁ最初は彼の事を誤解していたけど・・・少しずつお互いの事を知っていったの、彼はハイヒール野郎の事で惨めになっている私を救ってくれたし、私達は沢山話をしたわ!会社の従業員も彼のおかげで良い生活が出来てるし、本当は兄さんがやらなきゃいけないのに!今日もエレベーター事故から助けてくれて、やっと告白してくれたのよ!私達は真剣にお付き合いしているのっ!決して体目当てなんかじゃないわ、まだヤってませんけど!」
「愛してるよ!ジェニ!」
竜馬が唇を突き出して「チュッ」とキスの音を立ててみせた、やっぱり彼はこの状況を楽しんでいる、ジェニも「ん~♪」と唇を突き出した、ケッと豊が付き合ってられんとばかりにベットを蹴った、途端にいててっ・・・と足をさすった、それを明美が見てキャハハと笑う
もっとも体目当てじゃないと言ったのは嘘だけど・・・チラリと壁にもたれている彼を見る
―ああ・・・ 彼はバスタオル姿もなんて素敵なの―
後で一人になった時に見返すために、動画に撮っておきたいぐらいだ、 お願いもう少しそのバスタオルを下にずらして・・・
「よだれが出てるぞ!」
兄のつっこみにハッと我に返る
コホンッ・・・・・・「とにかく私達の事を兄さん 受け入れられないっていうんならそれはそれで結構!でも私の選択が気に入らないからって、彼にヤツ当たりをするのはやめてよね!」
豊は・・・しばらく竜馬とのことは一歩も引かない姿勢のジェニを睨みつけていたが
「もうこれ以上話したくない」
とお決まりの逃げ口上を吐いて、ドスドスと足を踏み鳴らし、自分の部屋に戻っていった
「なんか・・・ごめんなさい・・・邪魔が入って」
「気にするな」
ジェニが半裸のバスタオル姿で、壁にもたれている竜馬を申し訳ない気持ちで見ると、彼はすぐに微笑みを返してくれた、それだけでジェニの心は温かくなった、それと同時に先ほど兄が現れる前の二人を思った
今二人はバスタオル一枚の姿で、下はまだ裸だ・・・
誰もいない部屋で二人は再び見つめ合った・・・舌にはまだ先ほどの彼のキスの味が残り・・・素肌には彼の手の感触が残っている・・・彼の硬くなった肉体の手触りを思い出して、手がうずうずした
彼がジェニを見つめる眼差しはどんなハリウッドスターも顔負けなほどセクシーだ・・・ジェニは一歩彼に歩み寄った、彼もやっと壁からはがれて、一歩ジェニに歩み寄ってくれた
―さぁ・・・竜馬さん邪魔者はいなくなったわ、さっきの続きを―
.:・.。. .。.:・
彼は身をかがめジェニも上を向いて目を閉じた
「とりあえず、あんた達何か着たら? 」
ぷぅーっ・・・パチンッと明美がチューインガムを膨らませてから、顔一面に破裂させた
ジェニはギロリと明美を睨んだ
兄はコイツを忘れて行った
コメント
2件
本当にねぇ。会社を放り出しておいてよく言うわ。って思った。
第109話、読み終わりました!もうもうもう、兄妹ゲンカがすごい熱量で面白かったです(笑)豊兄さんの「首切り社長」呼ばわりに、ジェニの「ヤってないわよ!!」の応酬……でも竜馬さんが「きわどい所まではいったけどな」って茶化すのが余裕あってカッコよかったです。そして明美さんがまさかの「ちびまる子ちゃんは悪く言わないで」で空気ぶち壊すところ、ツボでした。邪魔者どもが去った後の二人の空気、すごくドキドキしたのに……最後の明美さんのガムパッチンで全部台無し(笑)続きが気になります!