ごきげんよう、じゃんぬです。
🇷🇺:ロシア
🇩🇪:ドイツ
受け攻めは決めておりません。ロシアの攻め色が強いかもしれません。想像にお任せいたします。
⚠️政治的意図なし
⚠️BL
🇩🇪「またお前…こんなに飲んで…」
仕事から帰ったドイツを、出迎えるロシアからは、かなり強いアルコールの香りが漂ってくる。
🇷🇺「どいつ〜おかえりぃ〜」
🇩🇪「ただいま。で、一体どれくらい飲んだんだ?」
恋人の姿を見るなり抱きついたロシアは、まだウォッカ一本しか開けてない!と主張する。
普通なら泥酔だ。ドイツは頭を抱えた。
🇩🇪「いい加減、種類と量を考えたほうがいい。病気になるぞ?」
🇷🇺「ウォッカはアルコールだから殺菌作用がある。よってウォッカを飲めば健康になる」
🇩🇪「馬鹿かお前」
言うまでもなく、ドイツとロシアは付き合っている。
ヨーロッパを牽引する大国ドイツは、EU加盟国であることも相まって、交友関係が広い。一方、ロシアは歴史的に見ても、孤立する傾向にあった。
そんなロシアに、ドイツはいつも手を差し伸べてくれた。ロシアがドイツに惚れるのも、当然の流れと言えよう。
ネクタイを緩め、コートを脱ごうと手をかけると、ロシアがささっと脱がしてくれる。
酔っぱらっているのによく気の利く嫁だ、結婚しよう。
ドイツは今日で1991回目の決意をした。
🇩🇪「Danke」
🇷🇺「ん♡」
ロシアはドイツが脱いだコートをハンガーに掛けた。バレないように匂いを嗅ぐところまでが一連の動作だ。
もちろんドイツにはバレている。
リビングにつくなり、ドイツはラップトップを立ち上げる。仕事から帰ってきても、再びブルーライトと格闘し始めるドイツ。
ロシアは、スクリーンをドイツの後ろからのぞき込んだ。
🇷🇺「また仕事か?」
🇩🇪「お前とアメリカが起こしたトラブルの尻拭い」
🇷🇺「…てへ♡」
半目でロシアを見上げるドイツに、ロシアがぺろっと舌を出した。
アメリカ、ロシア、ドイツ、イギリス、フランス、そして日本は、皆同じ職場に勤めている。
アメリカとロシアは今日はお休み。正確には、謹慎目的での休暇を強引に与えられたのである。
どれもこれも、昨日、ロシアとアメリカが喧嘩したためだ。これ以上トラブルを起こされないために、二人は家で待機しなさいと、イギリスが一喝したのだ。
部屋にはカタカタとキーボード音のみが響いている。時折、ロシアが本を片手にウォッカをあおる音が混ざった。
いや、待て待て待て。
🇩🇪「おいロシア、酒やめろって言ったよな?なんでウォッカの空き瓶が増えてるんだ?」
🇷🇺「えへへ…ちょっとトイレ」
🇩🇪「逃げるな!ロシア!もう没収だからな!」
キャキャキャ、と楽しそうに笑いながら、ドイツの伸ばした手をすり抜けるロシア。
まったく、とトイレに向かうロシアを見送ったドイツは、ロシアが先ほどまで読んでいた本を手に取った。
🇩🇪「これは…ドイツ語?」
ロシアは英語が苦手だ。国土が広いからか、使う必要性が低いことが原因だろう。
そのロシアが、外国語は苦手だというにも関わらず、ドイツ語を学んでいる。
🇩🇪「ほんとにお前ってやつは…♡」
ドイツは愛おしさで口元を緩めた。本をもとに戻すと、ドイツはまた、仕事に戻る。
最後のエンターキーを叩くと、ドイツはグーッと上に伸びをした。
🇷🇺「終わったか?お疲れ様」
🇩🇪「ああ。でもまだ他にもあるんだ」
はぁ、とため息をつくドイツ。シゴデキな彼は、基本的に残業や仕事の持ち帰りはしない。しかし、繁忙期ではそうもいかない。
🇩🇪「俺がやらなきゃ日本が死ぬ」
🇷🇺「むぅ…」
再度、キーボードに向かおうとするドイツに、ロシアはむっと唇を尖らせた。そして、何を思ったのか、ドイツに隠れて酒瓶をあおる。
🇷🇺「んん!」
🇩🇪「すまないな、もうちょっとだから───ッ!?」
ロシアの声を抗議と受け取ったドイツは、振り返って驚いた。
ロシアにキスされたのだ。それも深いそれを。
そしてロシアは、ドイツに口移しで酒を飲ませた。飲み損ねた透明な液体が、二人の口から溢れていく。
🇩🇪「ふ、んん…」
🇷🇺「ん…ろいちゅ…」
一体どれほどの時間が経ったのだろうか、二人は名残惜しげにゆっくりと離れて行く。ウォッカと二人分の唾液が混ざって、二人の口の間に、透明な糸がかかって切れた。
熱を帯びたロシアの薄い青の瞳に見つめられて、ドイツはふわふわと雲の上にいるような気分になった。
彼が酔っているのは、酒か、はたまた恋か。
🇩🇪「あーもう…こうなったらヤケだ!仕事なんてできやしない!」
🇷🇺「!」
ドイツはそう叫ぶと、キーボードチェアから立ち上がり、ソファにどかっと腰を下ろす。
期待にあふれたロシアの瞳に苦笑して、ドイツは両手を広げた。
🇩🇪「おいで、ロシア」
🇷🇺「ん!」
元気よく返事をしたロシアが、ドイツに飛び掛かる。ロシアの巨体を支えきれず、ドイツはソファに倒れ込んだ。
🇷🇺「ふふふ、どいつ、どいつ♡」
🇩🇪「はいはい、ロシア」
必然的に押し倒される形になったドイツは、ロシアの整った顔を下から見上げた。
いつもは真一文字に引き結ばれた口元は、にこにこと微笑んでいる。
ロシアはいつも無表情だ。
それは不機嫌なのではなく、ただ真面目なだけ。ニコニコしている人は信用できない、というロシア独特の文化も相まって、営業スマイルを作らないのだ。
だから、他者に誤解されやすい。
ドイツは逆に、堅実そうだと好印象を抱いたのだが。
🇩🇪「待たせてごめん、寂しかったよな」
🇷🇺「うん、だから今から充電する」
そう言って、ロシアはドイツの顔中にキスの雨を降らせた。
いつも鉄仮面の彼は、酒を飲むと上機嫌になり、そしてキス魔になる。
その姿が可愛すぎて、ドイツはロシアに禁酒しろと強く言えないのだ。
🇩🇪「ん、ロシアって、綺麗な顔してるよな」
🇷🇺「そうか?俺はドイツの顔のほうが綺麗だと思う、好きだ」
🇩🇪「そ、そうか…///」
ドイツを見つめるアイスブルーの瞳には、確かに情欲の炎がゆらゆらと灯っていた。
その眼に、ドイツはふと、アメリカから聞いた話を思い出す。
───色素の薄い、青い目を有する者は、アルコール依存症になりやすい。
🇩🇪「青い目…か。アル中のお前も、やっぱり青い目なんだな」
🇷🇺「何の話だ?」
🇩🇪「青い目の奴って、酒に依存しやすいらしいぞ。アメリカ医学遺伝学ジャーナルだっけかな、科学的に証明されたらしい。アメリカが教えてくれたんだ」
🇷🇺「ふーん…俺、あいつ、嫌い」
他の男の話をするなと顔を顰めたロシアに、ドイツは思わず吹き出した。そして、ロシアの唇に、自身のそれを重ね合わせる。
🇩🇪「ごめんごめん、ロシアは俺のものだし、俺はロシアのものだよ。俺がその、…愛するのは、ロシアだけだから…///」
🇷🇺「♡」
カッコつけようとして、ちょっと照れてしまったドイツの言葉に、瞳にハートを宿したロシアが微笑んだ。ロシアの顔が近づいてくる。
🇷🇺「俺は、酒よりもドイツ依存症だから」
───だから、絶対に離れるなよ?
ヤンデレと化し始めた恋人の姿に、ドイツもまた、歪んだ笑みを浮かべるのだった。
ありがとうございました。
ロシアが日本と同じくらい英語が苦手、というのをロシア系ユーチューバーの方がおっしゃっていました。国土が広く、国内で経済が完結する上に、日本と同じ文法中心の英語教育が原因だとか…。
ドイツと日本が社畜仲間なお話はよくありますよね。好物です!!! が、ドイツではあまり残業しないのだとか。私個人としては、日本と一緒に、仕事に苦しめられるドイツさんが見たいので、事実は無視しております。
『1991回目の決意』1991ってロシアの建国年なんですね…しかも、昨日、クリスマスがロシアさんの誕生日と聞きました。記念日とか何にも考えていないじゃんぬです。
この後、青い目のカンヒュは二人続きます。
他にも、この子青い目だと思われるカンヒュがいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください!
それではまた。
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