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うわ〜、これヤンデレ黒尾の良さが凝縮されててやばかったっす…… 「今のところは」「俺がちゃんと大事にするから」とか、優しい口調の裏にどんどん重くなる執着、めっちゃ伝わってきた。普段の余裕あるクロが「我慢してんだけどな」って笑うとこ、背筋がヒヤッとするのにドキドキもする、この塩梅が天才的でした。続き、黒尾がどこまで重くなるのか気になりすぎるんで、ぜひ読みたいです!
⚠︎︎ヤンデレ
⚠︎︎微怖
⚠︎︎夢
それでも大丈夫な人はどうぞ
「ねえ、クロ」
「んー?」
「今日さ、クラスの男子にノート見せてって言われたんだけど」
「ふーん」
黒尾はスマホから顔を上げなかった。
「で、見せたの?」
「うん。別に減るもんじゃないし」
「そりゃそうだ」
いつも通りの返事。
だから、何も気にしていないのだと思った。
「あとね、その子、今度一緒に勉強しない?って」
そこで初めて、黒尾の指が止まった。
ほんの一瞬。
けれど、隣に座っていた私は気づいた。
「……へえ」
「?」
「随分積極的なヤツだな」
黒尾は笑った。
いつもの、人をからかうときの笑い方。
「まあ、いいんじゃない?」
「いいの?」
「ん?」
「クロ、嫉妬しないの?」
そう聞くと、黒尾は少しだけ目を細めた。
「するよ?」
あまりにもあっさり言うから、思わず笑ってしまう。
「なにそれ」
「いや、普通にするって。俺だって彼氏なんだから」
そう言って、黒尾は私の頭をぽん、と撫でた。
「でも、俺が『行くな』って言ったら行かないの?」
「……うーん」
「ほら」
「だって、友達との勉強会だよ?」
「ふーん」
また笑った。
その笑顔が、ほんの少しだけ怖かった。
⸻
それから数日。
例の男子とは、たまに話すようになった。
本当に、それだけだった。
廊下ですれ違えば挨拶する。
授業で分からないところがあれば聞く。
それだけ。
なのに。
「最近、あの子とよく話してるね」
帰り道。
隣を歩く黒尾が、何気なく言った。
「そうかな?」
「うん」
「たまたまだよ」
「そっか」
黒尾はそれ以上何も言わなかった。
けれど、その日の夜。
スマホを見ると、黒尾からメッセージが届いていた。
『明日、放課後空いてる?』
『空いてるよ』
すぐに既読がついた。
『じゃ、迎え行く』
「迎え?」
『うん』
『なんで?』
少しだけ間があって。
『彼氏だから?』
その一言に、思わず笑ってしまった。
『なにそれ笑』
『嫌?』
『嫌じゃないけど』
『じゃあ決まり』
それで終わった。
本当に、それだけ。
――そう思っていた。
⸻
翌日の放課後。
教室を出ると、廊下の壁に寄りかかって黒尾が待っていた。
「お疲れ」
「クロ、早かったね」
「んー。まあね」
「待った?」
「全然」
そう言いながら、黒尾は私の鞄を持った。
「行こ」
「どこに?」
「俺ん家」
「え?」
「勉強すんだろ?」
「……あ」
昨日の話。
例の男子と勉強する予定だったことを思い出す。
「今日じゃないよ?」
「知ってる」
「じゃあなんで?」
黒尾は少し黙ってから、私を見た。
「……別に」
「?」
「最近さ」
「うん」
「俺以外のヤツといる時間、増えたじゃん」
「そんなこと――」
「あるよ」
遮られた。
声は優しい。
でも、笑っていなかった。
「俺、結構見てるから」
「……クロ?」
「誰と話してるとか。誰と帰ってるとか」
黒尾はそこでようやく笑った。
「まあ、彼氏だし?」
冗談みたいな言い方。
だから私も笑おうとした。
けれど。
「……ちょっと怖いよ」
そう言うと、黒尾の表情が止まった。
「怖い?」
「だって、そんなのいちいち見てたの?」
「うん」
即答だった。
「ずっと?」
「ずっと」
黒尾は私の手を取った。
指を絡める。
「俺さ、余裕あるように見える?」
「……うん」
「だよね」
小さく笑う。
「でも、実際はそんなに余裕ないんだよ」
握られた手に、少しだけ力が入る。
「お前が他の男と楽しそうにしてんの見ると、普通に嫌」
「……」
「話すなって言うつもりはないよ」
そう言ってから、黒尾は少しだけ首を傾けた。
「たださ」
目が合う。
「俺よりそいつといる方が楽しいって思われるのは、もっと嫌」
「そんなこと思ってないよ」
「本当に?」
「本当」
「そっか」
黒尾は安心したように笑った。
それから、私の手の甲に軽く口づける。
「じゃあいいや」
「……何が?」
「今のところは」
「今のところ?」
「うん」
黒尾は楽しそうに笑った。
「俺、結構我慢してんだけどな」
その言葉の意味を聞く前に、黒尾は歩き出した。
「ほら、行くぞ」
「待ってよ、クロ」
「早く」
繋いだ手は、離れない。
いつもなら嬉しいはずなのに。
今日はなぜか、その手が少しだけ重く感じた。
⸻
数週間後。
例の男子からメッセージが来た。
『この前の勉強会、今度こそやらない?』
返信しようとして。
ふと、背後から声がした。
「誰?」
「え?」
振り返ると、黒尾が立っていた。
「メッセージ」
「ああ、クラスの――」
「……あの子?」
「うん」
黒尾はスマホの画面を見た。
そして。
「へぇ」
笑った。
「まだ誘ってくるんだ」
「まあ……」
「断って」
「え?」
「断ってよ」
声が低かった。
「クロ、でも――」
「お願い」
そう言って笑う。
「俺、お前に嫌われたくないから、今まで何も言わなかったけど」
黒尾の指が、私の頬に触れる。
「これ以上は無理かも」
「……」
「俺のこと好き?」
「好きだよ」
「じゃあ」
黒尾は優しく笑った。
「俺だけ見て」
逃げるように目を逸らそうとすると、顎を軽く持ち上げられる。
「ね?」
その目には、いつもの余裕なんてなかった。
ただ、私だけを見つめる執着があった。
「俺さ」
黒尾は小さく息を吐く。
「お前が思ってるより、ずっと重いよ」
そして、いつもの笑顔に戻る。
「……今さら気づいた?」
繋がれた手を、ぎゅっと握られる。
「大丈夫」
耳元で囁かれた。
「俺がちゃんと、大事にするから」
その言葉が優しいほど。
なぜか、怖かった。
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