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桜空

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2件
リクエスト答えてくださってありがとうございます!!もう最高でした✨
第2話、読み終えました…🥀 国見くんのメンヘラ具合、すごくリアルで胸が苦しくなった。「俺だけそう思ってたら意味ないじゃん」とか「今、顔見たら多分、安心して泣くから」とか、どの台詞も刺さりすぎて…。連絡が来なくて不安になって、でも「もう送らないから」って言うのにまた送っちゃうの、めちゃくちゃわかる。好きすぎて怖くなる感じ、丁寧に描かれててすごいです。 結月さん、重たい感情をこんなに繊細に書けるの、本当に尊敬します。続きが気になります…!
600♡もありがとうございます!
今回はリクエストで、ヤンデレじゃないけど国見英のメンヘラを書きます。
次回はヤンデレに戻ると思います
⚠︎︎夢
⚠︎︎微怖
⚠︎︎執着
⚠︎︎メンヘラ
それでも大丈夫な人はどうぞ
放課後。
教室には、部活へ向かう生徒たちの声が響いていた。
私は鞄に教科書を詰めながら、窓際の席に座っている国見をちらっと見る。
国見はいつものように机に突っ伏して、スマホをいじっていた。
「国見、帰る?」
声をかけると、ゆっくり顔を上げる。
「……ん」
それだけ。
いつも通りの、やる気のない返事。
「今日、一緒に帰ろ」
「……いいよ」
国見はスマホをポケットにしまうと、私のところまで歩いてくる。
「待ってるから、準備して」
「うん」
いつもと何も変わらない。
……はずだった。
校門を出て少し歩いたところで、私はクラスメイトの男子に呼び止められた。
「ねえ、昨日のプリントって持ってる?」
「あ、持ってるよ」
鞄からプリントを出して渡す。
「助かった。ありがと」
「全然いいよ」
少し話していると、隣にいた国見が小さく息を吐いた。
「……もういい?」
「あ、ごめん。帰ろ」
男子に手を振って、国見の隣に戻る。
しばらく歩いていると、国見がぽつりと言った。
「……仲いいんだね」
「え?」
「さっきの人」
「ああ、普通に友達だよ」
「ふーん」
それ以上は何も言わない。
でも、歩く速度だけが少し速くなった。
「国見、待って」
「……別に急いでないけど」
「いや、速いって」
「そう?」
国見はそう言いながらも、少しだけ歩幅を緩めた。
駅までの道。
いつもならくだらない話をしたり、コンビニに寄ったりするのに、今日は妙に静かだった。
「……怒ってる?」
「怒ってない」
「じゃあなんでそんな静かなの」
「いつも静かじゃん」
「そうだけど……」
国見がちらっとこっちを見る。
目が合った瞬間、すぐに逸らされた。
「……俺さ」
「うん?」
「最近、嫌われたのかなって思う」
「え?」
あまりにも突然だった。
国見は前を向いたまま、淡々と続ける。
「なんか、前より連絡減ったし」
「そう?」
「うん」
「でも学校では普通に話してるじゃん」
「それはそうだけど」
「じゃあ大丈夫でしょ」
「……大丈夫って、何が?」
「え?」
国見が立ち止まった。
私もつられて足を止める。
国見は少し俯いていた。
「俺だけそう思ってたら、意味ないじゃん」
「……国見?」
「ごめん。今の忘れて」
「いや、忘れられないよ」
「じゃあ忘れなくていいけど」
そう言って、また歩き出す。
追いかけるように隣に並ぶ。
「私、国見のこと嫌いになってないよ」
「……ほんと?」
「うん」
「じゃあ、好き?」
「え」
「……いや、なんでもない」
国見は耳を赤くして、前髪をいじった。
「ごめん。変なこと聞いた」
「国見」
「なに」
「私は国見のこと好きだよ」
その瞬間。
国見の足が止まった。
「……それ、今言う?」
「だって聞いたじゃん」
「……そうだけど」
顔を隠すように俯く。
「……ずるい」
「何が?」
「そういうこと言われると、もっと欲しくなる」
小さな声だった。
「もっとって?」
「……毎日言ってほしい」
国見は少しだけ笑った。
でも、その笑顔はどこか寂しそうだった。
「無理だって分かってるけど」
「なんで無理なの?」
「だって、毎日一緒にいるわけじゃないし」
「学校では会うじゃん」
「学校だけじゃ足りない」
「……国見?」
「……ごめん」
国見はまた謝った。
「最近、なんかおかしいんだよね、俺」
「どういうこと?」
「前はさ、別に誰と話してても気にならなかったのに」
国見の指が、制服の袖をぎゅっと掴む。
「今は、誰かと楽しそうにしてるだけで嫌になる」
「……」
「でも、そんなこと言ったら面倒くさいって思われるでしょ」
「思わないよ」
「……ほんと?」
「うん」
「じゃあさ」
国見がこちらを見る。
「明日も一緒に帰ってくれる?」
「もちろん」
「明後日は?」
「……いいよ」
「その次も?」
「いいよ」
「……そっか」
それだけ言って、国見は少し笑った。
それから数日。
国見は少しずつ変わっていった。
朝、学校に着くと必ずメッセージが来る。
『着いた?』
『今どこ?』
『教室いる?』
最初は何も思わなかった。
でも、返信が少し遅れるだけで、
『忙しい?』
『ごめん、邪魔だった?』
『返信しなくてもいいよ』
と、立て続けにメッセージが来るようになった。
ある日の放課後。
私は友達と話していて、国見との約束をすっかり忘れていた。
教室に戻ったときには、もう国見しか残っていなかった。
「……国見?」
「おかえり」
「待ってたの?」
「うん」
「ごめん!友達と話してて……」
「知ってる」
「え?」
「廊下から見えてたから」
「……ごめん」
「謝らなくていいよ」
国見は笑った。
「俺が勝手に待ってただけだし」
その言い方が妙に引っかかった。
「……怒ってる?」
「怒ってないって」
「でも……」
「本当に怒ってない」
国見は鞄を持ち上げる。
「帰ろ」
「うん」
廊下を歩いていると、国見がぽつりと言った。
「……俺より友達といるほうが楽しい?」
「え?」
「今日、楽しそうだったから」
「そんなことないよ」
「じゃあ俺といるほうがいい?」
「もちろん」
「……そっか」
また、その言葉。
安心したような、でもどこか不安そうな声。
駅に着くころには、国見はいつもより私の近くを歩いていた。
肩が触れそうなくらい。
「ねえ」
「ん?」
「俺さ」
「うん」
「重い?」
「……急にどうしたの」
「いや」
国見は少し黙ってから、
「重いって思われたら、嫌だなって」
と言った。
「私はそんなに思わないよ」
「……本当に?」
「うん」
「じゃあ」
国見がこちらを見る。
「もう少しだけ、俺のこと気にしてくれる?」
「どういう意味?」
「朝起きたら連絡するとか」
「うん」
「学校着いたら連絡するとか」
「うん」
「帰るときも、誰といるか教えて」
「……それは何で?」
「安心するから」
少しだけ迷ってから、私は頷いた。
「分かった」
「……ありがと」
国見は嬉しそうに笑った。
でも、その日から。
国見の「お願い」は少しずつ増えていった。
『今どこ?』
『誰といる?』
『何時に帰る?』
『まだ帰ってない?』
『……返信ないけど大丈夫?』
返信すれば、
『よかった』
『ごめん、気にしすぎた』
『もう送らないから』
そう言う。
でも、数時間後にはまたメッセージが来る。
そしてある夜。
私は疲れていて、スマホを見ないまま寝てしまった。
翌朝。
目を覚ましてスマホを見ると、国見から十件以上の通知が来ていた。
『寝た?』
『まだ起きてる?』
『ごめん』
『なんかあった?』
『俺、変なことした?』
『嫌いになった?』
最後のメッセージは、深夜に送られていた。
『……お願いだから嫌いにならないで』
胸がぎゅっと締め付けられた。
学校に着いて、教室へ向かう。
国見はいつもの席にいた。
「国見」
「……おはよ」
「昨日、ごめん。寝ちゃってた」
「うん」
「返信できなくてごめんね」
「別に」
そう言うけれど、明らかに元気がない。
私は国見の前の席に座った。
「怒ってる?」
「怒ってない」
「じゃあ顔見せて」
「……やだ」
「なんで?」
「今、顔見たら多分、安心して泣くから」
「……え」
国見は俯いたまま、静かに言った。
「俺、ほんとに嫌われたと思った」
「そんなことで嫌いにならないよ」
「……そんなこと、なんだ」
「ごめん、そういう意味じゃなくて」
「分かってる」
少し間が空く。
「でも俺には、結構大事なことなんだよ」
国見が顔を上げる。
「君が俺のこと好きかどうか」
「……うん」
「俺さ、君が思ってるよりずっと自信ないから」
「国見……」
「だから」
国見は小さく笑った。
「たまにでいいから、俺のこと好きって言って」
「分かった」
「……あと」
「なに?」
「できれば、俺以外の人にあんまり言わないで」
「え?」
「……冗談」
そう言った国見の顔は、全然冗談を言っているようには見えなかった。
「俺、君が思ってるより面倒くさいよ」
国見はそう呟いて、私の制服の袖をほんの少しだけ掴む。
「それでも、俺のこと好きでいてくれる?」
その声は、いつもの気だるげな声よりずっと小さかった。
「……うん」
答えると、国見は安心したように目を細める。
「そっか」
そして、袖を掴んでいた指に少しだけ力を込めて。
「……じゃあ、ずっとね」
と、誰にも聞こえないくらいの声で呟いた。
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