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「きゅ・・・救急車!救急車! 」
アリスが慌ててスマホを取り出して北斗に電話する・・・が出ない、ジンも同様だ
そして次に救急車に電話した、慌ててうずくまっている貞子の横にしゃがみ込む
「貞子さん!40分ほどで救急車が来るそうです!」
「ダメよ!!産まれるわ!! 」
「とにかくべ・・・ベッドへ」
「無理!!ここから一歩も動けない!!」
貞子は破水した床の上にペタンと座り込んだまま、ブルブル震えて痛みに耐えている
なんてこと!!もう一度あの二人に電話する
「どうしてどっちも出ないのっっ?」
アリスがパニックになって叫んだ
「う・・・裏の山道を通ってるんだわ・・あ・・・あそこは・・・近道だけど、電波が届かないから・・・ 」
「そうなの?っっ」
アリスは口を手で押さえた
どうしよう・・・・貞子はアリスよりも身長も体重もある、アリスが一人担いでいくのは無理だ、ましてや赤ちゃんがお腹にいる
「いたたたたたたいたーーーーいっ!
あぁぁぁああああ~~~~!! 」
バシャっっ
また貞子の脚の間に羊水が漏れた
口を開いたまま喘ぐ貞子の顔が真っ赤になり、次に真っ青になった、膨らんだ体が弓なりに反る
本当に産まれようとしているのだ、たった今?ここで?
ハァ・・ハァ・・
「ア・・・アリス・・・・ネネ婆さんに電話して 」
「は・・・ハイッ!」
貞子のスマホを縦てネネばぁさんを、スピーカーで呼び出す
プルルルルッガチャ! 『貞子かい?』
ワンコールでネネ婆さんが電話口に出た
スピーカーに向かって貞子がネネ婆さんに叫ぶ、激しい陣痛が襲っている
隣にいても貞子の骨盤を赤ん坊が、バキバキ押し広げているのがわかるような勢いだ
アリスはもうどうしていいかわからない、パニック状態だ
『どうしたんだい?家にいるのかい?』
「うっ・・産まれそうなのーーー!!う・・うごけない!!」
貞子が叫ぶ
『いつからだい?おしるしは?』
「破水したんですっっ!」
アリスがスピーカーに向かって叫んだ
『羊水は沢山出たのかい?』
「ええ!それはもう!!」
アリスが貞子のお尻の周りを確認しながら、ネネ婆さんに言った、そこら中水浸しだ、そして貞子のお腹が小さくなっている、これではお腹の羊水が全部出た気がする
ネネ婆さんは次の陣痛の痛みまでの、貞子が正気の短い間、質問を連発し、状況判断を的確にしていった
「死ぬ!死ぬしぬーーーーーーーーーっっいた――――――い」
貞子が吠えながらブルブル震える
「ネネおばあさん!!貞子さんが死ぬって言ってます!!」
アリスが貞子の背中を支えながら、スピーカーに向かって叫ぶ
『死ぬって叫んでいるうちは死なないよ!貞子にかわりな! 』
嗚咽を漏らしながら、泣き叫んでいる貞子にネネ婆さんの激が飛ぶ、アリスは貞子の近くにスマホを置き、ネネ婆さんの声が聞こえるように、スピーカーの音量をMaxにした
『貞子!待ったなしだよ!破水とあんたの陣痛の感覚を判断したら、その子は今出てくるよ!腹をくくりなっ!あんたはもう母親なんだ!!』
うっぅうぅ・・・・
「は・・・母親・・・私は・・・」
あまりの痛みに、汗と涙と嗚咽にまみれ、貞子はブルブル震えている
『その子と一緒に死ぬか!今そこで産むかどっちなんだい!!』
ゼーッ・・・ゼーッ・・・「こっ・・・ここで・・・産むわ・・・ 」
「ええええーーーーーー!!」
丸太のような腹を撫でながら貞子が声を振り絞る、アリスがポロポロ涙を流す
「貞子さんっっ貞子さん!」
「うぅぅぅぅううううううううぅ~~~~!いたぁ~~~~~いいぃぃい」