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地獄の叫びのような唸りが少し続いた
聞いているだけでアリスの神経が逆撫でし、全身鳥肌が立つ
アリスはまるで役に立たず、貞子の周りをウロウロするばかり
そしてありがたいことに貞子がけいれんをしながら、少し静かになった
『そこのあんた!名前は何て言うんだい?』
自分の事を言われているのに、気が付くまで時間がかかった
「アッ・・アリスです! 」
『お産の経験は?』
「あっ・・ありません!」
『そうだろうね・・・声が若いからね、誰かのお産を見たことは?』
「ええ?あ・・ありません 」
『それじゃこれが最初だね!あんたは血を見たりしたら失神するタイプかい?その子と腹の赤ん坊を救ってやってくれないかい?』
ドキン・・・ドキン・・・どうしよう・・・今ここには誰もいない・・・・救急車はあと40分はこない・・・北斗さんもジンさんも連絡がつかない・・・
今・・・身動き取れるのは私しかいない・・・でも・・もし私が何か失敗したら・・・貞子さんも赤ちゃんも・・・
こっ怖いっっ!
逃げだしたいっっっ
その時アリスの脳裏に北斗の笑顔が浮かんだ、こんな時北斗さんだったら・・・
父親からひどい虐待をうけたのに、彼は痣をこしらえながらも、学ぶために学校へ通った・・・
7年間もかけて吃音症を克服した、鋼の心の私の旦那様・・・貞子さんはそんな北斗さんの大切な友人
私にとっても大切な人、貞子さんも赤ちゃんも無事であって欲しい
アリスは目を閉じて深呼吸した、震える両手をしっかり握る
北斗さん・・・・勇気をちょうだい・・・・
..:。:.::.*゜:.
アリスはキュッと髪の毛をゴムでしばり、スピーカーに向かって叫んだ
「ネネお婆さん!指示を下さいっっ」