テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第96話
忌み子……お前が……
私は、全力で避けた。間一髪で避けられた。セーフ。
でも、どうやってノアを助ける……あ、あの魔法回路……
私はこっそりと、ノアの足元に、身代わりの魔法回路が入ったアンクレットを二本、着けた。
その人は、気づいていないみたい。それに、気づいたとしても、効果は分からないだろう。
「心の灯。ノアの灯は、とても綺麗なのに……こんな酷いお兄様がいるなんて、失望しました」
「心の灯? 知らねぇよ。おとぎ話か?」
私がテキトーな話をすると、乗ってくれた。
「じゃあ、もっといいおとぎ話をしてあげますよ」と一息置いてから「星霊の剣。それが目の前にあるって話ですよ」とまた、シニカルな笑みを浮かべた。
「流石に嘘だろ」
「嘘ではありませんので、目に焼き付けてくださいね」
私は、剣に魔力を纏わりつかせて、そいつの体と剣の先の軌道を重ねた。
動けないくらいに攻撃するのは、至難の技。
「……嘘では無いみたいだね」
「そんなつまらない嘘吐きません。それに、貴方が忌み子と……」
そこまで私が言いかけると、その人が突然苦しみだした。ノアは、宙に浮いていたのが、地面に叩きつけられた。それに、さっきより増して苦しそうになった。
は? 何が起こるとそうなるの?
「クルト……お前……」
「誰?」
私は、ノアの呪いを解いた。私みたいに面倒な呪いじゃない。とても簡単。あまり見ない呪いだけど。
キョロキョロしていると、また別の一割型獣人が現れた。ノアより、年上で、そいつより年下。そんな風に見える。いや、童顔なだけかもしれないけど……
「貴方たち、何者?」
私は、ノアの事を背負いながら、殺意満々の視線で刺した。でも、あまり効果は無い。
「国王陛下専用騎士、クルト」
そう言ったのは、二人に呪いをかけてる方。
「王姉様付属護衛、ルディ」
それは、一番年上の人だ。
それにしても、顔が似てる。双子か?
「へぇ……忌み子を庇うなんてね。そんな事してたら死ぬよ」
「……」
「おい、聞いてるのか?」
「……」
応えなかった。
というか、応える必要性が感じられなかった。あいつらにそんな評価つけてない。
……評価する価値も無い。
「お前はっ……」
そこまで言いかけた所で、私が何をしているのか分かったらしい。
私は今、大掛かりな魔法陣を描いている。その効果ほお楽しみ。
「ノアの事、忌み子呼ばわりして……」
「リナっ! 辞めろっ!」
そう言ったのは、ノア。ふらつきながら、立っている。
「お前、起きたのか……それに、名前つけてもらったんだな」
クルトという人がノアの胸ぐらを掴んだ。私はその手首を折ってやったけど。
「貴方たちは、何が目的?」
「「関係ないだろ!」」
二人は即答で、ハモった。それと同時に、こっちに突っ込んできた。
……面倒くさい。
私は、そう思いながら、その人たちのことを斬り伏せた。
強かった。でも、通常運転のノアより弱い。
「貴方たち、どんな覚悟でここにっ!」
二人はもう動けないと私は、油断していた。ルディって人が私と、ノアを蹴り飛ばした。
私は、ノアの事を庇って傷がつかないように頑張った。
「……な! リナ! 起きろ! リナっ!」
私は飛び起きた。ノアが、剣片手に、私を背負っていた。あの二人は動けなくなるくらいまで傷つけたのに、追ってくる。
「おい! 落ちるだろ。安静にしてろ」
私は、黙って言うとおりに、ノアに身を任せた。
実際の所、動けるような感じでは無い。骨がすごい折れてるだろう。でも、左手は無事。
「ありがとうな。次は俺の番。誕生日くらい、自分の事、大事にしろよ」
私は、無言で頷いた。ノアも気づいてくれて「いつもそうしてほしい」と呟いた。
「忌み子っ! そんな分際で、人殺しで、お前は何で、生きれるんだ!? 何で、お前の方がっ……」
「一回黙っててください。ルディお兄様」
そう言ってノアは、ルディの腹に深い傷をつけた。そのままの勢いで、クルトの肩を斬った。
ノ、ア……?
そうよね。私は詮索した事無いけど、酷い事をされ続けたのよね……
「リナ。俺は、確かに人殺しなんだ。母を殺したり、死体処理とか……」
「私の方が、酷いから……だって、どんだけの人の命を奪ったと思ってるの?」
……あ。ノアは知らないんだっけ?
私が捕まえてきたあの人たちが死んだ……って事はノアは知らない。
「何を言ってる? だって、それは昔の話じゃ……」
案の定、ノアの頭の上には疑問符が浮かんでいる。前前世の話をしているのだろう。
「今世の話よ。まぁ、いいわ。皆も駆けつけてきた事だしね」
近くに、走る魔力が何個かある。ラルフさんと、ライナーさん……かな。情報が早いね。
「ノア。私は動けそうに無いから、座らせてくれない? 貴方は、思い通りに戦えないはず。自分の身は自分で守るから安心して」
「……分かった。絶対だぞ。守れよ」
ノアは、私の事をサントラップの外壁に座らせた。ズキズキと傷が痛む。
「分かってるって」
私はそう言って微笑んだ。
コメント
1件
こはるさん、第97話読みました〜!!😭💕 リナがノアを背負って逃げながらも、ちゃっかり魔法陣描いてるのマジかっこよすぎません!?「評価する価値もない」って切り捨てるリナの強さに痺れたし、ノアが「人♡♡♡」って自分の過去を打ち明けるシーンは胸がギュッてなったよ…。お互い「自分の方が酷い」って言い合うの、切なくて尊い😢 ラルフさんとライナーさんも駆けつけてきて、次どうなるんだろう!?続きがすっごく気になるよ〜!!🌸
#ライトノベル
こはる
2,084
植まどか
484
こはる
1,676
601