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──────ぜんさん視点──────

「あぁ、哀れ。哀れだ…身の程が分からずに神に挑むなんて…哀れな知能だ。可哀想に…。わしが直々に葬ってあげよう…。」


そう言って、その神は私に無数の刃を向ける。その刃たちは金色の色で輝き、その神々しさを視覚化しているようにも見えた。しかし、それに似合わず、それは物騒である。一撃でも与えられたら、死んでしまうのでは、と確信を持てるほどにその一撃は鋭く、重い。


「───ッ!正義執行ッッ!!!」


私───菓子の能力である正義執行。相手が無数の武器ならば、こちらも数で勝負しよう、そう思った結果なのだが──────。


「あぁ、哀れだ。わしに剣を向けるなんて…。しかし、これはわしのせいでもある。こんなにも能無しで産み落としたせいで。あぁ、すまぬ。」


そう言って、その神は私が出した剣を見ただけで、先程までの大量の武器があっさりと塵に変わる。呆気に囚われている場合ではない。直ぐに、神の攻撃を受け流せるものを──────。


「───『パペット・ドール』♡」


誰かの声が聞こえる───それと同時に私の体は何かに固定される。私を固定したものを壊そうとしたが、力が全く入らず、さらに力が吸われる感覚。───直感が危険だと警報を鳴らす。直ぐに、菓子から切り替えなければ。


「チェンジ!ゴーストボーイ!!」


私がそう叫ぶと、私の意識は遠のき、代わりに新しい意識が芽生える。交代である。悔しいが、私はこのままやり続けると死んでしまう。2度目の死は、終わりと同義である。私は肉体は既に死んで居てるのだから、魂まで消えてしまったら私は消えてしまう。それだけは、それだけは避けなければならなかった。───何かを、託された気がしたから。

あ、レ…ナんダっけ、?ソれ…?




すぐに切り替わる。そして、すぐさまその固定した器具から離れる。俺様はゴースト。死んでなお、死神の目をかいくぐって下界をさまようこの世のエラー、抜け穴。ただ、クマに食われてしまった。…肉体がないのによく食べようと思ったものだ、というツッコミはいつの日かしたのでどうでもいい。今は、俺様が生きれるように動く。

すぐに実態をなくし、それを突破する。そして、そのまま目の前にある無数の武器をすり抜け───


「哀れだ。幽霊になって、死を覚えてなおそれを教えた神に歯向かうなんて。───幽霊にも、攻撃くらいあてられるぞ。それにも気づかないなんて哀れだ。」

「哀れ哀れうるっせぇな!実際俺様に当たってな───」


その時、信じられないことが起きた。正面突破を試みた俺様の体が真っ二つに別れた。上半身は依然として前を走り続けるが、下半身が追いつかず、ばたりとそれは落ちる。

──────何が起きた?

訳も分からずまま、地面に額を擦り付けられる。まずい。まずいまずい。次、食らったら───。


「面白いくまよのぉ…。自分が死なないために他のものを犠牲にするなんて…何とも哀れじゃ。」

「───は、どういう?」

「そのクマはお前をライフとしか見ておらんということじゃよ。お前が死んでも、肉体は無事じゃからなぁ。厄介やのぅ。だが、お前さんも厄介じゃった。『操神』の操りをくぐり抜けるとは…見事じゃのぅ。」

「ひっい、嫌だッ!!し、死にたくない!!お、俺様は…生きるために…ッ!!」

「すまんのう。お前さん。実に哀れじゃ…一思いに───」


その瞬間、俺様の意識が暗転する。あぁ、死んだな。




死なせるわけが無い。これでも、何千年、何万年も同じ体にいたのだ。この絆はそんな簡単に、切れていいものじゃない。

まだ、使いたくなかったがさっさと手札を切った方が良いだろう。───憑依、時空神『メテヲ』。


「あぁ。哀れ爺さんの方が哀れだよ。」


そう言って、その神───「律神」のいる空間を歪める。歪めて、ゆがめて───最終的には、跡形もなく。


───哀れ爺さんが言っていたことがメテヲにはよくわかる。慣れていない力を振り回すなんて、馬鹿みたいに哀れだ。そのおかげで、メテヲは、恨みをはらせそうだが。


「ふぉっふぉっふぉっ。お目覚めかのう?『時空神』よ。」

「な、何言っ「もちろん。久しぶりだね、じいさん。」

「な、なんで「メテヲが話せるのかって?そんなの簡単だよ。君が、間違った力の使い方をしたからだ。いや、神以外が神の力を使うこと自体が間違っているんだよ。」


ぽれの内側から、何かとなにかの感覚が裂かれるかのような違和感。脳内には、ぽれを嘲笑うかのように笑うメテヲさんの声。


「馬鹿だよねぇ。ただの獣人が神の力を使いこなせるわけない。きっと暴走する。予想通り、君は3回も能力を使ってしまった。それが、君が唯一使用出来る回数だ。ただ、君は、そのラインを踏み越えてしまった。」


淡々と、まるでぽれの罪をあばくかのように、真実を突きつけるかのように。その言葉は、よりいっそう重くなる。


「じゃーね。暴食の悪魔の契約者さん。安心してよ。君が死んだら、メテヲも、君の体内にいるやつも、全員死ぬ。メテヲたちは仲間だよ。ま、メテヲは死ぬことは怖くないけど…逃げ続けた君は、怖いかもね?」


そう言って、ククッと笑ったあと、メテヲは酷薄な笑みを浮かべる。


「ばいばーい。神喰。」


そう言った瞬間、体が中から膨れ上がるかのような気味の悪い感覚。魂が圧迫し、体内を貪り食われるような、味わったことの無い激痛。内蔵が、圧迫され、消されていく。痛みが、常に体内を巡る。痛い、痛い痛い。思わず叫んでしまいそうなのに、その叫ぶという行為をする前に、喉が潰れる。声の代わりに出たのは血で、その血が止まらない。目が、目が痛い。視界が赤色に霞む。足が動かない。ガクガクと震えが止まらない。触感が感じられないのに、痛みは感じられる。体内からの痛みだ。腕が上がらない。体を持ち上げられず、そのまま自然落下する。地は受け止めてくれず、身体中に痺れるような痛みが走る。

───心臓が、握られている感覚。魂が、相手の手の中にあるかのような絶望感。モブだからか?僕が特別になれなかったから?ぜんみたいに人にもっと優しくすれば良かったのか?後悔が、恨みつらみが、怒りが込み上げる。

───そういえば、悪魔は僕のことをぜんって呼んでた。あいつは、僕が好きなんじゃなくて、ぜんに生きてて欲しかったんだろうな。

誰からも愛されなかった、無名の僕は最後の花を咲かせた。



























ここで切ります!ぜんさんをサクッとやらせてもらいました。まあ、元々ぜんさんはメテヲさんとの戦いで死亡する予定だったので、あながち筋書とおりには戻せたと思います。

それと、私明日英語の発表があるのでコメント返信ができません!明日、大切に読ませてもらます!

それでは!おつはる!

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