滉斗side
元貴『ん!おいひい!(美味しい)』
滉斗『良かった〜』
元貴『天才』
俺が作ったトマトパスタを美味しそうに
食べる元貴。口の中にたくさん詰め込みながら、
もぐもぐと食べる元貴が可愛くて仕方がない。
俺がじっと元貴の食べている姿を見ていると、
元貴は口元を手で覆いながら言った。
元貴『滉兄大丈夫?疲れてる?』
滉斗『え?なんで?』
元貴『目の下クマあるからさ…やっぱ仕事?』
よく見ているなと感心しながら、
俺は知らぬ間に元貴に不安や悩みを、
打ち明けてしまっていた。
今さっき出会った子供に自分の不安や悩みを
打ち明けてしまった。話を聞いてもらったのが
久しぶりで、溜め込んでいたストレスが
なくなって、涙が出てくる。
俺が話しながら涙を流すと、
元貴は席を立って俺の膝の上を跨って座り、
そっと抱きしめてくれた。
幼いながらも俺の話をちゃんと目を見て、
頷きながら聞いてくれた。
元貴『泣かないで…ね?
滉兄には僕がいるじゃん!1人じゃないよ!』
そう言って元貴はにこっと可愛らしい笑顔を
見せた。今までの仕事のストレスがなくなって、
どんどん心が晴れていく。
滉斗『ありがとう…泣』
元貴『うん!一緒にお風呂入ろ〜!』
そう言って俺は元貴に引っ張られながら
お風呂場に連れて行かれた。
元貴は迷いながらもなんとかお風呂場まで
着いた。俺はスーツを脱いで軽く畳んだ。
元貴は俺の裸を見て、
顔をぶわっと赤く染めていた。
やっぱり女の子っぽい。可愛いな〜なんて
思っていたら、元貴も着ていた服を脱いだ。
細身ながらも付いてるものはやはり男のもので、
結構しっかりとしたものが付いていた。
元貴『ケセラセラ〜今日も唱える〜♪』
14歳とは思えない綺麗な歌声に俺は湯船に
浸かりながら没頭してしまっていた。
全て洗い終わった後、元貴は俺が湯船に
浸かっているにも関わらず、湯船に入ってきた。
滉斗『狭い…』
元貴『んひっ笑 いいでしょ?
こっちの方があったかいよ?』
そう言って元貴は俺の首に手を回して
俺にくっ付いてきた。元貴の肌はすごく滑らかで
肌触りが良かった。元貴の肌は中学生の男子に
してはとても白くて、体毛があまり生えて
いなかった。でも付いてるものは中学生に
しては大きかった。
元貴『滉兄って何歳なの?』
滉斗『ん?28だよ』
俺がそう言うと元貴は驚いたような顔をした。
まぁ結構若く見られるんだけど、もう28歳。
もう少ししたらアラサーじゃん…
結婚も考えないと。
元貴『彼女は?いないの?』
滉斗『いないよ〜』
俺がそう言うと元貴は少し口を尖らせた。
あまり近くで顔を見てなかったけど、
やっぱり可愛い顔してる。
まつ毛長いし唇ぷるぷるだし。
俺は元貴の唇に親指を当てて、優しく触った。
元貴は恥ずかしいのかそっぽを向いて顔を
赤く染めていた。元貴の唇はふにふにで、
猫というか、アヒルというか、
とにかく可愛い唇をしていた。
元貴『滉兄…///』
滉斗『ごめんごめん笑
柔らかそうだったからつい…笑』
俺がそう言うと元貴はぷくっと頬を膨らませた。
どんだけ可愛いのこの子。
思春期のそこら辺のガキと全然違う。
素直で少しツンデレな元貴が可愛くて可愛くて
仕方がなかった。
俺はお風呂から上がった後、
ドライヤーで髪の毛を乾かしていた。
俺が洗面台で髪の毛を乾かしていると、
後ろから元貴にバックハグされた。
元貴『滉兄ー』
滉斗『ん?どうした?眠い?』
元貴『…大好き』
俺がそう言うと元貴が何かを発した。
ドライヤーの音でよく聞き取れなかったから、
ドライヤーを止めて元貴に聞いた。
でも元貴は顔を赤く染めて何て言ったのか
教えてくれなかった。俺は疑問に思いながら
髪の毛を乾かした。
俺が元貴をベットの上で寝かせている時、
元貴が不安そうに俺を見つめた。
滉斗『…どうした?』
元貴『…明日、帰らないと駄目かな、?』
そう言った元貴の目には涙が浮かんでいた。
多分、明日家に帰ったとしても、
元貴の両親は家に帰ってくることはないと思う。
それでまた、元貴が1人で寂しい思いをする
くらいなら、一緒に住めば良い。
俺は元貴の頭を撫でながら元貴に言った。
滉斗『俺と一緒に暮らそう』
元貴『…へ、?泣』
元貴の目から涙が溢れた。
元貴の涙を見ただけで、
胸がぎゅっと締め付けられるのを感じる。
俺は元貴を大切にしたい。
親子でも、兄弟でもないけど。
俺は元貴と一緒に暮らしたい。
俺の少ない給料だと、
元貴に色々と迷惑をかけてしまうかもしれない。
でも、元貴は1人で過ごすよりかは、
余程マシな気がする。
滉斗『毎日一緒にご飯を食べて、
一緒にお風呂に入って、一緒に寝よう。
それなら、もう元貴が寂しい思いする
必要ないでしょ?』
元貴『うん…ありがと、、泣』
俺は元貴をぎゅっと抱きしめた。
元貴が、俺を慰めようとして抱きしめてくれた
ように。元貴は口元の両側に笑窪を作って、
笑顔を見せた。元貴の笑顔が見れるだけで、
俺はそれでいい。
俺は、このクソみたいな社会で、
生きる希望を見つけた気がした。
コメント
9件
なんと素敵なお話…
おぉ…まずひろにぃ、生きる希望見つけてくれてありがとう。そしてもっくん…もう天使ですね。いるだけでみんな幸せにしちゃう