「失礼いたします、メイズです」
「入りなさい」
「はい」
メイズはボロボロの身体を引きずるようにしてラボへ入った。
腕や足、顔は擦り傷だらけになっており、治癒にはそれなりの時間がかかりそうであった。
しかし時間をかけてはいられない。メイズの利点は、他の兵士とは違い問題のある箇所をすぐさま修正してアップデートできるところなのだ。
なにか1つでも問題点があるようなら、即刻それを直して改良していかなければならない。それもまた、フリーザ軍の発展のためだ。
「では、このメディカルマシンに入ってくれ。君の状態を調べさせてもらう」
「分かりました」
科学者に促されメディカルマシンへ入るメイズ。ゆっくりと蓋が閉じられるとすぐさま培養液が注がれ、メイズの傷の手当てが始まった。
同時にメイズのコンディションの確認も行われる。メイズの身体をスキャンして体内に異常がないかも調べていたのだが…。
「これは…。」
「どうしたのです?何か異常があったのですか?」
「脳に損傷が見られます。これの影響で一部のプログラムにも問題をきたしているようですね」
「やはり頭部に重要なプログラムを集中させたのは良くなかったのではないですか?頭部への致命的なダメージを受けた場合、彼女の活動の9割は制限されるのですよ?」
「しかしそこ以外の部位では効率的な活動が行えなくなるんです。それに、頭部へ攻撃されないように彼女をアップデートしていくことはこれからも可能なんですから」
「それはそうですが…。」
フリーザは眉間に皺を寄せながらメイズを見た。その時ふと気付いた。
…あれだけの傷があったはずのメイズの身体から、既に傷が跡形もなく消えている。
いくらフリーザ軍のメディカルマシンの質が良いとはいえ、あそこまで早く治るものではなかったはずだ。
「想像以上の治癒速度ですね…。」
「再生能力があると言う異星人の細胞を全身に使っていますからね。腕を丸ごと失ってもまたすぐに生えてきますよ」
「ほう、そんなことまで…。てっきりちょっとした傷がすぐに治る程度のものなのだとばかり…。」
「今回は頭部に損傷を受けてしまったので再生があまり上手くいかなかったようですがね。しかし今後は問題なく行えるかと」
「いずれにせよ、頭部への攻撃には警戒してもらわないといけませんね」
そんな会話をよそに、メイズの身体はまた1段階アップデートされた。
コメント
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続き待ってましたぁ‼️ 続き楽しみに待ってます🎵(>∀<)