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『こんな展開ありですか!?』
〜異世界×異世界のラブコメディ〜
第5話 嫉妬と好きとキス!?
2階 麻里衣の部屋
『主様を一番好きなのは…私です。
他の誰にも、渡しません。』
『べ、ベリアン、誰か来たら…。』
『構いませんよ。私は。』
(私が困るのに…!)
『主様……。』
ベリアンは私を抱きしめて離さない。
『もう暫く、このままがいいんです。』
『ベリアン…。』
いつものベリアンらしくない。でも、私は振りほどく事が出来ない。
一方、2階の廊下の窓辺で迷ってる人が1人。
『好きって、どういうこと…?好き…?友達としての、好き?いや、それとも……?あーもうわかんないー!!』
※百合菜は姉に似て鈍感です。
『む、どうした?』
『貴方は……理鶯さん!』
『あぁ。貴女は百合菜、だったか。何か悩み事か?』
『え、あ、はい…その…。帝統に告白?をされて……。』
『ふむ…有栖川帝統に告白されたのか。それで悩んでるのか。』
『理鶯さんはどうすればいいと思いますか?』
『…そうだな。好敵手から言わせれば…。』
『え、好敵手?』
『小官にその問いの答えを聞いても無駄だ。小官は既に…。』
『え、えぇ……!?』
理鶯さんは私に近づいて頬に触れた。
『貴女に罠にかけられたようだ。』
(元海軍なだけあって言い回しがなんか…なんか…独特…っ!)
午後。仕事の依頼もない私はキッチンでお菓子を作っていた。
『……。』
(視線を感じる。)
キッチン前廊下
『盧笙見てや、麻里衣はんがお菓子作とるで!頭も良くて料理も出来るなんてもう完璧やな!』
『何がやねん。お前に相応しいとでも言うつもりか?』
『せや!将来結婚したら俺が稼ぎまくって家に帰ったら美味しいご飯と可愛い麻里衣はんが待ってる。最高やん!』
『はぁ、呆れるわ…。結婚する前提やないか。』
『うっさいわ!夢は喋るだけならタダなんや!』
『はぁ…。』
『簓さん!盧笙さん!』
『『!?』』
『ちょっと静かにしてて下さい!そんなにうるさくしたらおやつなしですよ?』
『ごめんやで……ちなみに何作ってるん?』
『盧笙さんがプリン好きと聞いたのでプリンを作ってます。』
『ほんま!?嬉しいわぁ。簓、静かにしいや!』
『いやお前もうるさかったやろ。』
『それにしても盧笙さんプリンお好きなんですね。ちょっと意外です。』
『せやろ?意外と可愛いとこあんねん。』
『うっさいわ。麻里衣ちゃんなんか手伝うことある?』
『そしたらメレンゲを泡立てて欲しいです。』
『任せとき!』
『なんで盧笙だけ特別なん!プリン作ってるし、盧笙にだけお手伝いさせとるし!嫉妬するわ!』
『麻里衣ちゃんこいつめんどくさいんやほっといてええで。』
『は、はい…。』
『いーやーやー!構ってくれないと拗ねるで!』
『もう拗ねてるやん…。』
『うるせぇな…静かにしろよ簓…。』
『さ、左馬刻!なんや、お前も麻里衣ちゃんのこと奪いに来たんか!』
『そんなんじゃねぇよ。まぁ、用はあるのは確かだな。』
『え?』
『麻里衣……つったか?』
『は、はい。』
『ちょっと話がある。』
『わ、分かりました。じゃあ少しだけ待っててください。』
私はプリンを型に流し込み、オーブンに入れた。
一方その頃――。
『…あの、百合菜……さん。』
『はい?あ、貴方は確か…観音坂独歩さん?』
『お、覚えててくれたんですね。』
『はい。麻天狼のメンバーですよね。新宿代表の。』
『はい。と言ってもほかの2人に比べたら全然……。』
『そんなことないですよ。いつも頑張ってるの知ってますよ。』
『なんで知って……。』
『活躍を見てれば分かります。仕事もディビジョンラップバトルも大変なんですよね…無理しないでください。もし辛かったらお姉ちゃんに相談してみてください。お姉ちゃんは探偵ですから、会社のこと何か力になれるかもしれません。』
『あ、ありがとうございます。でも、俺は……。』
俺は百合菜さんの手を引く。
『百合菜さんに……話を聞いてもらいたいです。』
『え……っ。』
『……百合菜――?』
その様子を俺は影から見ていた。
(観音坂独歩……まさか、お前百合菜のこと……。)
『…それで、話って?』
『…作者に踊らされる気はねぇが、お前には興味があるからな。』
『きょ、興味…?』
『その瞳の能力を活かして探偵になったのか?』
『……。少し、違います。この瞳は生まれつきなので、探偵ではなくても活かせました。刑事とか、医者とか…でも。両親共々探偵ですから。私はいずれ、跡を継ぐ…。探偵になった理由は妹を守るためです。』
『…!』
『この世は闇に塗れています。その闇から妹を守る為に。私は探偵になりました。その闇に妹が飲み込まれないように。』
『そうか、お前も妹のためにか。』
『お前も?ってことは…』
『あぁ。俺は妹の為にこの道を選んだ。ヤクザになる道を。』
『……。』
『幻滅したか?反社なんてよ。』
『…そんなことありませんわ。』
私は左馬刻さんの手を握る。
『っ…。』
『誰かを守る為に選んだその道を否定する権利は誰にもない。己の選んだ道が正しいと思えば、それを進めばいい。誰も咎めたりしません。』
『っ…!』
風がふわりと吹き、麻里衣の髪がたなびいた。
『私達似た者同士ですね。』
ドクンっ!
(なんだ…心の中掻き回されたみてぇに苦しい…胸が、いてぇ。)
『そろそろプリンが出来ます。左馬刻も食べましょう?』
『っ、あぁ。』
ダメだ。恋の沼に溺れていく。この俺様が誰かに心を乱されるとはな。
『麻里衣。』
『はい?』
『気に入った。お前のこと。』
『あ、ありがとうございます…?』
『覚悟しておけよ。』
『私反感を買ってしまいましたか…?』
『ふっ。そんなんじゃねぇよ。』
俺は煙草を吸いながら廊下を歩く。
その日の夜。
書庫。
(覚悟しとけよって…どういう意味なのかしら。怖いわ…。)
私は書庫の本棚の前に脚立を置き本をしまっていた。
『麻里姉。ちょっといいですか?』
『え、三郎く…わっ!』
『危ない……!』
麻里姉を支えようとしたら体制を崩してしまった。
ドサドサ…っ!チュッ……。
『『……!?』』
私は三郎君を押し倒し、三郎君の手が腰に回される。
『『……っ。』』
一瞬、時が止まる。
何が起きたのかわからず、お互い固まってしまう。
ただ一つだけ言えるのは……。誰にも言えない2人だけの秘密ができてしまったということだけ。柔らかいものが…重なり合ってしまったのだから。
次回
第6話 あのキスはなかったことに?
『……百合菜、未成年淫行で捕まるかもしれないわ。』
『ごめんなんて?w』
『…誰にも言わないって約束してくれるわね?』
『え?う、うん…。』
『三郎君とキス…しちゃったの。事故で。』
『ええええええええ!?』
三郎君にとっては初めてのキスだったということを私はまだ知らない。
『呼び出して、ごめん。あのキスだけど、な、なかったことにしない?』
『え……。』
『お互いほら、あれは事故で割り切れば気まずくならないかなって。元の関係に…』
『今更もう無理です。』
『…え?』
三郎君は私をベットに押し倒す。
『っ…!』
『だって僕…好きなんです。麻里姉のこと。』
『な…っ。』
『だから。無かったことには、出来ません。
姉としてなんて本来なら見れない。それに…僕のこと弟としてなんて見ないで欲しい。』
『さ、三郎く…っ。』
振りほどきたくても、振り解けない。
そして、三郎君とキスしたことを聞いてしまった簓さんは嫉妬で豹変して…?
『寂しいわぁ、あんな年下に俺は負けたんか?そんなら…上書きしたるわ。』
『さ、簓さ…っ。』
捻れてしまう。恋の図形が。
じわりじわりと、己を蝕む。
恋はまさに猛毒。
猛毒になりかけてるのは私だけじゃないみたいだ。
『観音坂独歩。お前、百合菜のこと好きなのか?』
『……だったら、何だ。』
『お前には渡さない。』
『へぇ……。ディビジョンラップバトルでも俺達は敵同士なのに、まさかこれでもライバルになるのか。』
『ふんっ。どっちも負けねぇし、譲らねぇ。』
『…やってみろ。有栖川帝統。』
バチバチしてる2人を他所に、新たな関係が生まれる。
『明日、二郎君とも話してみようかな。
もっとみんなのこと知りたいし。私も…好きになれるかな。誰かのこと。』
仲良くなることを良しとしないのは
この屋敷の18人の執事。
瞳がギラついて、夜の闇に消えてゆく。
次回もお楽しみに♡♡
コメント
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第5話読みました!もう嫉妬と恋心があちこちで渦巻いてて胸がきゅんきゅんしますね…。特に左馬刻さんと麻里衣さんの「妹を守る」という共通点からの絆の深まり方、めっちゃ良かったです。あと最後の三郎くんとの事故キスには思わず声が出ました!次回「あのキスはなかったことに?」のタイトルがもう気になって仕方ない…誰が誰を好きになっていくのか、ますます目が離せません!
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