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「くっそ…!あのガキがっ」


なんて言いながら、ベッドをバンっと叩く。


「玲の奴、正真正銘俺だけのものだった琴音に…キスしやがった…!」


マジ殺す…と、物騒な事を言う。

なんとなく…「ごめん…」と謝ると、ハッとしたように蕩けた視線を向ける響。


「…あぁ…琴音…これから俺が、セックスってやつを少しずつ教えてやるからな」


そう言われても…お願いします…とも言えず…



「…キモチイイ?」

「…え?」



固まる響を見つめながら、ものすごく変なことを言った後悔が走った…!


「そういうことは…言うな?俺を野獣にさせたいなら別だけど」


ジリ…っと響が近づいてきた気がして、慌てて言う。


「まだ…こ、怖い」


途端に止まる響。

…素直だ!


「琴音、誰にも触れさせないでいてくれてありがとう…ゆっくり進めるからな」


ささやく響の声が、妙に優しい…

チュウ…っと触れるだけのキスをして


「…ムラムラが溜まっても、これで我慢できる…!」


と、私にはよくわからない言葉を残して、今度こそ響は大人しく目を閉じた。




それからの私は…大学が終わると響のマンションに帰るだけの日々で、自然と時間を持て余すようになった。


エントランスのコンシェルジュの方にも顔を覚えられて、おかえりなさい…なんて言葉をかけてもらえるまでにはなった。


響に突然捕獲されてから1ヶ月余り。


あのタイミングで奇跡の再会をしていなかったら、私たち一家は2度めの夜逃げを余儀なくされていたかもしれない。



「…あ、お母さん?琴音だけど」



パートから帰宅した頃を見計らって電話をしてみた。


母によると、父や弟も元気にしてるとのこと。父の仕事も弟の受験勉強も何とかなっていることが知らされた。


「…それよりさぁ、あんたあんまり無理にいろいろ持ってこなくていいよ?」


「…え」


急に言われて返事に詰まった。


「美味しそうなお肉とか魚とかさ…あれ、すごく高級なやつでしょ?」


聞くと、何度かクール便で宅配されたという。


響…?

そんなことまでしてくれてたの?

いや…忙しい響がそこまではさすがに…。


お礼を言われて曖昧に笑ってごまかし、私は母との電話を切った。


そして気になって、ちょっと久しぶりのあいつに電話をしてみた。


「…うちにクール便でなんか送ってくれた?」


「…あは…!バレた?」


電話した相手は真莉ちゃんだった。


飲みに行った時、うちの事情を話したから。


倒産の危機に陥っていて、母も必死にパートを頑張っているってこと。


結局倒産は響によって助けられたけど、母の過酷なパート生活は続いてる。


…真莉ちゃんって、たまにこういうことをする。



「…幼なじみだしさ。おばさんたちには可愛がってもらったし、気が向いたから送っただけよ」



中学の頃、塾が一緒で…帰りにお母さんが真莉ちゃんにもおにぎり渡したり、お父さんが唐揚げを持たせたりしてた。


うちのアパートの先を曲がったところにある大きな一軒家。


真莉ちゃんの家は両親とも仕事をしてて、すごく忙しかったから、小学生の妹といつも2人だったのを覚えている。



「…すごくいいお肉だって言ってたよ?せっかくのバイト代なくなっちゃうじゃん」



それに自分の名前で送ればいいのに、わざわざ私の名前で送るなんて…

…あしながおじさんか?!



「まぁ…な。でも、俺からだと気を使うだろ?琴音からなら…気にせず食べられると思ってさ」



ホントいい奴…。


これで彼女がいないなんておかしいだろ。


まぁ…真莉ちゃんが「とりあえず付き合う」精神の持ち主じゃないというだけで、半径10メートルには必ず目をハートにさせた女子を引き連れてるから、あとは本人次第なんだよね。



「ほんとに…ありがとう。食べ終わった頃、実は真莉ちゃんからだったって伝えとく…!」


いちいち言うな〜…!と言う言葉を聞きながら、近くご飯に行く約束をして電話を切った。

スパダリは甘くない

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コメント

2

ユーザー

響という婚約者がいても、真莉ちゃんは やっぱり琴音ちゃんのことが好きなんだね.... あちこちから狙われる琴音ちゃん💦 響も心配になるよね~😅

ユーザー

ど天然琴音ちゃんに逆に振り回されて、調子狂っていくハイスペイケメン✨達…(,,>ლ<,,)プププッ 琴音ちゃんの相手は響だよ⁉️もう婚約者だからね⁉️でも狙われてるんだよ⁉️

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