コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第87話「神の加護を継ぐ者たち」
黒き空に雷が走り、世界が震える。
サタンの気配だけで、大地が軋む。
その中で、星の英雄たちは立ち向かっていた。
ゲズ「いくぞ、みんな……!」
リオン「命を……この手に掴むために!」
セレナ「兄さんの、そして神々の意志を、私たちが継ぐ!」
ウカビル「この拳は、もう迷わない……!」
サタン「──愚かなる者たちよ。希望など、すでに消えている」
サタンが一歩踏み出すだけで、重圧が押し寄せる。
しかし、英雄たちはそれに屈することなく、真っ直ぐに前へ出た。
◇ ◇ ◇
ゲズの体が、白銀の輝きを放ち始める。
ゲズ「アルテミスの加護……“月刃解放”!」
彼の双剣が弓のように変形し、月の光をまとった魔弓となる。
放たれた一撃は、闇を裂き、サタンの肩をかすめた。
サタン「……ほう。神々の残滓が、ここまで昇華されているとはな」
次に前へ出たのはリオン。
リオン「ポセイドン……この力、貸してくれ!」
彼の足元に水の魔方陣が広がり、青き龍が姿を現す。
リオン「水神の力……“蒼龍解放”!」
蒼龍をまとったリオンは高速で突進し、サタンの闇の障壁に衝突。
その一撃で障壁が砕け、闇の奥に光が差し込む。
サタン「……戯れが過ぎるな」
サタンが指を弾いた瞬間、空が裂け、無数の黒槍が英雄たちを襲う。
しかし――
セレナ「アポロン……お願い、私に光を!」
黄金の羽が彼女の背から広がる。
セレナ「“陽翔解放”!!」
太陽の翼で黒槍を全て焼き払い、空を守った。
セレナ「みんなを守るのは……私の役目!」
続いて、ウカビルが地を蹴った。
ウカビル「アレスの魂……拳に宿れ!」
彼の両腕に炎の鎧が燃え上がる。
ウカビル「“戦神解放”!!」
重い拳を地に叩きつけると、衝撃が闇の地面を裂き、サタンを後退させる。
ゲズ「……どうだ、サタン。これが……神々の“遺志”だ!」
リオン「継いだだけじゃない……俺たちが“生きてる”からこそ、意味がある!」
セレナ「未来は、あなたの闇に渡さない!」
ウカビル「ここで決める……俺たちが、この世界の新しい“希望”だって!」
サタンは初めて、沈黙の中で目を細める。
驚愕でも怒りでもない――それは、まるで“僅かな興味”のようだった。
サタン「ならば証明してみせよ、命の意味を──英雄たちよ」
次の瞬間、サタンの本気の一撃が、地と空を同時に引き裂く!
だが英雄たちもまた、加護を完全に解放し、迎え撃つ!
希望と絶望、光と闇――その力が真っ向から激突した瞬間、
空間そのものが、悲鳴を上げた。
――戦いは、ついに本格的なクライマックスへ突入する。