※少し🔞表現があります
おんりー side
「…おんりーはさ、」
「………運命のひとって、信じる?」
……空が素敵な色してたから起きちゃった。誰にもあげない。ふたりだけの青だ。
LEDなんて光じゃなんにも代えられないのね。たったひとつだけだから。
…しあわせなあさだった。
「…………。」
赤い糸が視えた。
ふたりの、小指から繋がる、「しらないだれか」への、証拠。
世界でいちばん、好きになる、きっと、きっと、そんなひと。
「……うぅん、……あんまり、…信じない…、かなぁ。…」
おらふくん。もし俺とおらふくんが運命の人だったら、なんのすれ違いもなく、幸せになれてたのかな。
「…そ?」
「うん。…なんか、知らんし。」
「あはは。あー、俺もよ。」
「ん。、…」
それでも、きっと、願ってしまう。
なぁ、なぁ、運命だったらよかった。自分と、あなたの。こころが。
神様の保証書つきの恋があったら、いい。
でも絶対にそんなはずない。79億と5000万ぶんの、1。
だから、信じたかったのに。ね。
「……でも、ね。」
「うん?」
「…信じたい、かな。…」
「そっか。…それは、俺もかも、わからん、なぁ。、…」
すこしだけ、空の色に、水を混ぜる。キャンバスに溶かしすぎた絵の具を抜いてく。
セミダブルベッドの横に置いたデジタル時計は7時を指していた。
「…ん、ん。…ぅ。」
「……おらふくん。」
れ。
唇を彼のその内臓にまた押し付けて、舌で、上顎を撫でれば、ちょっと甘いと思った。
「…きょ、…さつえい、あるで…?」
「いいじゃん、午後からだし。……」
「ん。~…、は…、もぉ。」
…また、何回も、重ねて、溶かして、
布団に擦れる肌だけで。シーツをぐしゃぐしゃにするのが、好きのかたまりみたいで、いいなって思ってた。
「……っは、」
好きな人とのキスは、
いつだって、苦い蜜の味がする。
「おんりー……、っ、ん、」
「……。」
こんなに好きだって、
いつまでも叶わない。決められた恋なんてひどく残酷なものだと、思った。
「……おらふくんが運命のひとだったら良かった」
コメント
8件
ふぁー、好きです…… 好きな人と運命の人は違うかもしれませんが2人には今あるものを大切にして欲しい……
あぁ。神。グッ👍