詩の世界で語られるようなことじゃないが、 絶望的な状況に追い込まれても、 最後の最後まで足掻いてみせるってヤツもいるしな……。
ただまぁ……こっちとしては迷惑極まりない話だが。
こんなことを言えた義理じゃねぇけどよ、 もう少しうまくやりようがあったんじゃねえかな……。……俺みたいなのが出てくる前に、さ。
「おーい、大丈夫か?」
「えっ!?」
「おいおい、そんなに驚くなよ……」
「ごめんなさい……少し考え事をしていて……。あの、どちら様でしょうか?」
「ああ、俺は―――」
「……あっ! ひょっとすると、あなたが私の探し求めていた人かもしれません!」
「へぇ、そいつは光栄な話だが……どういう意味だい?」
「そのままの意味だよ」
その答えを聞いて、男は笑った。
「……面白いな。
気に入ったぜ、あんちゃんよォ!」
「どうも……」
「まァ、とりあえずゆっくりしていきな! ここに来たってことは、そういうことなんだろ?」
男が手をかざすと、テーブルの上に料理が現れた。
「おーっ!すごいねおじさん!!」
「ハッハ!好きなだけ食いな! 俺様からの歓迎の印だぜェ!! ただし、支払いはお前さん持ちだからよォ!」
『おいおいマスター、いくらなんでもそれは』
「わぁい♪いただきまーすっ」
『お嬢ちゃんまで!?』
『……もういいよ。好きにしてくれ』
「おうともさァ!!」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!