コメント
0件
詩歌たちと出会ったことさえも、 ただの夢想に過ぎなかったというわけか……。
まぁいい。
どうせすぐに忘れてしまうよ。
キミたちはいつも通り、ただ眠っていれば良いのだ。
それが一番幸せなのだからね。……あの子たちの記憶は消さないでくれ?……。
まったく、わがままなお嬢さん方だよ。
分かった。そのかわり、約束してくれないか? ひとつだけ頼みがある。
もしまたキミたちが目覚めた時は、 今度こそ本当の願いを口にすると。
それで満足する。
私が責任を持って叶えようじゃないか。……ほぅ、意外だな。
私の力を借りずとも、自力で思い出したという訳か。
なるほど、あの子が言っていたように、 キミたちもなかなか侮れない連中だということかな。
ならば話は早い。
私はキミたちに手を貸してやることはできないが、 協力することはやぶさかではない。
この先、キミたちを待ち受けているのは、 今まで以上に過酷な戦いになるはずだ。
それでも、戦う覚悟はあるかね? ならば、行こうではないか。
彼女たちの戦いを終わらせるために。……さっきの話の続きだが、 私の力は強大すぎて、普通の人間にとっては毒にしかなりえない。
そのため、他人の願望を増幅させる形でしか使うことができないんだよ。
私自身の望みのために力を使えれば、どんなに良かっただろうな……。
とはいえ、今のキミたちにとって、 それは望むべくもない贅沢な話だろうがね。
それにしても、キミたちと出会ってからの日々は楽しかった。
こんな気持ちになったのは初めてだ。
なぜ私はここにいる? わからない…………でも、このままじゃいけない気がする……。
あの子たちのように……
自分を信じて進まなきゃ……。
どうして私は、 あの場所にいないのかな……?……そんなことばかり考えてしまう。
だからせめて、ここで祈るよ。
いつかきっと会えるって信じてるから。