駅に着いたあと自販機で150円のいちご・オレを購入し、ホームのベンチで飲む。
私のくたびれた身体に、甘いミルクの味がじんわりと染み込んでいく。
「はぁ・・・。」
このまま次に来る電車に乗れば、20:00までには家に帰れるだろう。
スマートフォンで時計を確認する。
時間は19:29だった。
電車の到着を知らせるアナウンスが流れる。
私はベンチから立ち上がり、6号車の第2扉の前に立った。
この駅から私の家までは、1本の電車を終点まで乗れば歩いて5分ほどで着く。
電車が来た。
私はドアをくぐり、近くにあったオレンジ色のソファに腰を下ろす。
ちょうど私以外にこの号車に乗っているものはいなかった。
再びスマートフォンを手に取り、先ほど連絡先を交換した彼とのチャットを開く。
案の定何も会話はしてないので、表示されたのは飾り気のない水色の画面だった。
青年のLINEの名前は「宮本 優」だった。
本名だろうか。
アイコンは綺麗な夕日の写真。
なんとなく彼のvoomも見てみたが、特にこれといった投稿はしていなかった。
私は緑色の「フォロー」ボタンを押し、スマートフォンを閉じる。
そしてソファに深く寄りかかり、瞳を閉じる。
そして考える。
考えるのは、もちろん「あなた」のことだ_
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