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女子1「ね〜瀬戸くーん」せと「んあ?」


見た目的に昨日の子。胃もたれしそうなくらい甘ったるい声で瀬戸くんに話しかける。瀬戸くんは誰にでも優しいから、多分体調不良になりがちな私を心配する思考を勘違いしちゃってるだけだと思う。


せと「体調、大丈夫なんだよな?」

みく「うん、だいj…」

女子1「瀬戸くぅん、この子仮病使ってるらしいよ〜」

せと「はぁ?」


あーもうめんどくさい。わざとらしいボディタッチで瀬戸くんの肩を触りながら私の方をにやっとした顔でみる。瀬戸くんも突然のことで困惑しているのか、私の顔と隣の女の子の顔を交互に見ている。


女子1「この前早退してたじゃん?その日の放課後外歩いてるの見たって子がいてさ〜」

せと「え?」

女子1「その次の日も普通に学校来てたし、前からそんなに体調悪くなるわけないと思ってたんだけど」

せと「……まじ?」


ごめんなさい、今日は仮病を使わせてください。


みく「やっぱり保健室行ってくるね……」

せと「え、一人で行けんの?!」


瀬戸くんの声を背中に聞きながら、私は保健室への道を早足で進んだ。特に体調は悪くないけど、今あそこにいたら本当に体調が悪くなってしまいそうだし、何よりいたくない。目の前で悪口を言われているようなもんだ。


みく「失礼します……」

バブケ「あれ、いらっしゃい」


保健室には先客がいた。確か羽生はぶくん、だっけ。人の名前を覚えるのが苦手な私にとって、珍しい名字はありがたい。


みく「吉野先生は……?」

バブケ「今職員室、すれ違わなかったんですか?」

みく「う、うん……」


ちょうど入れ違いになっちゃったんだ。まぁいいや、と机の上に置いてある紙をとって記入を始める。体調悪くないし、正直に書こうかな。

教室でありもしない噂を流されて、居心地がとても悪い、っと。


みく「羽生くん、はどうしたの?」

バブケ「バブルでいいですよ、ちょっとお腹痛くて。」

みく「腹痛、やだよね……私は腹痛より頭痛になりがちだから、たまにくる腹痛ほんとに辛くて。」

バブケ「いや、腹痛ほんとに辛いですよね」


お腹をさすりながら天を仰ぐバブルくんは苦しそうに笑う。あ、これほんとに辛いやつだ。


バブケ「頭痛いんですか?」

みく「えっ?」

バブケ「いや、なんできたのかな〜と思って」

みく「あ〜、ううん、頭は痛くないよ。ちょっと教室に居たくなくて……」

バブケ「あぁ〜…2組でも噂になってますよ」


さっきとは打って変わって机に手を伏せるような姿勢からこちらを見てふわっと笑う。バブルくん、思ってたよりふわふわしてて可愛いな。

そんなふうに話していると、吉野先生が帰ってきた。私を見て少し驚いたような顔をすると、対面の椅子に座って話しかけてくる。


吉野「みくちゃん来てたの?大丈夫?」

みく「あっ、紙……」

吉野「うんうん、なるほどね。ここで話せそう?」

みく「はい……」


まぁ、バブルくんいるけど……。噂については知ってるだろうしいいよね。

一通り吉野先生に噂の概要を話す。口に出して、改めて根も葉もない噂すぎて苦しくなってきた。段々と声が小さくなり、目に涙が浮かんでくる。


みく「先生、私……」

吉野「大丈夫、落ち着いてからでいいからね。」


隣の席に移動してきた吉野先生が背中をさすってくれる。涙を拭い、全部話し終えたあと、バブルくんの方を向いてごめんね、と一言謝った。バブルくんは驚いたような顔をしたあと、優しく頭を撫でてくれた。


授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、憂鬱な気持ちが戻ってくる。保健室にいられるのは1日1時間。つまり教室に戻らないといけないのだ。


吉野「どうみくちゃん、羽生くん、教室戻れそう?」

バブケ「僕は戻れます。1人で戻れます?一緒に戻る?」

みく「ん〜、じゃあ一緒に戻ろうかな……」


戻りたくないけど。戻らないことも出来ないし。次の授業、英語だっけな〜。

席を立ち、保健室から出ようとした時、保健室の扉が開かれる。


らん「美紅ちゃん大丈夫?!」

みく「わっ」

バブケ「びっくりしたw」

らん「あれ、バブケもいるじゃん!どうしたの?」

バブケ「腹痛です。今から教室戻ろうとしたところで。」


勢いよく入ってきた藍ちゃんに吉野先生が静かにね、と優しく笑う。

こうして、腹痛で保健室にいたバブルくんと私、そして何故か保健室まで迎えに来てくれた藍ちゃんの3人で3年の教室へと足を運んだ。


らん「教室、戻りづらくない?大丈夫?」

みく「ん〜、戻りづらいけど、戻らないといけないし」

らん「それはそうだよね〜。私らは美紅ちゃんの味方だから安心してねっ!」

みく「うん、ありがとう藍ちゃん。バブルくんもありがとう」

らん「えっ、バブルくんって呼んでんの?!」

みく「うん」


口に手を当てて、わー…と声を出す藍ちゃんに少し首を傾げながら、放課中でザワザワしている3年の廊下に行き着いた。

クラスの違うバブルくんに手を振り、教室に入る。まぁ、朝と変わらず地獄みたいな状況だったけど、藍ちゃんが味方でいてくれる、と思うと少し気が楽になった。

すれ違う体温【完結】

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