私がこの幼子を連れていくことになったのは、この幼子の両親から、この幼子を買ったからである。
私は人身売買を生業としている。だから生きて行くために幼子を買ったのだ。花一輪の値段で。
この幼子は、私が買った。だから、他の誰かがまた買うのだろう。
幼子を、年端もいかないような子を、私は買うしかないのだ。
考えているうちに、隣の町へ着いた。もう、離れなくてはいけないことを分かっていてもなお恐怖や不安が勝つのだろう。
ただ、この幼子は一寸違った。その目が、その仕草が、年端もいかないような子だと思えなかった。
第2話~END~
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