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俺は完全に人気がいない所へ2人を連れてきた。
「ごめんね。急に。」
俺は2人へ謝る。
2人は黙って俺を見ていた。
「ねぇ、なんで分かったの、人間が来ること。それにどうやってこんな綺麗に俺の傷治したの。」
手当をした子に率直に聞かれる。
「……。」俺は黙ってしまった。
威嚇をしていた子に
「光ってたよな。手当の時。あれ、何なんだ。お前は人間の姿をしていてなぜあんなのが出来る。」
俺は静かに、2人へ話すことにした。
幼い頃から俺は力があった。
転んでも鼻血を出しても一瞬ですぐに治る。
また人が近付く時もすぐ分かってしまう。
そんな俺を周りは気味悪がっていた。
だから親戚をたらい回しにされた。
こんな気持ち悪い子、家にはいらない、と。
俺は人間じゃない、そう思うようになった。
やっと大人になった今選択肢が増え、一人暮らしを選んだ。
早く家を出よう、そうしないと迷惑がかかる。
俺は働きながら学校へ通い、一人暮らしがスタート出来るくらいにお金を貯めた。
幸いにも親戚は学費や食費は出してくれていた。
食事は一緒に取ったことはないが。
そこだけは感謝だった。
社会人になりこの力な周りに隠さないと、そう今でも思っていた。
現在も上手く隠して生活している。
あまり日常的には頻繁に出てこないが、不意にこの能力が出てしまう時もあるから慎重に。
そんな日々を繰り返しているうちに俺は他人が信じられなくなっていった。
学校も1人、社会人になった今も1人。
仕事でコミュニケーションは取るが飲み会やプライベートで会う事は一切しない。
だから1匹狼、愛想はいいのに残念な人、冷たい、などと言われている。
でもそれでいい。俺は周りを信じられないから。
どうせ仲良くしてもこの能力を知った途端突き放す。
なら最初から信じない方がいいじゃないか。
俺はこの2人と同じ、安易に心を開くのを辞めたのだ。
「話してくれて、ありがとう。」
手当をした子にそう言われる。
「そ、そんなんで、仲良くなれるとでも思うな……。」
威嚇をしていた子には厳しく言われてしまった。
「若井。」と元貴が睨む。
若井と呼ばれた子はむっとした顔して黙った。
「俺、元貴。こっちは若井。君はなんて言うの?」
そう聞かれ、
「涼架。」と静かに答えた。
「りょうか……綺麗な名前だ。ね、りょうか。俺ら付いていきたい。りょうかに。」
元貴にそう提案された。
若井の方はちょっと不服そう。
元貴には逆らえないのか。
まだこの2人の生態をよく分かっていないのに何故か「いいよ。」と返してしまった。
何故了承したのか分からない。
境遇が似ているからか。
「ねぇ、君たちのこともちゃんと教えて。」
そう2人を見て言う。
「分かった。」
元貴がそう言って目を瞑った。