前回のあらすじ
ぺいんとはキモおじに犯されたらっだぁを救出した!(激短あらすじ)
ぺいんと視点
あれから丸一日。らっだぁは気絶したまま目を覚まさない。
帰ってきたあとは意識のないらっだぁを慎重に風呂に入れ、綺麗にしてからベッドに寝かせた。
俺はほとんどの時間ずっとベッドの横に座り、らっだぁの手を握っている。
(目を覚ましたら、まず謝って、ぎゅってして、一緒にご飯食べて、)
彼が目を覚ましたらすることを考える。
夜も更けてきて、だんだんと瞼が重くなる。
次に目が覚めたら彼も起きていることを願って、ベッドの端に頭を沈めた。
らっだぁ視点
「…………ん…、」
徐々に意識が浮上してきて、視界が輪郭を描き出す 。
(…あれ、俺確か…)
記憶を辿ると、あの悍ましい光景が脳裏に浮かんだ。
「はっ…!?」
慌ててガバッと 起き上がると、そこはぺいんとの家で、俺がいつも泊まらせてもらってる部屋で、ふかふかのベッドの上だった。
(そっか、俺ぺいんとに助けてもらったんだっけ…それで、気ぃ失って…)
「ん、らだぁ…?」
声がしたので横を向くと、ぺいんとが目を擦っている。
「ぁ、らだ!?起きたの!?よかったぁ〜…お前丸一日寝てたんだよ?もう起きないんじゃないかってヒヤヒヤしたよ…」
ぺいんとは涙目でほっとした顔をしている。
…そうだ、言わなきゃいけないことがある。
こんなことになった原因。
「ごめん!!ぺんちゃん!!俺記念日ド忘れしてて、ぺいんとがせっかく心込めて用意してくれた好意を無下にした、ごめん。俺、最低野郎だよな」
「いい、いいんだよもう、俺こそ言い過ぎた、ごめんね」
ぺいんとはふるふると首を横に振り、優しく許してくれた。
「ありがと、ぺんちゃん。…あと、助けてくれてサンキュな。いやー、死ぬかと思ったわ!ぺんちゃんのおかげで助かった!ガハ!」
口角を無理やり上げて笑うと、ぺいんとは酷く悲しい顔をした。
「ぺんちゃん?」
…ギュ。
ぺいんとは静かに俺を抱きしめる。
「無理して笑わなくていい。繕わなくていいから」
「…………ッ、」
じわ、じわ、と涙が溢れ、ぽろぽろと頬を濡らしていく。
「…..こ、こわかった“ぁ…!」
「うん、こわかったな」
ぺいんとは俺を抱きしめながら優しく頭を撫でてくれた。
「やだっていったのに、グスッ、とまってくんないし…っ、ぺいんと以外のやつに、あんなことされたくなかった、っ…ヒック」
「そうだよな…辛かったよな。助けるの遅くなってごめんな」
ぺいんとも声を震わせている。
「ううん、ぺいんとが来てくれてうれしかった。俺、見捨てられてなかったって、…っ」
「見捨てるわけないだろ。大事で大好きな恋人なんだもん」
涙が溢れてとまらない。やっぱ、好きだなぁ。
「…ねぇ、仲直りしよ?」
「うん、」
「そんで、記念日リベンジしようよ」
「うん…っ」
抱き合って、笑い合って、仲直り。
それから、夜中だけどケーキと唐揚げをウーバーした。当たり前のように俺の好物を頼んでくれるので、「ぺんちゃんの好きな物も頼もうよ」と言ったら、「お前の好物は俺の好物」とか言われた。
こうして、波乱の記念日は幕を閉じたのだった。
おわり!
コメント
10件
ガチ目に最高…✨️ できたら、後日の記念日バージョンも書いてほしいなぁ…なんて…👉👈🥺