「あ・・・ありがとう・・・遠慮なくいただくわ・・・そ・・・それじゃ 」
「今日は車ですか?」
ポヤポヤな顔で首をかしげて聞いてくる、彼のまとう空気はどことなく優しくて私はつい正直に言ってしまった
「ううん・・・今修理に出してるから、今ならタクシー乗り場まで行ったら拾えると思うから」
本当はドラッグストアで買い物もしたかったけど、タクシーで寄ってもらうわけにはいかない、私は家のシャンプーのボトルが底をつきたのを思い出した、すると彼が言った
「同じマンションですし!よかったら僕が愛車で送りますよ 」
驚いて結局吸い寄せられるようにまた彼の方を見た
「ええ?そんな悪いわ!一人で平気よ 」
「でもそんな花束持ってたら目立ちますよ、てっきり車だと思ってたから、ちょっと取ってきますから待っててください 」
そう言った彼にしばらく待たされた、途端に不安になる、どうしよう・・・男の人と二人っきりで車に乗るなんて・・・
しかし目の前に現れたのは、グリーンのオールラウンダーハンドルの自転車だった
「ママチャリも捨てたもんじゃないですよ、渋滞の時なんて車より早く着くんですから」
彼が笑った、太陽に照らされたようにまぶしく感じた、その笑顔が純粋でなんともかわいい・・・
なんだか私は気持ちが明るくなり、何日かぶりの笑みを浮かべた
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