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不思議な光景だった、抱えきれないほどの花束を持って私は、自分が以前に車で轢きかけた男の子の自転車の後ろに乗っていた
「こういう話ができるチャンスは、こないだろうとあきらめていたんです」
彼が自転車をこぎながら言った
「そうなの?でもあなたは同じマンションだから私はすぐにどこかで会うと思っていたわ」
彼が優雅に自転車のペダルを踏んで、その勢いでグングン自転車はスピードをあげる、私は片手に花束を持って片手で自転車の荷台を持っていた。そして彼に触れないようになるべく荷台ギリギリに離れて後ろに座った
なで肩に掛けているショルダーバックが、ずり落ちてくれけど両手がふさがっていて治せない
「ちょっと・・・あんまりスピードを上げると怖いわ・・・お花を持っているし・・・ 」
「え?ああ!すいません 」
急に彼がブレーキを踏んだものだから、車体がつんのめって思わず私は彼にしがみつく感じになってしまった片手には大きな花束が揺れている生花の良い匂いがする
彼が笑った、つられて私も笑った危ないから自分のウエストに彼が私の手を回した、仕方がなく私は自分の手をそのままにした
「本当にあのカレーライスは絶品でした」
彼は力強く自転車を漕いでいく
「私は料理が好きなの」
「やっと共通点が見つかりましたね」
私は驚いて言った
「まぁ!それじゃあなたもお料理するの?」
「いいえ 僕は食べるのが好きなんです」
私は声をあげて笑った
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