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時間の流れは残酷で、約束の週末がやって来た。

「おはよう倉持君。じゃぁ行きましょうか。」

逃げようとも考えたが結局かぁちゃんに捕まり高島さんに引き取られ、電車にのってしまった。(因みに現在の時刻(電車に乗った時点で)七時半。)

「‥‥何で俺なんすか?」

揺れる電車の中で俺は高島さんを見た。

「それは、どういう意味?」

「‥‥俺よりも優秀な選手はたくさんいるでしょ。」

顔をそらすと、高島さんは静かに答えた。

「あなたのプレーを観たとき、驚いたわ。サードがはじいたライナーを飛び込んでとったときは鳥肌がたったくらいよ。あのプレーを観たとき、直感的にこの子はうちに来るべきだと思ったの。」

「ヒャハッなんすかそれ。」

そんなことをいっていると駅についた。

駅を降りると、太田部長がいて車で青道についた。

今日は稲実との練習試合らしい。

「とりあえず監督にあわせるわね。」

大人しくついていくが、周りからの視線が痛い。丁度試合のはじまる前らしい。3年生はもう引退したらしく、新チームでの試合らしい。亮さん達はまだ二軍らしくグランドの横にある道路にたっていた。

「片岡監督!」

試合前なのに高島さんはグランドに俺を引っ張って入っていく。

「この間言っていた倉持君です。」

高島さんに前へ突き出され前を向くと、監督と目があった。

「‥‥‥‥‥‥‥‥。」

「‥‥‥‥‥‥‥‥。」

沈黙が続き気まずい雰囲気が流れる。

「‥‥えっと、倉持洋一です。」

「監督、彼は戦力になります!2試合目、出していただけないでしょうか!」

「は!?」

高島さんの言葉に思わず声を上げる。周りで試合の準備をしていた選手たちがこちらに注目しているのが分かる。

「何言ってんすか!?俺は高校で野球はしないって言ってんのにあんたが勝手に連れてきたんでしょうが!何で試合に出るように進めてんですか!」

「お願いします!この子は本当にすごいんです!」

俺が反対してるのに高島さんは監督に頭を下げた。

「倉持といったか。」

「はっはい!」

「次のs「あー!倉持洋一!」」

「へ?」

監督が話したかと思ったとき、その言葉にかぶさるように向こう側のベンチから声がとんできた。

驚きながら相手ベンチを見ると、見覚えのある顔が揃っていた。

「やっと見つけた!」

そう言いながら近づいてくるメンバーは、成宮、カルロス、白河だった。

「お前!稲実の推薦けったんだって!?」

「‥‥‥何でここに居るんだよ成宮鳴。」

「そりゃぁ青道との試合を見に来たんだよ。てか洋一!稲実来いよ!青道なんかよりもいいよ!カルロたち以外にも誘ってんだけどお前が揃ったら最強だ!なぁ、俺達と野球しようぜ!」

成宮は監督の目の前にも関わらず俺を稲実に誘ってきた。

「あー悪い。俺野球高校でやるつもり無いんだよ。」

「はぁ!?何で!お前あんなに上手いの‥‥いでぇ!」

「すみません片岡監督。厳しく言っておきます。」

成宮がいきなり頭を抑えたかと思うと後ろから稲実の監督がやってきた。

「いえ、こちらこそ試合開始を遅らせてしまっていてすみません。」

「いえいえ。それより、」

稲実の監督は俺をジロっと見ると監督に視線を直した。

「片岡監督。こちらの倉持。次の試合出してもらえませんか?」

「いいんですか?」

「ええ。我々も狙っているのでね。彼の実力を生で見てみたい。」

「分かりました。」

「は?!ちょっと待ってくださいよ!俺道具なんて持ってきてないし、高校で野球はしないって、」

「知っている。が、高島さんが頭を下げてまで試合に出させたがるお前のプレー。興味がある。道具、ユニホームは部のを使え。」

俺の話に聞く耳持たずな監督は試合を了承し、二軍のショート以外の先輩にアップするように指示を出した。

「ちょっ!」

「はいはい君も行くよー。」

オレは亮さんに引きずられ試合に出ることになった。

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