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こんばんは! なつほです!
未だハート10個もらってないけどつづきかきたくなったから書きます☆
注意事項
・語彙力皆無 ・誤字脱字あり ・全伽羅情緒不安定 ・御都合展開多数存在 ・色々イカれてる
注意書きは読んだかな?
それではいってらっしゃーい
_俺達は、この村の生まれではない。
近くの山でひささんに拾われたんだ。
其の頃は俺は三歳、楓は一歳の赤ちゃんで、俺もまだ、物心がついてなかった。
俺達が拾われた日は、桶の水をひっくり返したような土砂降りの雨だったらしい。朝は雨が降っていなかったから、食糧集めに向かっていた遭難者が何人も出て、沢山の人がその遭難者を探しに山へ行ったのだそうだ。
その日遭難していたひささんは、雨の中只管(ひたすら)に歩を進めて山を下っていた。
「おぎゃあぁああ、ああああ・・・」
・・・突然近くで赤子の泣き声が聞こえた。泣き声に反応して声のする方へ行ってみると、俺が楓を抱っこして立っていたそうだ。
泣き声の主は無論楓。
近くに親らしい人もいなくて、俺達を孤児だと解釈したひささんは俺達を連れて下山した。
それが、俺達とこの村の出会いだった。
村の人は俺達に優しかった。
見ず知らずの俺達を本当の子供みたいにかわいがってくれた。
俺はその人たちに感謝している。
血のつながりは無くても本当の家族だって信じてる。一生言わないと思うけど、勿論楓だって本当の妹みたいに思ってる。
「っはぁっ・・・はぁつ・・・」
村に到着した。
肺の痛みを押さえながら俺は顔を上げる。
「・・・ッ、・・・」
村の建物は大炎上。家は燃えてどれがどの家なのかさえ判別がつかない。
_近辺に転がる黒いモノは、人の焼死体だろうか。
目からぬるい水がこぼれだした。それを涙だと理解するのには時間がかかった。
_がたん。
「「!?」」
後ろで瓦礫が動く音がした。
見ると、其処には大きな狐が仁王立ちしていた。
この狐は、俺が知る狐と異なる部分が沢山あった。まず毛の色が違う。山吹色のはずの毛並みは、空色一色。三角の耳は縦長で、目はまるで糸の様に細い。そして何よりでかい。身長が二メートルは優に越しているのではないだろうか。
この狐は炎の玉を口から吐き出していた。吐き出された炎が当たった瓦礫はたちまち燃えて、黒ずんだ廃と化した。
此奴が・・・この村を燃やしたのか・・・
無意識に楓の手を握る力が強くなる。
止まった涙のかわりに、今度は再び冷や汗が体を滑る。
狐は俺達に気付かないまま呪うようにブツブツと何かを呟いている。
「どこだ・・・どこに・・・一体・・・」
「どこに」・・・?何かを探しているのか?
体中が硬直して俺は瞬き一つできなくなった。それは楓も同様。重い沈黙が流れる。それを破ったのは、後ろから聞こえてくる誰かの言葉。
その瞬間、素早いナニカが風の様に俺の真横を前から後ろに通り過ぎた。
そのナニカが通り過ぎた先をに目を向ける。
其処には、見知らぬ青年が、楓を抱えて立っていた。
「やめろ!はなせっ・・・」
楓がじたばたと暴れても、青年は微動だにしない。その代わり、面倒くさそうにため息を一つついた。
「あー、もう五月蝿いねぇ。おとなしくしててくれたら手荒な真似はしなかったのに・・・ちょっと眠ってもらうよ。」
_どっ
青年が楓の首に手刀を打ち込んだ。楓はぐったりと力なく青年の体に倒れこむ。
「さて、用事も済んだことだし、そろそろ僕も帰ろうかな。」
そう言って背を向ける青年。俺はその青年に無意識に飛び掛かった。
「うわっと。なんだね少年。悪いけど今予定がつまっててねぇ。」
ひらりと俺をかわした後、青年は体勢を崩さずに俺をまっすぐと見つめる。
青年は目深にフードを被っているから顔がほとんど見えない。でも長い前髪の下から、青年の群青色の瞳が覗いた。
とても冷たい瞳だった。深く、美しいはずの青色なのに、どこか暗い。なにか不気味な雰囲気を放っている。俺は一瞬体が気圧されてびくりと跳ね上がった。
「御前ッ、楓から手を放せ!」
怖気付く気持ちを殺すように、言葉を吐きだす。
青年はさもくだらなさそうに答える。
「え?やだよ?」
「ッ、なんでだ!?」
「・・・彼女は僕等にとって必要なだけ。此れは誰にも譲れない。それだけさ。」
彼の言葉には、感情も何一つない。勿論表情も無表情。眉毛一つ動かさない。
其れとは対照的に、俺は驚愕を表にさらけ出している。
「は・・・っ、そんなために、この村を・・・?」
「あぁ、あれ?あれはちょっとしたミスだよ。ミス。うっかり狐に力を分けすぎちゃったみたいなんだよね~。もうちょっと理性足しとけばよかった。でも別にいいでしょ。僕のストレス解消にもなったし。あんな村、あっても無くても世界は変わんないし、どっちかっていうと得する人の方が多いでしょ?ぎゃくに感謝してほしいくらいなんだけどな~・・・あはは」
彼が当たり前のように吐き出す言葉に、頭が痛くなってきた。呆然としながら、俺はその場に直立した。
「御立腹の所悪いけど、僕は君みたいに暇じゃあないからさ。続きはあいつにしてもらうよ~」
又へらりというと、青年は姿を消した。楓と共に。
彼があいつと呼んだのは後ろで空気の様に待機していた狐の事だ。
青年の会話でなんとなくわかった。あの狐は青年の指示に従う僕(しもべ)に過ぎないのだ。
狐は俺に向かって炎の玉を口から放った。
俺はそんなのをよける気力がなかった。
村を燃やされた。家族を奪われた。自分が今まで大切だったものは全て消え失せた。
_絶望。
今の俺の気持ちはそれ一色に塗りたくられていた。
炎の玉が飛んでくる。
このままぼーっとしてれば、俺の頭は粉砕するだろう。
そんなことを考えた時、どこからか獣の遠吠えが耳に届いた。
「ワォオオオオオオオオオオオンッ」
その瞬間目の前にあった炎の玉が消えた。散り散りになり、ちらちらとまたたきをはなちながら。
「!?なん・・・だ・・・?」
「ガゥァアアッ」
山の上から、銀色の塊が転がり下りてきた。_否違う。山から下りてきたのは、一頭の・・・
「!? 銀狼!?」
銀山から下りてきたのは、一頭の逞しい銀狼だった。
銀狼は狐に間髪入れずに飛び掛かった。
狐は銀狼に押され近くの瓦礫に叩きつけられる。
「がはぁ・・・ッ」
狐の口から紅蓮の液体がこぼれる。
然しすぐさま体制を立て直して口から炎の玉をいくつも吐き出した。銀狼は其れをかわす。
然し、次々と増える炎の玉はそう安易に全てかわせる物じゃ無い。
炎の玉の内一つが銀狼に当たった。
「グァ・・・ッ」
一瞬苦しそうに銀狼がよろける。狐はチャンスとばかりに炎を吐き続ける。
銀狼はよろけつつも素早く玉をよけながら狐に近づく。
其の素早さは残像が見えるほどだった。
狐は銀狼がどこにいるのか分からず目をぎょろぎょろさせながら混乱しているように見える。
狐の背後に銀狼の影が見えた。
銀狼は狐の長い首筋に嚙みついた。
狐は手足を振り回して抵抗するが、急所である首を抑えられているから動きが先ほどと比べて遥に鈍い。
次第に狐は弱っていき、最後には動かなくなった。
銀狼が狐から離れ、俺に目を向けた。
「助けてくれたのか・・・?」
銀狼は黙って俺の目を見つめている。
「・・・御前は一体何者なんだ・・・?さっきの、あの青年とも何か関係があるのか・・・?」
俺の問いに、銀狼は何も答えない。
人じゃないのだから、言葉を介さないのは当たり前。だが、銀狼には俺の言葉が分かるような気がした。
銀狼は俺に近づき、俺の腰に頬擦りした。
「わっ、何だよ御前・・・」
ごわごわした毛皮が顔に当たって擽ったい。
銀狼は上目遣いに俺を見つめると、黙って俺に背を向けた。
そしてどこか遠くに向かって歩いて行った。
やがて、銀狼の姿は見えなくなった。 途端、ドッと疲労が襲ってくる。 突然の疲れに耐え切れず俺は地面に膝をついた。
「あッ・・・なん・・・だ・・・?」
視界がぼんやりする。頭が痛い。 猛攻に耐え切れず、俺は意識を手放した。
次に目が覚めた時、俺は知らない部屋にいた。
俺はベッドの上で寝転がっていた。御叮嚀(ごていねい)に掛布団までかけられて。部屋には俺が寝ていたベッドとドアしかない。壁は一面白いコンクリートで固められている。
「此処は何処だ・・・?」
空中に向かって問を投げかける。返事は無い。 と、思っていた。
「此処は我等の本拠地さ。」
「わッ!?」
がちゃり、と音がして目の前のドアから一人の青年が入ってきた。
偶然俺と青年の視線がぶつかる。
・・・俺が此の青年に感じた第一印象は、「見た目がちょっと個性的な人」だった。
右目には眼帯。前髪の下にはぎょろっとした大きい左目が覗いている。そして男性にしてはかなり長い襟足を項(うなじ)の後ろで束ねていた。フードの男より、其の佇まいから五歳以上若く見えた。
常人なら不格好な服装も髪も、其の整った顔と長い脚だと、不思議と様になって見える。
彼は無言の俺に人懐っこいさわやかな笑みを向けた。
「やぁ、少年。目覚めの気分はどうだい?」
此処で切ります! 続きはまた次回!
それじゃあ、またね!
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