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なんだかんだ言って小学校時代の初恋引き摺りまくってる未練タラタラ十代前半ホモ・サピエンス、なつほです。
授業中頬杖ついてたら思いついた第三話、すたーと。
注意事項
・主人公が滅茶苦茶狂ってる。 ・監禁、暴言、暴力表現あり ・通報しないでくださいね!? ・フィクションです!
・誤字脱字あり ・御都合展開多数存在 ・語彙力皆無☆
「やぁ、少年。目覚めの気分はどうだい?」
「・・・・・。」
目が覚めたら、知らない部屋にいた。そして知らない青年が部屋に入ってきていきなり話しかけてきた。
「気分はどうだい?」って・・・そんなの・・・。
俺は思ってる事を素直に吐き出した。
「・・・困惑、してます・・・。」
俺の目線が下に落ちる。
青年は俺の答にふっと笑みを漏らし、どこから取り出したのかわからない近くの折畳椅子に腰を下ろした。
「そっか。突然連れてきてしまってすまなかったね。そりゃ困惑するワケだ。うん」
細長い脚を組みながら青年は一人で納得した。 ・・・此のポーズもまたやけに様に成っている。
「僕の名前は虎白雹(こはく ひょう)。宜しくね。少年。」
そう言って青年_雹さん_は俺に手を伸ばした。・・・握手だろうか。
「・・・宜しく御願い・・・します・・・。」
俺は雹さんの手を握った。想像よりも角ばった手だった。
「少年、名前は?」
「あ・・・優裏・・・です。」
「ゆうり?漢字で何て書くの?」
「優しいに裏って書きます・・・」
「ふーん、ユウにリで優裏・・・成程ね。理解理解」
手のひらにぽんとぐーをあてて雹さんは理解を示した。
「うり君って呼んでいい?」
うり・・・?もしかしてゆ〝うり〟ってことか・・・?
「大丈夫・・・です。」
独特なあだ名の付け方に驚いた。 本人には絶対に言わないけれど。
「・・・。・・・。」
それっきり沈黙。黙って布団をいじる俺に彼は再び話しかける。
「うり君? 如何かした?」
「・・・あの、一つ・・・質問して良いですか?」
「ん?いーよ。何~?」
俺は口を開いた。同時に、顔も上げる。また雹さんの水色の瞳と目が合った。
俺は一息に言葉を吐きだした。
「何故俺は拘束されてるんですか?」
・・・起きてすぐに気が付いた。足首にまきつく鎖の存在を。
掛布団を少しめくったら鎖で黒い鉄球が片足に二個ずつつながっていた。人の頭ぐらいの大きさで、一つだけでもとても重いことが触らなくても解る。
此れが有ると歩けないから行動範囲がかなり狭くなる。俺はこの部屋から出られないということになる。
雹さんは其れに気付いてるはずなのにへらへら喋っているから不気味だった。冷や汗が止まらなかった。
手に汗を握る俺とは対照的に雹さんはにこやかな笑みを顔に張り付けている。
「それ?まぁ気にしなくていいよ。君には関係ないし。」
「関係あります・・・。この拘束されてる足は俺の足なんだから。」
食い下がっても雹さんは一考に答えない。のらりくらりと御茶を濁す。
「俺は何か罪を犯したんですか? だからこの部屋に監禁されてるんですか?」
汗の粒が額を伝う。雹さんは椅子から立ち上がってドアノブに手をかけた。声の調子は何も変わらない。
「・・・僕からはまだ言えない。全ては何時か分かるさ。君の生存も確認できたし、僕は此れで。」
雹さんはそう言って部屋を出た。
真っ白い空間に、俺だけがぽつんと残された。
俺の腹の中で何かがぐるぐると渦を巻いている。とてもどす黒い、世辞にもキレイとは言えない何かが。
・・・故郷は壊滅。大事な友人は何者かに攫われた。そして目覚めたら知らない場所で拘束?
「はッ、悪趣味な冗談だ・・・」
俺はまるで_暗闇の中に一人閉じ込められた気分になった。
そう。暗い闇の中で唯独り、取り残されたような・・・。
「・・・」
気付けば、顔は汗と涙でびちゃびちゃになっていた。
_ 俺が此の個室に来てから、十五日が経った。
俺は此処半月雹さん以外の人物と話していない。顔も見てない。
そんなある日、雹さんが何も言わずに俺の足枷を外した。
「ひょう・・・さん・・・?」
口から声が漏れる。
永久に外されることがないと心のどこかで諦めていた鎖ががしゃんと落ちた。
「うり君、一寸こっち来て。」
雹さんが部屋の出入り口の前で手招きをする。
軽くなった足で、俺は言われるまま雹さんに近寄る。雹さんが部屋を出た。 俺は彼の背中を追いかけて部屋に繋がっていた廊下を歩いた。
廊下は横に大人が五人くらいならんで歩けるくらいの広差で、壁には彫刻 床は赤カーペットという豪華な装飾が施されていた。
五分弱廊下を歩いたあたりで雹さんは一つのドアの前で足を止めた。
俺が入っていた部屋のドアより一回り二回りと大きい焦げ茶色い木製のドア。
雹さんはそのドアを開け、俺と自分を部屋に入れると、中からがちゃんと鍵を閉めた。
ドアの向こうの部屋は、想像より広い部屋だった。
部屋に入った途端、初対面の人の視線が体を刺す。其の鋭いことに肝が冷えた。
俺は雹さんに促されるまま部屋の中央に位置する椅子に腰を下ろした。
「あの、ここでは一体何を・・・?」
「其れではこれから、会議を開始します。」
俺の問いが言い終わるか言い終わらないかくらいに、聞きなれない女性の声が聞こえた。
「は・・・?会議・・・?なんの・・・?」
声がした方を観ると、アプリコット色の髪の女の人がパイプの折畳椅子に座っていた。
「司会進行役は、代理でぼく・・・ゴホン、私、調(しらべ)興(こう)知(ち)が務めさせていただきます。」
彼女はそのまま丸眼鏡のブリッジをくいっと知的に挙げる。其の儘淡々と横に立っていた青年に指示を出した。
「志那(しな)都(つ)君、報告書の朗読を御願いします。」
彼女の隣に待機していた志那都と呼ばれた青年が二、三歩前へ出た後資料を取り出す。
「はい。報告書を一部抜粋して読み上げます。優裏少年は、×月●日午前七時ごろ、廃墟と化した村で倒れていました。村の住人は優裏少年以外を残して全滅。村には厖大な〝神力〟を使った跡が残っていました。」
ややたどたどしい敬語で青年は資料を朗読した。
優裏少年・・・俺の事・・・。
曖昧な疑問の中を彷徨う俺に、先ほど興知と名乗った女性が問いかける。
「優裏君。現在志那都君が述べた事に間違いはありますか?」
肩がビクンと跳ねた。 俺はいきなり話を振られると思わなかったから何度も言葉を詰まらせた。
「間違い・・・。 間違い、というか、その・・・先(ま)ず俺には何の話をしているのか分からない、です・・・。」
俺は身を縮こまらせながらぼそぼそと思った事を正直に話した。
恐る恐る興知さんに目を向けると、無表情のまま俺を真直ぐ見つめていた。
「そう。分かった。・・・優裏君。今君は我々の組織の会議に参加しています。参加理由は十五日前のあの事件が関わっています。」
「???・・・事件って何の事件・・・?」
声が震えた。興知さんの表情は微動だにしない。
「狐(コ)小空(コカラ)村です。壊滅されたでしょう。丁度(ちょうど)十五日前に。・・・もし、君が村の住人を殲滅した張本人だとしたなら、それ相応の罰を下さなければならなくなる。」
「・・・っ・・・!」
興知さんの台詞に、十五日前の出来事が頭の中でフラッシュバックした。
蘇る十五日前の記憶。
家だった瓦礫。村人たちの焼死体。炎を吐く狐。
頭の中で記憶がまるでDVDの様に流れる。
其れがが後半に差し掛かった時_
_「みーつけた。」
「ッ、あ、ぁ・・・」
フードの男の肉声が耳に届いた。気がした。
彼は楓を抱えている。
・・・楓が攫われる。
助けなきゃ・・・楓と離れ離れになってしまう。
また、独になってしまう・・・
頭では分かるのに体が動かない。
まるで縄の様な物で縛り付けられてるみたいだ。
「あ・・・ゔぅ・・・」
口からかすれた音が出る。
こめかみから汗がだばだば流れ出て、顎を伝う。
視界がぼやぼやして焦点が合わない。
「やめろ・・・俺から何も奪うな・・此れ以上・・・」
息が荒くなってきた。
そんな中ずっと俺の頭にちらつくのはあのフードの男の不気味な冷笑。
「ゔ、ああああああ・・・ゔうぅううううぁあああああ」
誰かの声が聞こえる。
耳を塞ぎたくなる程嗄(しゃが)れた声。言葉に表せないくらい悲しみと憎悪に沈んだ声。
「独にしないで・・・独にしないで・・・あああああああ・・・」
壮絶な吐気と眩暈に身体を支えられなくなって俺は床に膝をついた。
「ッおい!? 大丈夫か!?」
先刻報告書を読んでいた人が床でのたうつ俺に近寄る。
「あぅっ・・・ぐるじっ・・・」
耳鳴りがきーんと激しい音を立てる。頭痛が非道くなってきた。
_どぷん・・・
其の時、身体の一番深い所から、何かが漏れ出る様な感覚が全身を駆け巡った。
「は、ぁっ・・・なにこれ・・・」
身体の熱りが一気に倍に成った。
火が付いたように腹が熱い。
「ッぐるじ・・・っ・・・たすけ・・・」
「なつひこ!うり君を止めろ!」
遠くから雹さんの声が聞こえた。 其の声に反応して先ほど俺に近寄った男性が手を振り上げる。
「ちっ。悪く思うなよ、!」
「・・・は・・・ッ?」
_どっ
俺のみぞおちの辺りに、彼の拳が減り込まれた。
「かはっ・・・」
俺の視界が真っ暗になった。
はい。三話終わりです。
最後まで読んでくれて有難う。
ハート、コメント、フォローよろしくね。
それでは続き乞うご期待。
次の話はハートが「2」になったら投稿しようかな?
それじゃあまたね~。