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あっと視点
“どうすればよいのだろう”
それが、最近の悩みだ。
ちぐのことが好きだと自覚し、どうすればよいのか、分からないのだ。ちぐと一緒に歩いてても、何もいい案は思い浮かばないし、かといって、一人で帰ったりするのは違う気がする。
「何ですか? 浮かない顔をして。折角の美形が勿体ないですよ」
「…るぅとくん、それ友達の立場としてあんまり言わないと思うよ…」
ちぐが友達作りに励んでいた為、俺も新しい友達をつくってみた。
実際、交友を広めていった方が何かと約に立つと思うので、損はしていない。
「事実ですので」
「…そっか」
新たにつくった友達、るぅとくんはちぐを除けばよく話すような関係になっていた。だが、感が鋭いので俺が悩み事をしているのを、薄々ながら感じているのだろう。
「るぅとくん、俺が何で浮かない顔をしているか、分かる?」
ダメ元で聞いてみた。周りの目からしたらどう見えるのか、というのが気になっただけで、別に答えなくてもよかったのだが、るぅとくんは真剣に考えてそれを口にした。
「うーん、そうですね…、恋の悩み、とかですかね」
驚いた。まさか、本当に当てられるとは。
「その顔、ドンピシャですね」
「否めないな…」
一人で反省していると、ある提案をしてくれた。
「思い切って、口にしたらどうですか? そしたら、いつもの綺麗な顔に戻ると思いますよ」
「そう、なのか…?」
俺が半信半疑だと恐らく分かった上で、理由を説明してくれた。
「はい。僕も実際にやったことがあるので、効果は保証しますよ」
「…ちなみに、それは恋の悩みだったのか?」
「そうですよ」
「その恋は…」
「無事、実りました」
質疑応答をしていると、本当に効果があるんだと感じられる。
「ちなみに、お相手は…?」
「莉犬です」
「ど、同性!?」
またもや驚いてしまった。まさか、この学校に、同性恋愛をしているとは、微塵と思わなかったから。
「はい。あっとくんは、恋愛は異性同士でないと、駄目だと思いで?」
「いや…、そういうわけじゃないけど…」
ここで肯定したら、俺がちぐに恋をしていることが、嫌になっているだろう。
「まあ、別にそんなこと思っているとはないと、分かってたんですけどね 」
「別に…、俺は他人の恋にとやかく言う資格はないと思うから」
「素晴らしい考え方ですね」
「そうか?」
「まあ…、親が、同性恋愛をどう思っているか、怖くて言えてないんですけど、僕の親、あまりそういうのを良くないと思っている人で…」
「なるほどな、それは大変そうだ」
八百比丘尼の歴史にある、同性恋愛の話が俺にとって一番分かりやすい例だ。俺もその立場だったら、例え当主でも、反対する者は恨んでいた、と思う…
だが、今は考え方が大分変わっているし、俺は次男で、当主は長男であるぷりが継ぐから、例えちぐと恋愛をしてもさほど五月蝿くは言わないだろうと思う。
「で、あっとくんは誰に恋をしているんですか?」
「俺は…」
結論を言う前に、るぅとくんの目を見た。真剣な眼差しだった。これなら、安心して、るぅとくんに話せる。
「俺は、ちぐが好きだよ」
「…そうですか」
るぅとくんは、自分も、同性が恋愛対象だからか、特にあーだーこうだは言わなかった。
「なら、頑張ってくださいね。僕は、応援してますし、いつでも相談に乗りますよ 」
「そう言ってもらえると、心強いな。俺もるぅとくんが何か、困ったことがあったら相談に乗るよ」
「なら、座敷童子についてでも?」
「一体何に興味があって相談するんだ」
「冗談ですよ。まあ、座敷童子は居ると信じていますけど」
冗談混じりでるぅとくんは俺の気を楽にさせたかったのだろう。
ありがとう…、るぅとくん。
コメント
1件
**第25話、読んだよ!** あっとの「ちぐが好き」っていう自覚、切なくてドキドキした…。るぅとくんが「口にしたら戻るよ」って背中押すシーン、めっちゃいい人すぎて泣ける。同性愛の話も自然に出てきて、二人の関係がもっと深まった感じがした。ラストの「ありがとう」、じんわりきた。次回も楽しみ🔥