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律が腕を支えようとすると、華はふらりと体を預けてきた。
「なんで……なんで財閥のお嬢様がこんなとこでお酒なんか……」
律が呆れ声で言いかけると、華は顔を上げてむっとする。
「だって! だって〜‼」
ろれつが少し怪しくなりながら、子どものように声を張り上げた。
「嫉妬なんかしてないもーん!」
律は目を瞬かせる。
「……嫉妬?」
華は頬を真っ赤にして、潤んだ瞳で律を見つめた。
「……律さん! 私のこと、好きになってよおお‼」
その声は夜の雑踏の中でもはっきり響き、律の胸を深く揺さぶった。