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律は言葉を失ったまま、華の顔を見つめていた。
酔いに任せた告白――それが本気なのかどうか、判断がつかない。
けれど、胸の奥に残るざわめきは無視できなかった。
「……まったく、あなたという人は」
律は小さく息をつき、しゃがみ込む。
「ほら、乗ってください」
「え……?」
華はきょとんとした顔をしたが、次の瞬間には素直に背中へ身を預けてきた。
「わぁ……律さんの背中、あったかい……」
耳元で呟かれ、律の心臓が跳ねる。
夜風が頬を撫でる中、律は華を背負いながら歩き出した。
その胸の奥では、先ほどの「好きになってよ」という言葉が、何度も何度も響いていた。