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気がつくと、朝になっていた。
なんとなく体がダルくて熱っぽい感じがする。
やっとの思いで起き上がって、リビングに行く。
学校に行けそうにないから、母親に学校を休むと伝えて、部屋に戻ろうとした。
「今日、お父さんもお母さんも居ないけど大丈夫?」
そんなことを聞かれたけど、特に心配することはないと思って、首を縦に振るだけして立ち去る。
少し悲しそうな顔をした母親が見えた気がしたけど、気にしないことにした。
学校に行かないで、家にいるだけだとやることがなくて、なんとなく机に向かう。
しばらくすると、一つの曲が浮かんで、白紙の紙に書き込んでいた。
作詞・作曲両方が終わった頃には、いつの間にか少し日が落ちていた。
しばらく、ボーッとしていたら、玄関のチャイムが鳴った。
普段は滅多にならないから、少し驚きつつも、ダルい体をなんとか引きずって扉を開ける。
そこには、莉犬とジェルくんが居た。
「るぅちゃん、体調大丈夫?」
心配そうに言う莉犬。
「無理したらアカンで。」
さり気なく僕の体を気遣ってくれるジェルくん。
こんな二人がそばにいるなんて、僕にとっては幸せなことこの上ないけど、今はそれが余計に苦しくなるだけ。
僕は、
「大丈夫ですよ。」
とだけ言う。
そんな僕に二人は違和感を抱いていたのか、
「るぅちゃん、最近変だよ。」
「何かあったん?俺らが相談に乗るで。」
なんて口々に言ってくる。
相談?今の僕の相談に乗ったって、何も変わらないのに…
僕は気がつくと、気持ちをぶちまけていた。
「簡単に言わないでください!!」
「僕の気持ちは、二人には分からないです!!」
「相談したところで、何も変わることはないの!」
「だから_、僕にあんまり関わらないでください。」
僕の言葉を聞いた二人は呆気にとられている。
「今日は、帰って下さい。」
静かに扉を閉じて、すぐ近くにあった、ソファに座り込む。
「やっちゃったなぁ、」
折角、僕のことを心配してきてくれたのに、あんなことを言ってしまった。
もしかしたら、取り返しがつかないことをしてしまったのかも知れない。
でも、僕は一年後に死ぬから。お互いにとっては、それがいいのかも知れない。
余計に周りを悲しませる必要がなくなる。
そんな事を考えていると、またチャイムが鳴った。
おずおずと扉を開けると、今度はころちゃんが居た。
「るぅとくん、大丈夫?」
純粋に心配してくれることが嬉しい。この前まで、自分は死にたいとか言ってたのに。
「入ってもいい?」
僕は、無言で頷く。
ころちゃんが家に入って、少し無言の状態が続く。
沈黙が気まずくなって、僕はなにか話すために口を開こうとした。
それを遮るように、ころちゃんが言葉を発する。
「るぅとくんは、幸せ?」
急にそんなことを言われて、戸惑ってしまう。
「僕の家族のこと、前に話したじゃん。」
僕は、無言でころちゃんの話に聞き入る。
「家族ともう一度、話してみようと思って。」
「るぅとくんの音色に、背中を押された気がしたんだ。」
「るぅとくんは、幸せ?」
「るぅとくんの音色は、たしかに優しかった。」
「だけど、同時に寂しそうな音色を感じた。」
まさか、ころちゃんに聞き取られるなんて、思ってもなかった。
ころちゃんになら、僕の病気を話してもいいのかな?
それで、離れていってしまったらと思うと怖くて。やっぱり言い出せない。
「僕は_。」
「幸せですよ。」
それだけ言って、また沈黙が続く。
僕は、良い家族に恵まれて、良い友達にも恵まれた。
これ以上、幸せと呼べることはないと思う。
でも、友達を突き放した。
自ら選んだ行動だから_、仕方がない。
「そっ、か。」
「今日は、帰るね。」
ころちゃんはそう言って立ち上がる。
あぁ、友達が居なくなっちゃうのかな?
嫌だ、行かないでッ!そう思ったけど、声に出なかった。
急に動悸に襲われて、視界が歪んでいく。
ころちゃんが驚いて、必死に僕の名前を読んでいる気がしたけど、僕の意識は途切れた_。