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巫女「あの魔法少女さんがあんな状態で帰ってくるなんて……この洞窟も気を抜けませんね……」
雷神「大丈夫だって!だって私がいるもん!」
風神「……」
ここはサファ洞窟。風神、雷神、巫女は巫女の戦闘実践のために来ている。
雷神「んー、でも巫女はどっちかって言うと白魔法の方が得意だからなぁ……」
風神「まあ、私みたいに護身程度に戦えたらって思うけど……私達の基準で教えて良いものなのかな……」
雷神「まあその辺は剣豪君とか見て考えたら良いんじゃない?」
巫女「(確かに神様の基準で見られるのも嫌だけど剣豪さんあたりに合わせられるってヤバいことにならないかな……?)」
その瞬間。
パーン!
乾いた銃声が洞窟にこだました。
風神「『エア・クッション』!」
3人の前を、風神が風の壁で塞ぐ。パラッという音がしたので見てみると、やはり銃弾が転がっていた。
風神「……大丈夫?」
雷神「うん。ありがと。」
雷神は返事もそこそこにして、洞窟の奥を睨んでいた。奥からティロが現れる。雷神はすぐさま切りかかって行った。
巫女「『力の陣』!」
雷神「『避雷針』!」
地面に垂直に刺した大剣に、電気が流れる。しかし、ティロには傷一つついていないように見える。
雷神「くっ……」
すると、突然雷神が消えた。ティロの後ろに現れる。
ティロ「『奇跡も魔法もないじゃない』!」
巫女「雷神様!『守りの陣』!」
雷神の回りをバリアが囲う。無敵の状態で、ティロに近づき、遂にティロを切り捨てた。
巫女「お疲れ様です、雷神様」
バリアを解き、巫女がそう言いかけた瞬間。
雷神「っ……!」
雷神の腕から血が流れた。すぐそばには、血に塗れた弾丸が。
そう。ティロが初めに撃った銃。それがまだ弾を残したまま、洞窟の奥深くに残っていたのだ。そしてティロは奇跡も魔法もないじゃないに紛れてその銃も撃った。距離が遠いせいで雷神のもとに届くまで少し、ほんの少しだけ遅れるのだ。雷神がティロを切り捨て、巫女が守りの陣を解除したその隙を狙い、雷神に当てたという訳だ。
巫女「雷神様!」
風神「『ヒール』……うん、左腕だし弾が貫通してるから大丈夫。」
巫女「申し訳ございません、私のせいで……私がもっとちゃんと見ていれば……」
雷神「大丈夫だって!ほら、この通り!」
雷神が手を開いたり閉じたりして、自分は大丈夫だということを伝える。それでも、巫女の罪悪感は消えなかった。
すると、また奥から足音が聞こえる。反応速度だ。すぐに雷神が向かうが、雷使いでありながら、反応速度に動きで少し遅れをとっているように見える。
風神「(無理もないわ……雷ちゃんは大剣を使うから、その重さの分遅くなるはず……そしてその遅さを魔力……雷で賄っているだけ。それに対してあちらは素の速さが持ち味……さっきの戦いで魔力を消費してる以上、速さじゃあ勝ち目は……)」
雷神「ぐあっ!」
雷神の断末魔が聞こえた。
巫女「雷神様!」
反応速度「さて、残りはお前らか……ヌルゲーだな」
雷神「……風ちゃんと巫女には……手出しさせない!」
ボロボロの雷神が巫女と風神の前に立つ。しかし、その力さえ残っていないようだった。
風神「雷ちゃん!あとは私達でやるよ。」
雷神「……!ちょっと待って!そんなこと……」
巫女「雷神様、あとはお任せ下さい。」
雷神「巫女まで……わかった。」
風神「巫女ちゃん。」
風神は巫女になにやら耳打ちする。
巫女「……承知致しました。」
反応速度が近づく。しかし、その剣も、二人にはかわされてしまう。風で移動速度が上がっているのだ。
そして。
巫女「『スパーク』!」
とたん、光と共に轟音が響く。見事反応速度を倒すことができた。
巫女「……はぁ……っ」
風神「巫女ちゃん!」
倒れかかった巫女を、風神が受け止める。
風神「魔力切れかな……?ちょっと待ってね……『癒しの陣・改』」
風神が魔法陣を展開すると、雷神の怪我が癒え、巫女の魔力も回復した。
巫女「……ありがとうございます……」
風神「良かった……雷ちゃんは大丈夫?」
雷神「うん!大丈夫!いやー巫女凄いね!どこで知ったのさそんな魔法?」
巫女「……いえ……その……魔法使いさんが見てた魔道書に載ってて……」
風神「最近の魔道書って凄いねぇ……そんなの載ってるんだ……」
雷神「さ、取り敢えず先行こ?後は任せちゃって!」
巫女「……はい」