とある夏の物語

[おーい、着替えできたか？]

妹の部屋のドアを開けると、フライパンが飛んできた。

おー

‥‥フライパン！？

[おいフライパン投げるとかどんなアホだよ！]

[仕方あらへんやろ！もうちょいで終わるから待ってろよ！]

こっち被害者なんですけどー！

しかも今頃になって痛みが現れてきた。

あ、血が

そりゃあ鉄の塊だもんね！

痛いしけがもするってね！

[またせたなぁ、って！血、血ぃ！？だ、大丈夫か！？]

[大丈夫って聞かれたら大丈夫しか答えられんだろ！]

とりあえず絆創膏を探す。

‥‥救急箱どこいった！？

[救急箱どこか知ってるか？]

[この前なくしてきた☆]

てへ☆と笑う妹が憎いぞ！

[もう血流したままでいくよ]

[あ、救急箱私の部屋にあった！]

[あるんかい！？]

まったく、しょうがない妹め。

[私が手当てしたげる！全然釈にあわへんけど]

妹はこうみえて将来の夢は看護師だ。

小学生の時に看護師の試験対策の本買ってやったら全問正解だったんだよな。

[消毒痛くない？]

[染みるけど、こんぐらいガマンする]

[包帯レベルの怪我だけど大丈夫？]

[フライパンってそこまで威力あんの！？]

結局包帯巻いて学校に向かった。