テラーノベル
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チャイムが鳴って、昼休み。
私は次の授業の準備をしようと、急いで教室を出た。
抱えていたのは、分厚いノートと資料の束。
……そう、ちょっと無理して全部持ってる。
「うわ、やば……!」
角を曲がった瞬間、目の前から現れたのは——
「っと、危ないっ!」
どん、と衝撃。
気づけば私は誰かの胸に思いっきりぶつかっていた。
見上げると、白いシャツにネクタイ、
そして優しく驚いた目。
「……先生っ!?」
「お前、廊下走るなって言ったよな?」
少し呆れ顔で笑う、深澤先生。
その声がやけに近くて、心臓がドクンと跳ねた。
「ご、ごめんなさいっ……! 資料が多くて……」
「ほら、貸せ。俺が持ってあげる」
そう言って、私の腕から資料をスッと取る。
指先が触れた瞬間、なぜか息が止まった
「……先生、優しいですね」
「お?珍しいな、素直に褒めるの」
にやり、と笑う先生。
その顔がずるいくらいかっこよくて、目をそらせない。
「……もう、そういうとこずるいです」
「ずるい? 俺、教師だぞ?」
そう言いながら、軽く頭をぽん、と撫でてくる。
その手の温かさに、胸の奥がふわっと熱くなった。
「次からは気をつけろよ。
廊下でまたぶつかったら……次は、罰だな」
「罰って……何するんですか」
「さぁ? そのとき考える」
冗談めかした笑みを浮かべながら、先生は歩き出す。
でもその背中を見つめる私の頬は、まだ赤いまま。
……先生の言う“罰”、ちょっと気になるかも。
コメント
4件
もう うちなら 罰受けまくりたくて わざとぶつかっちゃうよ 😏 .