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西尾くんは沙羅の前に立つと、やや照れ臭そうに口を開いた。
「あの…。高岡さん。来てくれてありがとう。突然呼び出されてきっと驚いてるよね」
「う、ううん。全然っ。そんなことないよ」
なぜか遠くから見てるあたしがやきもきしてくる。じれったいな。
「高岡さんに、伝えたいことがあって今日呼んだんだけど…」
「へっ!?そうなの?なに?」
すっかり声が裏返っている沙羅。ゴクリッ。
「オレ、高岡さんのことが好きです!オレと付き合って下さい!」
い、言ったーーーー!!
「………。」
沙羅は驚きを隠せないのか、頬を紅潮させて固まっている。沙羅はもしかして面と向かって告白されるのは初めてだったのだろうか。
「あっ。別に無理にとは言わないし、返事はいつでもいいけど…」
そんな固まっている沙羅をみてあわてて言葉を探す西尾くん。
「沙羅、大丈夫?」
あたしはできるだけ小声で茂みから沙羅に話しかける。すると沙羅はハッと我に返って西尾くんを見た。
「ええっと…」
「私も西尾くんがずっと好きだったから、嬉しい。私、西尾くんと付き合いたい…です!」
「ありがとう。……。海斗」
「え?」
「海斗でいいよ。沙羅」
「か、海斗くん」
「うん。これからよろしくね。オレの彼女サン」
西尾くんはそういってくるりと背を向けて去っていった。