それから私は毎日中也の病室に
遊びに行くようになった
病室の扉を開ければ何時も中也は
ベットの上で本を読んでいた
太宰「おはよう!」
中也「あぁ、太宰か」
中也「おはよ!」
太宰「何時も思っていたのだけど其の本、何の本なの?面白い?」
中也「そんな面白いもんじゃねぇよ」
中也「暇だから読んでるだけだ」
太宰「私は本って言ったらあの本しか好きじゃないなぁ~、」
中也「どんな本なんだ?」
太宰「自殺の方法が書いてある本!」
中也「は、?自殺?」
太宰「私趣味が自殺なんだよね~」
太宰「…引く?」
中也「別に引きはしねぇが驚くな、」
太宰「やっぱり中也って変わってる」
太宰「こんな事言ったら皆んな引くのに」
中也「そう言えばお前何時迄入院なんだ?」
太宰「ちゃんとした日程は決まってないけど数週間後には退院できるって言われた」
中也「そうなのか」
太宰「もし、私が退院しても中也のお見舞い来てあげるから!」
中也「そりゃどうも笑」
何気ない世間話をしていると
中也の病室の扉がコンコン、っと鳴った
中也「は~い」
母「着替え持ってきたよ」
母「あら、お友達?」
太宰「こんにちは…」
母「こんにちはニコ」
中也「うちの母さんだ」
太宰「そうなんだね」
母「うちの中也がお世話になってます」
太宰「あ、いえいえ」
母「お友達との時間邪魔してごめんね~」
中也「別に大丈夫」
母「じゃあ行くね」
母「何かあったら連絡するのよ」
中也「わかった」
ガチャン
太宰「…お母さん、優しそうな人だね」
中也「そうか?」
太宰「うん、すごい優しそう」
中也「太宰の母さんはどんな人なんだ?」
太宰「…..」
中也「どうした?」
太宰「何でもないよッ!」
中也「…そうか」
太宰「そろそろ検査の時間だから病室戻るね!」
中也「あぁ、また後でな」
太宰「うん!また後で」
そう言って私は中也の病室の去った
正直、中也が自分の母の事を聞いてくるとは思っていなかった
聞かれたときに何て答えたらいいのか
わからなくて黙り込んでしまった、
きっと中也を困らせただろう、
後で謝らなければ
そんな事を歩きながら考えて
気づけば自分の病室の前に立っていた
扉を開けると其処には母が居た
太宰「お母さん…」
入院してから一回もお見舞いに来なかったら母が急に病室に居たので衝撃で言葉が詰まった
太宰母「何処に行ってたの」
太宰「…友達と話してた」
太宰母「友達と話す暇があったら勉強しなさい」
太宰母「勉強道具持ってきてあげたから」
太宰「…ありがとう」
太宰母「全くどうして事故なんて」
太宰母「貴方今、大切な時期なのよ!?」
太宰母「もう少しで模試があるのに、」
太宰母「事故の所為で成績が下がったら許さないわよ」
太宰「はい…」
太宰母「明日から細めに病室来るからしっかり勉強しなさい」
そう言い残して母は病室から出て行った
私は小さなため息を吐いてベットに寝た
太宰「…心配の言葉、無かったな」
小声で呟いたこの言葉は病室の中で消えた
俺の一言から太宰の様子が可笑しくなった
様子が可笑しくなる引き金はわかってる
其れは【母】についてだ
俺が太宰に母に関する質問をした途端
様子が可笑しくなったのだ
俺は太宰の事が心配になり、
自分から太宰の病室に向かう事にした
俺は昔から全く病室の外に出ないから
看護師の人がびっくりしていた
扉を開けようとしたら中から話し声がして
誰か先に客が来ているのがわかった
その為病室に帰ろうとしたが中から
「貴方今、大切な時期なのよ!?」
と言う女の人の怒った声がして思わず立ち止まった
会話は扉越しでも十分に聞こえた
周りの人も其の声を聞いて心配した視線を病室に向けていた
「もう少しで模試があるのに、事故の所為で成績が下がったら許さないわよ」
其の言葉の後、中から足音がしたので
急いで物陰に隠れた
物陰に隠れた数秒後、扉が勢い良く開き
中からは30~40代くらいの女性が出てきた
俺はどうすれば良いのか解らず止まっていたが
太宰の事が心配になり恐る恐る扉を開けた
中にはベットに寝っ転がっている太宰か居た
部屋に入ろうと足を一歩踏み出そうとすると
太宰は小声で
「心配の言葉、無かったな」と呟いた
俺は其の言葉を聞いた途端、
ほぼ無意識に太宰に抱きついていた
太宰「ちゅ、中也!?」
太宰「何で此処に居るの!?」
中也「…心配で来たら女の人が怒ってる声が聞こえて病室の前で待ってた」
中也「勝手に話聞いちまってすまねぇ…」
太宰「聞こえてたんだ…」
太宰「ううん、大丈夫だよ」
中也「なぁ、あの人誰なんだ?」
太宰「私のお母さんだよ」
俺は其の言葉を聞いた瞬間、
全ての謎が解けた気がした
中也「…ごめんな」
太宰「何で謝るの?」
中也「俺、さっき太宰に母さんの質問しただろ?」
中也「嫌だったよな、ごめん」
太宰「…私こそ中也の事困らせてごめん、」
太宰「何処から聞いてた…?」
中也「大切な時期ってところから」
太宰「あぁ、其処か」
中也「お前、何か試験受けるのか?」
太宰「まぁね、」
太宰「大学の試験があるんだ」
中也「もうそんな時期か…」
中也「どっか目指してる大学があんのか?」
太宰「私が目指してるっていうかお母さんが行って欲しい大学なんだけどね」
太宰「医大に行って欲しいみたいなんだ」
中也「そうなのか…」
太宰「其れで模試がもう少しであるんだけど私が事故起こしちゃったから怒られちゃった、笑」
中也「…心配はしてくれたのか?」
俺は性格が悪い
あの言葉を聞いて尚、此の質問をしたのだ
でも、俺は太宰の気持ちが知りたくて
太宰の本心が知りたくて
態と嫌味な質問をした
太宰「…してくれなかった!笑」
俺の予想に反して太宰は笑った
苦しそうなつらそうな顔で
中也「…..」
太宰「お母さんはね心配何てしてくれないのだよ、中也のお母さんと違ってね」
太宰「お母さんは私の心配じゃなくて私の成績の心配をしてる」
太宰「…少しは心配してくれると思ったんだけどなぁ笑」
中也「…俺で良ければ話聞くぞ」
俺が真剣な顔をしてそう言うと
太宰は俺の顔を真っ直ぐ見た後
下を向いて話し始めた
太宰「私ね養子なんだ」
太宰「あのお母さんは本当のお母さんじゃない」
太宰「本当の両親は病気で死んだ」
太宰「私が4歳の頃に」
太宰「私の親戚は私を引き取りたがらない人ばっかりだったんだ」
太宰「そんな中で今のお母さんだけ私を引き取りたいと言った」
太宰「其れには感謝しているよ」
太宰「あのまま引き取り手が見つからなかったら施設に行ってたからね」
太宰「でも、養子に向かい入れられて数日で解った事があった」
中也「何が解ったんだ?」
太宰「今のお母さんは私の頭脳に惹かれて引き取ったんだって」
太宰「私、何故だか昔から頭が良くてね」
太宰「3歳の頃には字は書けたし読めた」
太宰「お母さんが私を引き取って数週間後にはもう小学校の受験の勉強が始まってた」
太宰「その頃の私は特に疑う訳もなく唯お母さんの言う通りに勉強をして無事に合格した」
太宰「小学校に入ってから良く医者の話をされた」
太宰「聞いてる内にお母さんは昔、自分が医者になりたかったんだって思った」
太宰「きっと自分がなれなかったから私に託そうと思っているんだと思う」
太宰「小学生4年生の頃に中学校に向けた受験勉強が始まった」
太宰「其処迄は大した事ない受験だった」
太宰「中学校も無事に合格できた」
太宰「でも、次は高校の受験が始まった」
太宰「其処の高校は難関校で有名らしくてお母さんの勉強への束縛が激しくなった」
太宰「毎日毎日勉強で友達なんてろくにできなかった」
太宰「でも、そんなに勉強をしても其処の高校には入れなかった」
太宰「其の時からお母さんの勉強の束縛が悪化して今は大学って感じ」
太宰「お母さんは私の事なんて何にも考えてなくて考えてるのは成績と将来だけ」
太宰「だから私はこんな毎日が終わって欲しくて、早く死んでしまいたくて自殺をする」
太宰「でも私は運が悪く自殺が一向に成功しない」
太宰「…ごめんね、」
太宰「中也は病院から出られなくて苦しんでるのに外で自由に暮らしてる私はこんな事で苦しんでる」
太宰「中也からしたら怒りたいくらいだよね」
中也「そんな事ねぇよ」
そう言って俺は太宰の手を握った
中也「話してくれてありがとな」
中也「俺は太宰をちゃんと見てるから」
中也「だから、死にたいなんて言わないでくれ」
俺は気付かぬうちに泣いていた
太宰「泣いてるの…?」
中也「だって太宰が死にたいって言うから」
中也「俺は太宰に死んで欲しくねぇ、」
太宰「ッ」
太宰「…ありがと」
そう言って太宰は涙を流した
一回涙が出たら止まらないらしく
声を我慢して泣いていた
必死に声を我慢する太宰を抱き込んで
頭を優しく撫でた
俺はこの時、一つ決意した
中也「これからは俺が守ってやる」
どうでしたか?
本ッッッッッッ当にすみません💦
放置しすぎました…
夏休みは本気で勉強しててテラー自体
ほぼ開いてませんでした
数日前に模擬が終わったので
キリがいいと思い投稿させていただきました!
待っていてくれた皆さん
本当にありがとうございます!
そして本当にすみません!
これからもこんな感じになってしまうと思いますが気長に待っていただけたらと思ってます
これからも頑張るのでよろしくお願いします!
コメントしてくれると嬉しいです!
次回は❤️1000で投稿します!
ではまたね!
コメント
19件
以前ハートを送った者です。 作者さんの体調が第一ですから、ご無理なさらずに 作品作りを楽しんでください🥰 こちらこそ、いつも素晴らしい作品をありがとうございます💕
初めまして✨ 作品が好き過ぎるのでコメントさせて頂きました!! 続き楽しみにしてます💗
お久しぶりです〜、投稿してくださってありがとうございます! いやぁ、本編とは違って仲の良い二人っていうのもいいですねぇ、、、☺️ 太宰さんの義母は私が制裁を(?)与謝野さん呼んで、爪をまず一枚一枚剥いでいきましょうかね、、、。