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どもどもきゃるですよ〜5話できました〜
今回も死ネタ、グロ注意です!
それではどうぞ!
5話 無理しないでね。
チリン チリン
耳の中でこびりついた風鈴の音が鳴る。
イタリアが帰ったあとも、あの言葉だけが頭から離れなかった。
「壊れる時って、一瞬だから。」
まるで、何かを知っている人みたいだった。
……まさか…
…考えすぎだ、きっと。
だってイタリアさんは、いつだって明るくて、少しおちゃらけていて、ドイツさんに怒られてばかりで。
……そんな人が。そんなはず、ない。
そう思おうとしたのに、胸の奥の違和感だけは消えなかった。
その日の夜は全然眠れなかった。
窓の外では、夏の虫が鳴いている。
扇風機が回る音。
時々聞こえる車の走る音。
何も変わらない夏なのに。
ふとスマホを見ると時刻は午前2時だった。眠ろうとして目を閉じるたびに、嫌な記憶が蘇る。
途切れた電話。
泣いていたイタリア。
何もできなかった自分。
そして
胸が張り裂けるほどの優しいドイツの声。その優しい声がいつか消えてしまうことがとてつもなく怖かった。
日本「……いやだ……」
ぽつりと零れた言葉に、自分で驚いた。
こんなにも、失うのが怖いなんて。
ドイツさんが死ぬ未来なんて、もう見たくない。
絶対に。
絶対に嫌だ。
気づけば、スマホを握っていた。
メッセージ画面。
相手はドイツ。
何度も開いて、閉じて。
文字を打っては消す。
『大丈夫ですか?』
違う。
『最近気をつけてください』
意味がわからない。
『8月31日は外に出ないでください』
……頭がおかしくなったと思われる。
日本「……」
しばらく悩んだあと結局何も送らなかった。
それからの日々僕は変わった。
いや、変わらざるを得なかった。
教室。
イタリア「日本〜購買いこー!」
日本「すみません、ドイツさん。水飲みました?」
ドイツ「……は?」
日本「ちゃんと飲んでください。熱中症になります。」
ドイツ「いや、さっき飲んだが……」
日本「塩分も足りてないです。」
イタリア「…www日本、お母さんじゃん〜」
日本「笑い事じゃないです!」
ドイツ「……?」
昼休み、放課後、帰り道。
日本は異常なほどドイツを気にするようになった。
水筒、日傘、冷却シート、塩分タブレット、天気予報の確認、気温の確認、予定の確認。
ドイツが少し咳をしただけで心臓が跳ねた。
イタリア「日本さ〜最近ほんと過保護なんね。」
日本「……」
イタリア「ドイツ、ペットじゃないんだよ?」
ドイツ「誰がペットだ。」
日本「……だって。」
死んでしまう。
その言葉を飲み込む。
言えない、言えるわけがない。
ドイツ「日本。」
ふいに呼ばれて少しびっくりした。振り返ると、ドイツが少し困った顔をしていた。
ドイツ「心配してくれるのはありがたいが……最近、少し無理してないか?」
日本「……してません。」
即答。
嘘だった。寝れてない、食べれてない、ずっと怖い…でも、僕が壊れるくらいどうでもいい。
ドイツが生きてくれるなら。
ドイツ「……目の下のクマ、酷いぞ。」
日本「大丈夫です。」
ドイツ「大丈夫じゃない顔だ。」
日本「……」
ドイツさんはずるい。そうやって…何でも見抜く。
でも肝心なことだけは、わからない。
僕がどれだけ怖いか、どれだけあなたを失いたくないか。
日本「……ドイツさんこそ、無理しないでください。」
ドイツ「……?」
日本「お願いですから。」
言った瞬間。
教室が静かになった気がした。イタリアが笑うのをやめていた。ドイツも少し驚いた顔。しまった。重すぎた。
日本「あっ、えっと……その……」
ドイツ「……わかった。」
静かな声。
ドイツ「そんな顔をするなら、気をつける。」
胸が苦しくなった。優しい。だから怖い。どうしてこの人は、こんなにも…
そして気づけば。
8月31日
日本「……」
朝。
蝉の声がうるさいくらい響いている。
カレンダーの日付を見ただけで、吐き気がした。
今日だ。
今日、ドイツが死ぬ。
何があっても。
絶対に家から出さない、今回は外出しない、完璧だ。通り魔も、事故も、何も起きない。そう思っていた。
ピンポーン。
にゃぽん「お兄ちゃんたち来たよ〜!」
日本の心臓が、嫌な音を立てた。
玄関。
イタリア「やっほー!」
ドイツ「おはよう。」
……生きてる。
まだ、生きてる。それだけで泣きそうだった。
日本「……来てくれて、ありがとうございます。」
ドイツ「……?ああ。」
イタリア「今日テンション変なんね?」
日本「今日は……絶対に外出しません。」
ドイツ「…最初からその予定じゃないか?」
日本「絶対です。」
イタリアが、一瞬だけ日本を見る。何かを探るみたいに。でもすぐ笑った。
イタリア「りょーかいなんね〜!」
その笑顔の奥で、ほんの少しだけ。何かを考えている顔をしていた。
イタリア「何して遊ぶんね?ゲーム?」
日本「…」
考えていなかった。何もしたいことが浮かばない。
僕は今日、ドイツさんが生きていればそれで…
手が震える。鉄骨、通り魔。ドイツは今生きてここにいる。ドイツが死んだのは全て外だったからだ。家の中にいる今、ドイツが死ぬ要因なんて何もない。
大丈夫、ドイツは死なない…大丈夫…大丈夫…
ふと意識が薄れていく。ずっと寝ていなかったからかな。ドイツの声とイタリアの声が遠くなる。ああ、疲れたな…
意識がなくなる前にイタリアの声が小さく聞こえた
無理しないでね。
チリン チリン
お帰りなさい〜今回のお話はどうでしたか?個人的にドイツさんと日本の複雑な関係を描写できて楽しかったです!
次は500♡にしておきますね!なんせ全然書き終わらないんで!!!
読んでくださりありがとうございました✨
コメント
1件
第5話、読みました…。風鈴の音がずっと耳に残る感覚、すごく怖かったです。日本くんがドイツさんを守ろうと必死になるほど、逆に自分が壊れていってる描写が切なくて。イタリアの「無理しないでね」が掛け声みたいに響いたのも印象的でした。本当にそうだよね、って思わず心の中で返事してしまった。続きが気になって仕方ないです…!
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かきごおり。
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