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前置き
※言葉の使い方が間違っている箇所が多々あると思いますがこのお話を授業で書いた当時は中1だったので大目に見てください。
※このお話のエーミールは金髪翠眼です。
※原作の数年後のお話です。
※BL要素超薄いです…
本編
翌日僕が目を覚ました時には、外は明るく、僕の心とは裏腹に眩しく僕を照らした。
エーミールの旅立ちに相応しい快晴だった。
彼が出立するのは昼頃だと聞いている。 でも僕には彼を見送るような勇気は、なかった。
僕が一人悩んでいると、気づけば外が一層騒がしくなりはじめた。 きっと彼の見送りにきた人々だろう。
彼の学友の一人が別れの挨拶をしているのが聞こえてきた。彼の笑い声も。
僕は、そっと窓を覗いた。
一言で言ってしまえば、眩しかった。
彼の輝く金髪が、太陽が、皆に祝福され旅立つ彼の姿が、眩しかった。
未来への希望を胸に抱き、堂々としている姿はまるで幼い子供のようで、それでいて大人びていた。
僕とは違う。僕は意味もなく 歳を重ね、背が伸びただけ。あの日から中身は何一つとして変われていない。
「僕に…彼を祝福する資格なんてないんだ」
僕の小さな呟きは、そのまま劣等感で飽和した空気に静かに溶けていった。
僕には彼の明るさは眩しすぎた。 彼から、光から隠れるように、耳を塞ぐように、僕自身を守るように、殻に籠った。
消えてしまいたかった。
日が暮れた。彼は無事出立したようで、日中の騒がしさはもうすでに止んでいた。
ふと隣の家に視線を向けると、いつも付いている明かりが一つ、減っていた。
二階のある一室だった。
毎夜、彼が窓から顔を覗かせて空を眺めていた。
今更ながら彼はここにいないのだと実感し、なぜか笑みがこぼれた。
「あははっ…!」
目の前の光景が滲む。同時に塩味を帯びた雫を感じた。
なぜ?分からなかった。
僕が彼を恋しく想う意味なんてないのだから。
続く