テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
🕶🐴前提
🐒🐴 🦊🌊 むめひか🈶
🕶と🐒 兄弟です。
______
kunside
弟に彼女ができたらしい。
それを聞いたとき僕は心から祝福した。
「へぇ。どんな子?」
「めっちゃいい子。今度家に連れてくる」
「お前がそんなこと言うなんて、相当好きじゃん」
からかうように笑うとDDは少し照れくさそうに笑った。
その顔を見俺もも笑った。
コイツが幸せならそれでいい。
本当にそう思っていた。
少なくともその子に会うまでは。
⸻
日曜日の午後。
玄関のチャイムが鳴った。
「兄ちゃん出て!」
「はいはい」
面倒くさそうに立ち上がって玄関へ向かう。
ドアを開ける。
そこにいた彼は、俺を見るなりぺこっと頭を下げた。
「初めまして。ウマヅラハギです」
「……あ、初めまして」
一瞬言葉が出なかった。
別にものすごく派手な子だったわけじゃない。
むしろ普通の男の子だった。
柔らかい雰囲気で少し緊張していて、俺と目が合うと恥ずかしそうに笑う。
ただ、その笑顔が妙に頭に残った。
「兄ちゃん?」
後ろから弟の声がする。
「何してんの?」
「いや……」
僕は慌てて横に避けた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
彼女が家の中へ入っていく。
その横顔を無意識に目で追っていた。
弟が彼女の隣を歩いている。
恋人なのだから当たり前の光景なのに、なぜか胸がざわついた。
⸻
その日の夕方。
三人でリビングにいた。
DDとウマヅラハギは楽しそうに話している。
俺は少し離れたところでスマホを眺めていた。
「ウマヅラハギ、兄ちゃんって怖くない?」
「え?」
「めっちゃ無愛想じゃん」
「刺青入ってるし」
「ちょっとやめろって」
笑いながら言う俺に彼女も笑う。
「全然怖くないよ」
「ほんと?」
「うん。優しそう」
その一言だけで、心臓が変な音を立てた。
……何を考えてるんだ俺は
相手はDDの彼女だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
そう言い聞かせた。
3,834
3,630
つらです
1,311
なのに。
彼女が帰ったあとも頭から離れなかった。
「じゃあ、またね」
玄関で振り返って笑った顔。
その声。
その仕草。
全部。
そして俺は認めたくないことに気づいてしまった。
弟の彼女に
俺は恋をした。
コメント
1件
読み終えました。まずこの冒頭の「🕶🐴 🐒🐴 🦊🌊 むめひか🈶」、めちゃくちゃ気になりました。記号でキャラを表してるんですね。読み進めると、「🕶」が兄、「🐒」が弟(DD)。で、「🦊🌊 むめひか」がウマヅラハギ……この辺りの暗号めいた仕掛けが、世界の設計を見るみたいで好きです。 本編はもう、読んでて胸がきゅっとなりました。弟を心から祝福してたのに、彼女の笑顔ひとつで平衡が崩れていく。優しい空気と、自分の感情に気づいてしまう切なさのバランスが絶妙でした。引き続き読ませていただきます。