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こんにちは!常闇だよ。
投稿期間が物凄く遅れてすみません!
今回は、番外編として太宰さんが敦君を連れて来る前の話を書きたいと思います!
未だ話をどう持っていくべきか悩んでるから、本編は暫く投稿出来そうに無いですm(_ _)m
まあ何方にせよ、亀さんペースなのは変わりないので、そこだけはご了承ください!
話が長くなって御免ね、それでは楽しんで下さい
キャラ崩壊・オリキャラ有り・その他諸々
それでも良い方はゆっくりしていってね!
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とある日の朝。
私は何時もと変わらず、時間通りに首脳室へと辿り着いた。
声を掛け、返事を貰ってから部屋へと入る。
すると治兄は何時もの黒い外套を羽織っている最中であった。
私は其れを見て、外出するのだと確信する。
「…何方まで?」
「着いて来れば判るさ。却説、時間が無いから早く行くよ。」
それだけ告げた後、治兄は私の横を過ぎて部屋を出る。
“早く行くよ” と云う事は、私も着いて来ても善いと云う事だ。
私は少し高鳴る気持ちを抑え、さっさと準備を終わらせ治兄を追った。
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其れから数十分、私は行先を知らぬ儘、治兄に着いて行った。
聞いても「直に判る」としか云われない。
然し着く前の景色で、私でも治兄が何処に行こうとしているのかは必然と判った。
____貧民街だ。
「…首脳、此処で何を___」
「澪琉。此処から先は”彼”に見つから無い様にし給え。私が先に行くから、君は少し遠くで待機だ。」
思わず私は異議を申し立てようとしたが、云っても無駄な気がして止めた。
何時も以上に、治兄が真剣な表情だったから。
「御意。」
先を進む治兄の後を、少しずつ追って行く。
其れにしても、”彼”とは誰だろうか。
此処に来たのも其奴が目的で?
私は少し頭で考えつつ、離れ過ぎぬ様に治兄の元へ進んで行く。
然し其処で、私はある事に気付いた。
「(此の辺り…血の臭いが漂っている。)」
其れに気が付いた後に直ぐ戦闘態勢に入ろうとしたが、治兄が誰かに話し掛けた事で其の動きは止まった。
「それはね、君が己の意志で生きていないからだよ。」
何時の間にか、治兄は目の前から消えていた。
然し前方から声がしたのを確認したし、距離を保つ様に云われていたのも有り、私は其の場で待機する事にした。
「貴様は…….一体….」
少年の声だ。
其れも、死にかけで在ろうか細い声。
「連中の、仲間か。」
「君を組織に誘う心算で来たが___止めた。」
矢張り勧誘か。
大方、検討が付いていた答えに私は納得する。
「己の意志で暴力を振るうなら、どんな残虐でも人間らしさの一側面だ。
だが、環境の関数として痙攣的に他者を傷付けるなら、それは単なる知性なき害獣だ。」
「僕を、害獣だと。」
少年の怒りの声が辺りに木霊する。
少し位置を変えて現状を見るが、少年は闘ったのか血塗れだった。
其れだけに、良くもまあ威勢が善いものだと感心する。
「ならば貴様等は何だ。
貴様等のような屑が振るう暴力が、正当とでも云うのか。」
少年が立ち上がる。
治兄は其れに対し、少年の方へと歩き出した。
私も何時でも応戦が出来る様にと、音を立てずにナイフを構える。
「私を殺す気かい?だとしたら君は、今日この世界で最も愚かな人間だよ。芥川くん。」
「愚かで構わぬ。僕の望みは、目の前の男を世界で二番目に愚かな人間にすることのみ。」
其の言葉を聞いた瞬間、治兄は密かに溜息をついた。
「本当に救いようもない程に愚かだ。復讐だって?その為なら死んでも良いだって?
君が死んだ後、遺された妹さんがこの街でどんな目に遭うか、想像すらできないのか?」
治兄の言葉に一瞬、私の心臓が飛び跳ねた。
…貴方が其れを云いますか。
「…..ッ! 何故、妹の事を知っている。貴様ァ…」
少年の怒りが奮闘し始めた。
少し遠くに居る私にも、圧が伝わって来る。
「貴様、貴様貴様!妹に手を出す気か!
許さぬ…許さぬ!【羅生門】ッ」
____刹那。
少年の服から巨大な黒獣が顔を出した。
其の黒獣は勢いの儘、治兄の元へと物凄い速度で迫って行く。
「死ねッ、」
黒獣の刃は既に目と鼻の先。
然し治兄は立ち退く事もせず、唯 冷たい視線だけを少年に向けていた。
「…….詰まらないね。」
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